信頼 (ちくま学芸文庫リ-13-1)

信頼 (ちくま学芸文庫リ-13-1)
信頼 (ちくま学芸文庫リ-13-1)
アルフォンソ・リンギス
岩本正恵
筑摩書房
2026年2月12日
5件の記録
  • ジクロロ
    ジクロロ
    @jirowcrew
    2026年2月19日
    「奇妙な対照だった!」とアメリカの神学者、エドワード・ロビンソンは一八三八年に記した。「ここでは時代の軽薄を好む趣味が、墓の壮麗さによって同時に満たされた。墓地のなかの娯楽であり、墳墓に囲まれた劇場だった。」目に見える形で残っているものは、すべて目に見えぬものの証拠なのである。 …… ナバテア人が苦労して彫りあげ、みごとに完成させた葬儀のための巨大なファサードを、われわれは見る。ファサードの奥には部屋も通路もなく、動かぬ岩の無限の闇があるばかりだ。われわれの視覚は表面だけを見つめつづける。その奥には、考えられないものが存在している。 (p.54『知りえぬ知性』) ないところにあるものを感じ それを生み出してみたり、 あるものをあって欲しくないからと 見猿聞か猿言わ猿、ないことにしてみたり これこそが人間だけに備わる究極の能力。 前者は感受性を全開にし、 後者はそれを完全に閉ざす (閉ざそうと自身を偽る)。 光も闇も、結局は、人間だけが 意識的に操作しているだけかもしれない。 「はじめに、光ありき」 と語りはじめた人間の闇。 気づかない、気づかれないことは 死を意味する。 だから生きようとするものは 生きているものの五感に訴えようとする。 その欲望が極大になったときに形になるもの、 それが「巨大さ」、つまり五感への威圧、 スケールアウト。そして、 生物的死による象徴的不死。 これもまた、人知からのスケールアウト。 人間ってすごい。すごいってのは「馬鹿みたい」。 それを古代遺跡から感じられることが できるということ。 そのほんんどが、ないもののために捧げられた 巨大さであるということ。 遺跡、その建設においては、 死んだ人間(王)を存在させるために 生きている人間を死物(道具)として扱う。 死者だけが、今もなお健在であるということ。 死者が生者を翻弄しているという事実が 気づけばたくさん身近にあるなと思う。 あなたが生きているとするならば、 死んだもののために何かを捧げているはずでは? 今は亡き著者の本とか。 読むことで光を生み、死者に生命を与えつつ 自身は仮死状態となっているではないか。 そんな我とて Readsをon(rea(d)son)とすDeadsの一人。 RandDに生き死にする日々。 「大事業」とは、選ばれし死者を生かすために、 無数の生者の生命を犠牲にする。 「聖戦」もまた然り。 世帯主が世帯主たらんために つまらぬ犠牲を負う家族とか。 陰影の礼賛はときに危険思想につながる? 「ファサードの奥には部屋も通路もなく、動かぬ岩の無限の闇があるばかりだ。」 ファサードをファサードたらしめるものは、 その奥行き感、立体感を想像させるための 陰影であるということ。 ファサードが、本のタイトルが 普遍的生命を得る権利をもつとすれば、 それを生かすのも殺すのも 生きているものの生命だけであるということ。 私の文章を生きさせるために、 あなたの生命を吹き込ませているという事実。
  • ジクロロ
    ジクロロ
    @jirowcrew
    2026年2月16日
    砂は布のように漂って東のニジェール、チャド、スーダンへ向かい、やがて紅海の沈泥となる。 (p.20「アラワーヌ」) この本に書いてあることはまさに砂のように、形を残すことなく、布のように漂って、その輪郭だけを撫ぜてゆく、そんな流麗な風のような「信頼」の置けるレトリックたち。文章すごくいい。
  • monami
    monami
    @kiroku_library
    2026年2月13日
  • 白玉庵
    白玉庵
    @shfttg
    2026年2月11日
  • 上野剛
    上野剛
    @oribe1981
    2026年2月7日
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