悪童日記

31件の記録
- 天果@melon-rice2025年3月10日買ったかつて読んだまだまだ検索で出てこない書籍が多いけれど、そのうち登録できるようになればいいな。ここに置いておきたいタイトルもいろいろとあるから。 何かを読むとき、読んでいてハッとさせられる作品は印象に残るもので、自分の場合、それは抒情的なシーンというより論理的構造というか、構成について「そうきたか……!」という不意打ち感を与えてくれる物語であることが多い。 本作もその一つで、とりわけ「精神を鍛える」にはやられた。 疎開という辛い境遇に立ち向かうため、精神修養としてお互いに厳しい言葉を投げかけ合うというのはわかる。ある意味で子供らしい対処法でもあるし、思い浮かびやすいアイディアだ。そうしてふたりは街のひとびとからの罵声にも動じない心を身につける。 だけど、そのあとに語られるもう一つの対処法は遥かに哀しくて残酷だ。 それゆえ、今なお強く印象に残っている。
- まお@mao_ssss2024年5月10日読み終わった三部作読了。すげえものを読んでしまった……最初は軽い読み口で楽しんだ悪童日記から、こんなに残酷な"現実"を見ることになるとは。そして悪童日記として綴られた日々の意味。たしかにあった証拠として綴られた日々の意味。それらを三作目で突き付けられる。第三の嘘。第一の嘘、第二の嘘と積み上げてきた嘘、それらを経た今、第三の嘘が私の心に突き刺すものはあまりに大きい。 三部作すべてに言えることだけれど、ラストの引き際が見事だった。えっ!?!?!?で終われる小説は良い小説。