杉森くんを殺すには

杉森くんを殺すには
杉森くんを殺すには
長谷川まりる
くもん出版
2023年9月1日
20件の記録
  • いさ
    @zvsinombvs36502
    2025年9月16日
  • 心に傷を負った高校生が、他者や自己と向き合い、傷とともに生きていく方法を探す物語である。人間の心の不安定な部分が描かれているが、グロテスクすぎず、中学生でも安心して読める。会話も多く、ノリが良くて軽く読み進められる。だがその一方で、この物語の持つパワーは凄まじく、中高生だけでなく大人にもぜひ読んでほしいと思える一冊である。 一人に執着することは依存に陥る危うさを孕む。依存先を複数持つことは自立するということだ、という良子の言葉は、思春期の若者だけでなく大人の心にも響く。人が生きていくために必要なのは、たった一つの支えではなく、複数のつながりである。 加えてこの小説は、「客観」とは何かを根底から問い直す構造を持っている。ヒロの心の中にはリトル杉森くんやミトさん、さらには世間といった存在が現れ、ヒロをときに励まし、ときに責める。だが、それらはすべてヒロがつくりだしたものでしかない。杉森くんを殺す理由が次々に挙げられていくが、それもまたヒロの主観に過ぎず、読者は「完全な客観など存在しない」という感覚を、ヒロの言葉を通して体験することになる。 「人は生きてりゃ息をしつづける。だけど深呼吸は、なぜだか数えたくなってしまう。生きていることを、ことさら思いしらされるような気がして。」(98) 「なんだってわたしなんかを好きになったんだろう。好きになる要素なんてあった?きっとへんな人が好きなんだろうな。でなけりゃ、わたしを好きになるなんておかしい。まともじゃないと思う。だいぶ変わり者。だけどわたしは、まともじゃない人も、そんなにきらいじゃない。」(169, 170) 「いま、わたしは小さな谷に橋をかけた。 これから埋め立てていって、ちょろちょろした小川に変えちまおう。思いたったら、すぐとびこえられるくらいの。」(173)
  • JITTRE
    @Jitter77
    2025年9月7日
  • mochi
    mochi
    @mochibooks
    2025年8月13日
    失った人と自分との関係を紡ぎ直す話 1人で受け止め切らない依存と自立の話があるのは今っぽい。ああいう時は1人に頼りたくなる 結愛さんは頼ることが他者を苦しめることに自覚的で安心する いくつもの関係の中で提示された他者との関わりが自分の答えとして採用される感じは好き 杉森くんとの関係への結愛の回答はブルーピリオド15巻を彷彿とさせる。そこを一旦目指すだろうなあ。実感としては至るまでが早すぎる気はするけど。 ミトさんが逃げていたネタばらしをするのは、勇気がいるだろうなあ。
  • saori
    @sweetbox104
    2025年7月11日
  • ねこみ
    ねこみ
    @nekomi814
    2025年7月11日
    一気に読みました 感想をまとめるのむずかしい いちばんとか決めるのもあれなんだけどここ最近でいちばん ぐぐぐと、きました みんなに読んでほしい。
  • イフジ
    イフジ
    @daysbefore
    2025年6月17日
  • イフジ
    イフジ
    @daysbefore
    2025年6月13日
  • 気になり
  • Hoshiduru
    Hoshiduru
    @lilimoe
    2025年3月31日
    『ここはすべての夜明けまえ』と読後感が似ている、という感想を見かけて。
  • 「杉森くんを殺すことにしたわたしは、とりあえずミトさんに報告の電話を入れた。」 冒頭の一文。すごいな。 この本のタイトルや冒頭の一文に心がググッと寄った若い人にたくさん読まれてほしい。 チラシにあった作者の方の言葉もとても良かった。すばらしい本に出会えてうれしい。
    杉森くんを殺すには
  • 悠月
    悠月
    @yzkotm38
    2025年3月17日
  • nae
    @naetanenae
    2025年3月10日
  • 九日
    九日
    @kokonoka
    2025年2月27日
    呼人もよかったが杉森くんもよかった。 確かに児童書なんだけど、易しい=子供っぽい ではないんだなと、確かに読み手を子どもたちとして作ってるけどその読み手を侮ってないと感じる読み味だなと思った。専門家の解説が付いてるのも気が利いてる。 ミトさんの「……その質問には、答えられないよ」のあたりが好き。
  • peco
    peco
    @pecopeco
    2025年1月25日
    主人公のヒロはなぜ杉森くんを殺したいのか、杉森くんとは誰なのか、ヒロの気持ちが少しずつ解き明かされていく。その過程に引き込まれる。心に傷を負った高校生の物語。
  • み
    @arimi
    2024年12月31日
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved