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冬野
冬野
冬野
@fuyuno
真冬のうちわ
  • 2025年10月28日
    世界99 下
    世界99 下
    下巻読了。 えげつない描写は上巻よりも減ったものの、じっとりとした不穏な雰囲気を常に感じた。 主人公が(半ば他者に誘導されたような形とはいえ)己の未来を選択してからの行動描写は比較的軽やかな気持ちで読めた。多少の無責任さは否めないけれど、全てを放り投げるような行動ではなくて、引き継ぎや手続きはきちんとこなしていたところが良かった。 主人公は基本的に相手に応じて「人格」を変えているけれど、ごくまれに切り替えをミスって他の人格のようなノリで喋ってしまうシーンもあって、その時に主人公の理解者である音ちゃんが特に触れずにスルーしてくれたのがささやかだけど素敵な描写だと思った。 多くを語りすぎないエピローグも良かった。 今後誰かとコミュニケーションをとるたびにこの作品で書かれていた「呼応」と「トレース」のことが頭によぎりそう。
  • 2025年10月23日
    世界99 上
    世界99 上
    上巻読了。 初めての村田作品、ヘビーな読み心地だ……。 序盤は感情のない主人公の空子の俯瞰的で冷徹な視点と適応能力の高さに感心しながら読み進めていたけれど、差別やモラハラ、いじめ、性加害の描写があまりにもエグすぎて情緒がめちゃくちゃになった……それでも物語に惹き込まれてあっという間に読めた。 全体的にエグい描写ばかりだが「ピョコルン」「ラロロリン人」などの独自の単語が気の抜けた雰囲気を生み出しているため、なんとかエンタメとして割り切って読むことができている気がする。 上巻に登場する男性の9割が「男尊女卑思想が染みついていて男性社会で上手く立ち回ろうとするモラハラ気質の男性」という最悪さ!もうそういう風潮が蔓延っている世界なのか、はたまた主人公の周囲に激ヤバ男性ばかりが寄ってきていたのか……。 レナと「教祖」が二人きりでいる時のやり取りが好き。なのでその後のレナに関する事件と数年後のレナの映画のくだりが読んでいて特に辛かった。加害者側も被害者側も見事なまでに記憶を改竄して過去を美化しているの、グロテスクで恐ろしすぎる。 「世界中の人が被害者と加害者を兼ねていて、時には(加害者として)気持ち良く発散するのでバランスが取れているのではないかと思うが、加害者の自覚がない人は自分が一方的に傷つけられていると思い込んで世界を呪っているのでなんだか大変そう」といったことを主人公が独白していたことが印象的だった。 「呼応」や「トレース」を駆使して相手の望む人格で接することで生き延びてきた主人公が、自分以上に上手く「呼応」してくる相手と出会ったシーンも興味深かった。 「モラハラ気質の男性」から影響を受けた夫から暴言を吐かれている時に、主人公が「私だったら彼よりも上手くできるのに。もっとこういう言動で女性を傷つけて、それを楽しめばいいのに。いまいち手ぬるいな」と女性の効率的な傷つけ方を密かに考えているのが恐ろしかった。母親が奴隷扱いをされているような家庭で育ったうえに、幼少期から痴漢をされたりひどい言葉を浴びせられたりしたせいで主人公にも男尊女卑思想が根付いているのが見受けられて辛い。 この物語がどう着地するのか、下巻の展開も楽しみ。
  • 2025年10月20日
    とてもしずかな心臓ふたつ
  • 2025年10月20日
    ホワイトラビット
  • 2025年10月20日
    食卓の音楽 新装版
    第2歌集の「パン屋のパンセ」がものすごく好みだったので、第1歌集の新装版である今作も楽しみ!
  • 2025年10月20日
    ロゴスと巻貝
    ロゴスと巻貝
  • 2025年10月20日
    世界99 下
    世界99 下
  • 2025年10月20日
    世界99 上
    世界99 上
    試し読みが面白かったので上下巻同時に買った!読むのが楽しみ〜!
