新装版 限りなく透明に近いブルー
88件の記録
- 中市民@hollyhock_1522026年1月1日読み終わった読み終わったが、何を書けばいいのか… 主人公の不安定な語りが作品の世界観を作り出していて、多少の読みにくさはあるものの、分からなさを描きだしたことが素晴らしい。 もう一度読んでみないと…
J.B.@hermit_psyche2025年12月31日読み終わったしばしば若者文化や退廃的風俗の記録として読まれるが、その理解は作品の表層にとどまっている。 このテキストの核心は、描写される出来事の過激さではなく、透明性という逆説的概念を通じて、存在・言語・主体の成立条件そのものを問い返す点にある。 透明であるとは何もないことではない。 むしろ過剰に存在するがゆえに輪郭を失い、意味として把握できなくなった状態を指す。 本作はそのような意味飽和状態に置かれた世界をほとんど冷酷なまでの平熱で記述する。 文体は感情や倫理的判断を極力排し、断片的で即物的な描写を積み重ねていく。 この語りの態度は、作者の価値観の欠如を示すものではなく、価値判断がもはや有効に機能しない世界の構造を、そのまま文体として引き受けた結果である。 ここでは言語は意味を深める道具ではなく、意味が剥落していく過程を可視化する装置として働く。 読者は物語に導かれるのではなく、言語が世界を捉えきれなくなっていく現場に立ち会わされる。 身体の描かれ方も同様に、主体性の崩壊を前提としている。 ドラッグやセックスは快楽や逸脱の象徴ではなく、自己同一性が解体されていくプロセスの触媒として配置される。 身体は私のものであることをやめ、刺激と反応が通過する場へと変質する。 その結果として現れるのは解放ではなく、自己を自己として把握できないという根源的な不安である。 ここで描かれる快楽は常に空洞化しており、充足ではなく消失へと向かっている。 この小説が書かれた時代の日本社会は、高度経済成長の余熱の中で豊かさと引き換えに意味の重力を失いつつあった。 本作はその社会的状況を批評的に説明することはしないが、登場人物たちの生の在り方そのものが、すでに社会批評として機能している。 国家や共同体、将来といった概念は、彼らにとって現実を支える軸にはなり得ず、ただ背景ノイズとして存在するにすぎない。 ここに描かれる日本は、理念としての国家ではなく、欲望と情報が漂流する空間としての日本である。 題名にある「透明に近いブルー」という表現は、視覚的イメージであると同時に認識論的な比喩でもある。 ブルーは感情や記憶と結びつきやすい色でありながら、透明に近づくことで色としての意味を失っていく。 この曖昧な状態は、存在が完全に消える直前、あるいは意味が発生する直前の不安定な領域を示している。 作品全体が、この臨界点にとどまり続けることで読者に安定した理解や解釈を与えない。 読了後に残るのはカタルシスではなく、理解しようとする意志そのものが宙吊りにされる感覚である。 この小説は答えを提示しないし、問題を整理することもしない。 むしろ問題を問題として把握するための前提条件が崩れていることを示す。 『限りなく透明に近いブルー』とは、何かを語る小説ではなく、語ることが困難になった世界そのものを、ほとんど無加工のまま差し出す文学的装置なのである。 ここにこそ本作が今なお読み継がれる理由があり、その過激さよりもはるかに深い射程が存在している。
たくみかん@takumikan-7152025年12月9日読み終わった知人から勧められ、読み始めた限りなく透明に近いブルー。 読み進めるほど、冒頭から後半に至るまで容赦なく突きつけられる性的描写や薬物の気配に、思わず身を引くような嫌悪を覚えた。しかし、その不快さを突き破るようにして、主人公のリュウが抱え込む退屈という名の空白、そして彼の中に潜む人間らしさが、妙に自分の心に触れてくる瞬間があった。 世界と自分の間に薄い膜が張ってあるような、どこにもいない、何も持っていない感覚。 言葉にならないその孤独を抱えた者だけが、このタイトルの示す限りなく透明に近いブルーを少しでも捉えることができるのかもしれない。 自分の中にある痛みのような感覚が、リュウの心とほんの少しだけ共鳴した気がした。
コサカダイキ@daiki_kosaka2025年11月27日読み終わった村上龍『限りなく透明に近いブルー』読了。 うん。正直に面白いとは思わなかった作品。でもこんな表現がある、許されるってのは衝撃だった。観たことがない。そういう意味ではある種面白かったのかもしれない。 読んでいると自分の五感も働くような文体だった。そこが評価されているんだろうか。 芥川賞作品ってだけで無条件に手に取っている。
sy@yo-mu-sa2025年11月22日読み終わったかつて読んだ20歳になった頃に、村上龍を知って初めて読んだが、全ての描写が当時の自分には気持ち悪く、受け入れ難く、最後まで読みきれずに終わってしまっていた。 でも村田沙耶香さんの『世界99』を読んで、気持ち悪さの先に自分の中に残ったものがたくさんあったので、 今の自分が『限りなく透明に近いブルー』を読んだら全然違う感想を持つのでは…と思っていた。 そして昨日書店を通ったので迷わず購入。 一気に読んでみて、やっぱり全然違った。 もちろん性描写の部分はどうしても気持ち悪さを感じてしまうけど、それ以上にリュウの心に何が起きていたのか、痛々しいほど感じた。 この流れで村上龍作品に触れてみようか、と思う。


