紙の民

37件の記録
- DN/HP@DN_HP2025年7月14日この小説は歴史や報道などの「大きい物語」に抗う、個人的で無数にある「小さな物語」というものがたしかにあり、そしてそれを書き、読むことは必要だ、ということも書いた(読み取れる)小説だと思いたいのだけれど、同時に他人の人生を書くこと、あるいは他人に人生を書かれることについての小説でもある、と思っていて。それらは同じテーマのなかに入っているものかもしれないけれど。 作家に書かれる元パートナーの自問とそこに含まれているはずの憤りや悲しみを読んだとき、そんなことを考えながらまた別の大好きな小説、滝口悠生さんの「長い一日」を思い出していた。
- DN/HP@DN_HP2025年7月13日読んでる心に残る一節「過去を振り返って、別の恋人や町について考える瞬間。俺たちが行ってみて、ここが自分のいるべき場所なんじゃないかと思った場所。果園とオークの木陰があって、本物の川と季節がある場所。あるいは、別の人、ひょっとすると、花も灰もない別の町で、彼女とだったら…...。そこから何かが生まれることはまずないが、少なくとも思い出とノスタルジーにはどっぷり浸かることにはなる。」 浸かることにはなる。
- DN/HP@DN_HP2025年7月13日一方的に書かれてしまう大きな物語に抗する、それぞれの小さい物語。歴史や報道のなかでラベルを貼られカテゴリに押し込まれ、数字にされることで見えないものにされた人生にも、当然それぞれに物語がある。そんな小さい物語を語ることが出来るのが小説。ということも書いた小説。他の読み方もたくさんあると思うし、それが「正解」だとも思わないけれど、読むたびにそんな風に読みたいと思う。読んでいる。 勝つことは難しくとも、書き、残し、それを読むことは出来る。それには大きな意味がある。そんなことを考えると勇気も湧いてくる。
- DN/HP@DN_HP2025年7月12日作者がこの小説を書く前に繰り返し読んだという、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』を読んでから改めて読み返していると、マジックリアリズムな手法意外にも、ああ、たしかに、と思ったりする部分があったりする。プラスチック以外は崩壊していく村とか、結構「マコンド」ぽい。
- DN/HP@DN_HP2025年7月10日再読すると思うとワクワクしてくる、めちゃくちゃ凄くて、とてもカッコいい一冊。 昨日から読みはじめたジェイムズ・エルロイの『クライム・ウェイブ』。そこに収録された実話犯罪ものの舞台、そしてエルロイ自身のルーツともなる土地エル・モンテ。その町の描写というか、名前が目についた時点から、この本がまた読みたくなっていたのだ。
- 朝稲 青沙@aosaaosayomuyomu2025年3月13日気になる長年(10年以上)、気になっているのに買えていない本。Co.山田うんの『遠地点』の配信チケットを買って見ていたら、舞台上にこの本の表紙のような模様が現れて、あ、そういえば、うんさんがどこかで『紙の民』が大好きでこの作品も影響されている、と言っていたはず、と思い出した。多元的で、折りたたまれていた宇宙が展開されていき、ひっくり返り生まれ直す、宇宙再生のダンスだった。ずっとずっとうんさんに憧れ続けている。