  • 2025年9月28日
  • 2025年9月27日
    運命の八分休符
    運命の八分休符
  • 2025年8月20日
    魔女の子供はやってこない
    魔女の子供はやってこない
    大多数の読者にはトラウマを植え付け、ごく一部の読者にとってはバイブルになりそうな一冊。個人的には大好きだけど人には絶対に薦められそうにない。 とある不思議なステッキを拾ったことがきっかけで魔女のぬりえちゃんと友達になった小学生の女の子・夏子。夏子は人間たちの願いを叶えるというぬりえちゃんの修行を手伝うことになり……というストーリー。 目次は作者による手書きの地図になっていて、物語の舞台となる「自由町」の地理が一目で理解できる。自由帳に空想を広げている時の楽しさが伝わってくるような温かみのある画風も魅力的。 ストーリーは不条理と意思疎通の齟齬と残酷さと真摯さに満ちていて、グロテスクな描写や痒みの描写、虫の描写が凄まじい(虫が少しでも苦手なら本当に読まない方がいい)ので確実に人を選ぶものの、ストーリー展開や登場人物の言動が予想外で惹きつけられるし、愉快な台詞や胸を打たれる場面も。「願い」や「責任」などについて考えさせられるシーンもある。 小学生の口調を手直しせずそのまま書き写したような台詞や、小学生の夏子の感性を反映した独特の地の文も好き嫌いが分かれる点だと思うが、自分はとても好みだった。言葉選びの美しさを随所で感じたし、個性的な比喩や風景描写も新鮮で眩しかった。ただ、人体破壊描写や不潔さ、虫が襲い来る様子などが圧倒的な筆力で表現されているので精神的に元気な時でないと読み返せないかもしれない。 全6話が収録されていて、グロテスクさ控えめで幻想的な話もあればイヤミスめいた話もある。個人的には斜め上のストーリー展開や描写の醜悪さの割に謎の読後感の良さが味わえる3話が好き。
  • 2025年8月19日
    未来図と蜘蛛の巣
    奇妙さや危うさ、必死さ、そして真摯さを感じる掌編・短編・中編作品集。 泥濘にはまって足掻くけれど空回りしてほとんど進めない、といった状況を描くのが上手すぎる。 「ケーキを食べる」の悲痛な終わり方が好き。 収録作品の中で最も文量のある中編「エンタ」は痛ましい負傷描写と独自の語句や登場人物の多さ、そして頻繁に挟まれる欄外の注釈に戸惑ったものの、注釈で補足される人物紹介が味わい深くて面白かった。女性のみが所属する劇団で、自身の身体を舞台向けに改造しながら剣や飛び道具を用いて命懸けのショウを客に披露する演者たちの生き様と末路……容赦のない描写に圧倒されながら一気に読んだ。本当に容赦がない。 「幼馴染のAは小二まで女子でその後は机だった」というとんでもない一文から始まる「歩程」も奇抜な設定ながらとても良かった。 「蜘蛛の国から」の終わり方も良い。「明日があると思わせる、何かがあると信じさせる」というテーマは「エンタ」でも描かれていたけれどやはりグッとくる。 全体的に残虐でグロテスクな描写多め、一部ホラー色強めな話や生き物がかわいそうな目に遭う話もあるので苦手なものがある方はお気をつけて。
  • 2025年7月27日
    魔女の子供はやってこない
    魔女の子供はやってこない
  • 2025年7月27日
    〔少女庭国〕
  • 2025年7月27日
    未来図と蜘蛛の巣
  • 2025年7月19日
    法廷占拠 爆弾2
    面白くて一気読みした! 法廷に籠城した犯人が、その場にいる100人ほどの人質を暴力による恐怖で支配していく様子が恐ろしかった。 暴力的な描写だけでなく、登場人物の心を折っていく場面も多数ある。拍手のシーンとポテチのシーンが特につらかった……。 それでいて、なぜかとてもすっきりした読後感!個性豊かな警察官たちの活躍が気持ち良かったのと、物語の結末が絶望的でなかったことが要因かもしれない。 この作品だけでも楽しめるけれど前作の「爆弾」を先に読めば一部の登場人物の理解が深まって面白さが倍増するのでぜひ!
  • 2025年5月28日
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
    下巻読み終わった!! ものすごく面白かったし感動して物語のラスト30ページは号泣しながら読んだ……最高の読書体験!しあわせ!
  • 2025年5月13日
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
    上巻を読み終わった。めちゃめちゃ面白い……!!!ネタバレに一切触れない状態で読んでほしい。切なさと緊迫感が根底に漂いながらも、小粋で愉快なやり取り満載なので楽しく読める。いろんな感情で胸がいっぱいになった。
  • 2025年5月1日
    影犬は時間の約束を破らない
    影犬は時間の約束を破らない
    初めて読んだ韓国文学作品。 ふんわりとした詩的な読み味で好みだった。 他人の言葉になる前のとりとめのない思考をのぞき見ているような、あるいは偶然たどり着いた個人ブログを夢中で読み進めているような気持ちになった。 影犬の話が特に好き。魔法をかけられたような心地。
  • 2025年4月18日
    水曜の朝、午前三時
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