あさみ@asami01052025年10月20日描写と文体が好き。途中から気持ち悪さもなく無の状態になってしまった自分の感受性を疑った、多分心の扉閉じてしまった…最後まで誰が誰かあまり分かってなかった()
朝焼け@satou_kechappu2025年10月17日読み終わった★★☆☆☆ 村上龍、芥川賞受賞作という事で教養読書。 結論自分には早すぎた。 薬と性に溺れた退廃的な青年たちの日常、のはずだが結局何を伝えようとしているのか、何をもって評価されているのかが分からず、ただ吐き気を催すリアルな描写に耐えながら読み進めただけ。 大人になったら帰ってきます。
みゆわ@miyuwa2025年10月12日買ったかつて読んだ感想読書日記衝撃的。 エロもグロもそうでないところも、情景がビビットに脳内に描き出されていく感覚。 作者が美大に通っていたこともあってか、読者にイメージを描かせる能力(テレパシー)が非常に長けている作家だと感じた。 セックスのシーンは酷く恐怖を感じた。薬の影響で感覚や思考が滅茶苦茶になるシーンも、読んでいるこちらが息が詰まるような感覚がある。読者の身体に影響を与える小説、というものに初めて出会った。文字を読むだけでイメージが浮かんだり音が聞こえたり匂いがしたりする、それによって身体に影響が出る、そんな感じだ。 最初はセックスのシーンが怖すぎてこの本を嫌いになりかけたが、飛行場シーン、ラストのリュウの語りのシーンで大好きになった。
ぴぐ@pgmn2025年9月4日読み終わったこれが芥川賞のなかで一番売れているって本当か?と思いながら読んだ。 とはいえ、退廃を映し出すのは小説が持つちからのひとつでもあるし、読んでるだけで気持ち悪くなったり頭が回ったりしそうになるこの本が持つちからみたいなものは強く感じた。 綿矢さんの解説がなかったら好きにはなれない(解説読んでも別に本編を好きになったわけではない)けれど、綿矢さんの解説のおかげで、読んでよかったな、途中でやめなくてよかったなと思えたので新装版を手にできてよかった。
britt@britt_reads2025年8月18日「蛇にピアス」の世界観が好きで、それに似たような本を読みたくてネットで色々検索したらこの本をおすすめされる方がちらほら。タイトルも魅力的。 東京の書店でたまたま見かけて、帯にデカデカと”芥川賞”書いてあったので、これは間違いないなと思い購入。 たしかに、たしかに自分とはかけ離れた世界の内容だった。よく分からない名前のドラッグと無意識に眉間に皺が寄ってしまうくらいの性描写。若い男女達の無軌道な振る舞い。 正直な感想としては、よく分からなかった。話の展開も、何を伝えたいのかも。私にはまだ早かったかなあ。 ただ、村上龍はこれを24歳のときに執筆したことにただただ驚くばかりだった。 いつか私にもこの本を美しいと思える日が来るだろうか。
はなまくろ@bottlesbonus2025年5月31日読み終わった“夜更かしの読み明かし”での読書会にて取り上げられていた。368万部の売上で368万の人に読まれている(?)作品ということで‥。中身はタイトルに反して胸焼けを起こしそうになるほど真っ黒。細かすぎる描写のおかげで映像として見ているような感じにもさせる。"鳥"とは"自由"だと思う。個人的に主人公の名前と作者の名前が一緒なのが気になった。「あなた何かを見よう見ようってしてるのよ、まるで記録しておいて後でその研究する学者みたいにさあ。”」「リュウ、ねえ、赤ちゃんみたいに物を見ちゃだめよ」芥川賞受賞作
猫@mao10122025年4月11日読み終わったかつて読んだ自分の心の深くにぐっさりと突き刺さる。主人公の内省的な性格と相反して、目の前で起こっている事象への苦痛、そこからくる現実等としてのドラッグ乱用…文章表現が独特なので好みは別れると思う。ページ数自体は少ないのに、とんでもなく苛烈な作品だった。


M@mmaaaiiii2025年3月7日読み終わった@ 伊良部島どうしたら24歳でこんなの書けるんだ…。 あと、今これを読んでいる島は今日も雨であり、今日も私は部屋から出なそうである。本を読む環境としては最高。
もちこ@mochi_books2025年2月10日読み終わった70年代のムードは好きだ、感情的で激しくて。でも男性目線の話はどうしても興味を持ちづらいなあ💭 真夜中のプールのシーンはすごくよかった 蛇にピアスと立て続けに読んだので、暴力とセックスはもういいってなってしまっている… モコが言っていた"もっと他にあると思うけどな、楽しむことがもっと他にあると思うな"という台詞が印象に残った


山口慎太朗@shintaro_yamaguchi2025年1月27日読み終わった最初に読んだのは2015年の6月らしいので(レシートが出てきた)、大体10年ぶりの2度目。最初に読んだ時は21歳。いま31歳。修行のために同じ本を読みまくろうと思っているので、このまま連続であと8回ぐらい読みたいな、と思っています。 一回目とは全然違う読み味。何より違うのは、めちゃくちゃに泣いた。 22場面。20人以上の登場人物。












空気@lumemolle2023年1月21日読み終わった「帰りたいなレイ子、帰りたい、帰りたいなあ。」p29 「でもなあ、俺はケイの気持ちも解るような気がするよ、」p41 「一本引き抜いて僕はその小さな羽でリリーの太ももを撫でていった。」p56 「リュウ、ねえ、赤ちゃんみたいに物を見ちゃだめよ」p72 「朝日を浴びて無造作に僕を捕えた男の手を、僕は生まれて初めて手というものを見るように眺めた。」p89 「本当に殺して欲しいよ、ここに立っているだけで恐いんだ。」p151 144 「リリー、俺帰ろうかな、帰りたいんだ。どこかわからないけど帰りたいよ、きっとまいごになったんだ。」p152























































