当事者は嘘をつく
40件の記録
ヒヨリ@charonll2026年8月27日読み終わったオーラルヒストリーを研究している身として考えさせられることだらけだった… "この物語は真実だが、私は常に「嘘をついている」と思いながら語っている。あなたが、私の言葉を疑う以上に、私は自分の言葉を疑っている。だからこそ、私はあなたに最後まで聞いてほしい。真実を明らかにするためにではなく、私の生きている世界を共有するために。" "私にとって性暴力被害者であるということは、 自助グループの仲間たちとともに作り上げたアイデンティティである。そのなかには、他者の記憶も混入し、個別の「私」という存在の輪郭は曖昧になっている。私 が「性暴力被害者として語る」ということは、「内面化した被害者たちの複数の声で語る」ということである。" "「私は嘘をついている」 相反する私の強迫観念が、私のなかから湧いてくる。ここまで生き延びてくるのと引き換えに、私は自分の記憶を忘れ、他者の記憶を背負い、嘘の物語を生み出し、 夢を描いてきた。だから、もうあのときの「正しい記憶」は壊れてしまっている。だから、どんなに言い繕っても、私の話は真実ではない。 「私は〈本当の性暴力被害者〉ではないかもしれない」 そのことが、私の一番の弱さだ。物証はなく、目撃者もいない。それ以上に、私自身の記憶ももうぐちゃぐちゃに崩れ、原型をとどめていない。" "私が語ったのは、きっと嘘がたくさん含まれた物語である。都合のいいところだけを書いたし、ここで描かれるのは「こうあってほしい私」の話だ。できるだけ楽しい場面も盛り込んで、ギリギリでハッピーエンドになるようにしておいた。 これは、私が描き出した精一杯の当事者の夢である。私(たち)は生きていける し、研究者になれる。"


nyannyaway@nyannyaway2026年5月2日読み終わったこれは画期的。タイトルで食わず嫌いしていましたが、凄い本です。 ジュディス・ハーマンの論に対抗し得るかも知れないポテンシャルを感じます。 当事者自身が研究者となることの混乱を真っ向から捉え、綴った書です。 研究者と支援者が読むべき書ですし、当事者がモヤモヤする自身について判ろうとする時にも支えになってくれるかも知れない書でもあると思います。
武田 俊@stakeda2025年3月3日読み始めたずっと恐ろしい気がして読めていなかった。昨日実家に帰る新幹線の中でやっとひらいて、自分がいま書いている初めての本、そして自分がテクストを書くことへのある恐れとある欠落について、それを埋める最後のピースがこの本だったのだ、と確信した。読み始めてわずか30分もら経たないうちに、そう思った。 あまりにも不意打ちな感動で手が震え、しばらくページをめくることができなかった。それがおさまるまで、車窓を眺めていようと思って目をやると、ちょうどトンネルに入る瞬間で、自分の顔が暗闇の中に映し出された。子どものような無防備な表情をしていた。

































