シュグデン
31件の記録
プールに降る雨@amewayamanai2026年9月8日読み終わった図書館の新刊コーナーで見かけ、裏表紙に書かれたあらすじを読んだらおもしろそうだったので。 “青海省のチベット僧院で起きた不可解な銃撃死事件。捜査に当たった警察犬トレーナーのセルジャムツと、他界した僧の親友サマンダが出会い、死の謎を追ううちに信仰の深奥へと迫ってゆく。歴史的背景を織り込みながら、分断されたモンゴル民族の記憶とアイデンティティを問いなおす。” 薔薇の名前を連想したけど、導入こそミステリテイストではあったものの、なかなか捜査しないし密室感もなく、そういう感じではなかった。 内モンゴル自治区の警察官と故人の親友の学僧のふたりを軸に話が進む。モンゴル人としてのルーツをたどる形で清朝・中国共産党の圧政と独立運動が語られたり、仏法に仕える身としての懊悩から、あるいは事件の真相を探る過程でチベット仏教の教義が描かれる。宗教と歴史にかんする見慣れない単語もばんばんでてくるし、モンゴル人は歴史的に大陸に散らばって暮らしてきたという意味では、スケール感と読み応えのある作品だった。日本翻訳大賞の候補になりそう。 子どもが犬に乗って遊ぶ場面があり、チベット犬で検索したら熊みたいにでかくて笑った(チベタンマスティフというらしい)。


K@readskei2026年9月8日読み終わった宗教的施設で若い僧の射殺死体が見つかった…という出だしで一瞬『薔薇の名前』が過りもしたが、モンゴルの迷宮は一味ちがった。 民族の記憶、アイデンティティを問う、十二分にミステリ。





mikechatoran@mikechatoran2026年7月13日読み終わった海外文学中国・青海省にあるクンブム寺院で一人の若い僧が亡くなる。この事件を機に、捜査のために訪れた内モンゴル自治区の警察官と、亡くなった僧の友人でもある修行僧が出会い、物語は進んでいく。ミステリーと銘打っているが、そう思って読むと肩透かしを食らうかもしれない。ミステリー仕立てであるものの、モンゴル民族の歴史(清・中国のとの関係とか内モンゴル自治区のこととか)やチベット仏教について(13世紀にモンゴル帝国がチベットを支配して以来、モンゴルの仏教はチベット仏教だそうだ)、アイデンティティについてへと話は広がる。知らないことも多かったが、チベット同様、モンゴル系の人々の苦難の歴史に思いを馳せた。ラストのアジャ・ゲゲーンの望郷の念に胸を打たれる。































