推し、燃ゆ

推し、燃ゆ
推し、燃ゆ
宇佐見りん
河出書房新社
2020年9月11日
61件の記録
  • おふみ
    @ofumino
    2025年5月1日
    「推しとわたし」がテーマの、全て一人称視点の自伝。そしてとても現実的な内容。妄想も暴走も山も谷もない、ただ生きづらさを抱える中で推しに生かされていると勘違いしている女子高生の話。 実際生きていられているのは親がお金を稼ぎ食わせてくれて身の回りの世話をしてくれているからなのに、そのことにはいまいち気づいていない。いや気づいているのだろうが、元々そうだったのか、もしくは今に至るまでに確執があったのか、家族には感謝するどころか目を向けようともしない。 一見いびつに見えるが、誰しもがわかる感覚だと思う。物資的に生かされているのと、精神的に生かされているのとでは意味も重みも違う。往々にして精神的支柱の方が重い、大体の人は。だから推しを見て「神!」と言うのだろう。推しを神に据えた信仰なのだ。 この親は毒親だとかいうレビューも見かけたが、そういう話ではないと思うし、とくに毒親とは感じなかった。うん、そういう話ではない。そこは別に大事じゃない。 それにしても文体…言葉の転がり方が見事だと思った。喋り言葉に近いので口の中でころころ転がってサクサク読める。 さらに、徹底的して「主人公の視点」を外れないため主人公の感じ方をそのまま体験できるのが本作の最も面白いところだと感じた。 例えば、主人公はたびたび部屋を散らかしてしまうが、その一つ一つの描写の輪郭はぼやけていて曖昧だ。 こういうとき一般的には「どんな理由あって何をどのように散らかしてしまったか」を描写するのが普通の書き方だと思うが、本作にそのような説明はない。主人公は「気づいたらものを散らかしてしまう」し、「なぜ散らかるのか」「普通にできないのか」本心でわからない、つまり「散らかしたこと」を適切に認識できていない。主人公が認識できていないことなので、具体に書かれていない。 そういう徹底した主人公視点が所々に溢れて、むず痒さのような曖昧さを生んでいるのが好ましかった。そうそう人の主観ってこんな感じだよねっていう。こうして客観的に見ると歪んでいるように思うけど、ほんと実際こんなもんだと思うんだ。 バイトのシーンは特に、主人公から見た世界、ぐるぐる目がまわるような見え方がよくわかる。身も蓋もない言い方をすると「ADHDの脳内ってこうだよね、わかる〜!」という共感でもある。笑 ADHDじゃない人にとっては理解不能な書かれ方をしているかも? 「推し、燃ゆ」と題しながら、作中ずっと、燃えたことに目を向けていないのもこの徹底された主人公視点のためだと思った。だからこそ最後の力が抜けたような吐露がちょっと辛かった。 彼女は生きづらすぎて、理解者もいなくて、人とわかり合うことはもうとっくに諦めてしまったのかもしれない。だからわかり「合う」必要のない神を信仰して心の支えにしていた。 でも推しはあくまでも人間。神と崇めるには危うすぎた。彼女の信仰対象が神であれば、まだ彼女に背骨はあったのかもしれないな。もしくは仕事とか、この世で実益とされるものならば。 それでも人を求めてしまうのは、人の性なのかもしれないな。
  • ぽてて
    ぽてて
    @pt__xq
    2025年4月26日
    やっと読めた。 推しがいる人誰しもが共感する一文をメモしておく。 "守ってあげたくなる、切なくなるような「かわいい」は最強で、推しがこれから何をしてどうなっても消えることはないだろうと思う。"
  • 茶助
    茶助
    @kissakouchasuke
    2025年4月24日
  • もるさん
    @youta1127
    2025年4月24日
  • isd
    isd
    @_ofuton_sleep
    2025年4月20日
  • 🍪
    🍪
    @ruhuye
    2025年4月20日
    久々図書館で借りた。小説読了するのは久々かも。そんなに長くないのもちょうどよかった。ほぼドトールで読んだ。
  • たびたび
    たびたび
    @tabitabi
    2025年4月15日
  • Lara
    @takusan-yomitai
    2025年4月3日
  • Lara
    @takusan-yomitai
    2025年3月27日
  • maina
    maina
    @maina
    2025年3月26日
  • ポトフ
    @ppqq364
    2025年3月23日
  • しょうが
    しょうが
    @29xshiho
    2025年3月22日
    読みかけては序盤でやめていた作品。私には誰かを「推す」感覚、誰かへの執着が理解できないから読みにくかったんだということが、読み終えて分かった。
  • hiza
    hiza
    @kne_ee
    2025年3月20日
  • かりん
    @hug
    2025年3月20日
  • とーど
    とーど
    @toutoutoudo
    2025年3月20日
    推し、燃ゆって口にだすと楽しいですね、おし、もゆ。 推しが背骨になっていた女の子が砕かれた背骨を拾い集めて再築を試みるまで。 明記されてなかったけど発達障害が恐らくあって、肯定感が低い子が以前会っていた推しに自分を共鳴させてしまって同一化して人生の軸を譲り受け渡してしまっていた。意図的とか意図的じゃないとかではなく無意識にそうしないと立てなかったから。 推しを生活の中心に持ってくると自分のこと考えなくていい楽さがある、人生壊さない程度の彩りであればいいのかなとは思う。でも、この最後って推し活への否定が入っている?推し活ばかりじゃなく自分の人生見ろってこと?推し活が運動や勉強や文化的な活動だったらまた違うのか?そんなことしていない方がいいよ文脈がある?推し活って狂気でしか語られないのか。でも確かに他人に活動のベクトル向いているのに自分の人生ほっぽってるもんな。 このあとも激しい脳内会議が行われたのでよい本でした。
  • @papi
    2025年3月18日
  • ゆり
    ゆり
    @nabi8
    2025年3月17日
  • いぷしろん
    いぷしろん
    @ypsilon
    2025年3月15日
    推しがいるから、生きる甲斐があるのか。 推しがいるから、狂うのか。
  • りんりん
    りんりん
    @Rinrin35
    2025年3月11日
  • かゆ
    かゆ
    @yui_kayu
    2025年3月11日
    病院待ちでささっと読み終わった
  • 悠月
    悠月
    @yzkotm38
    2025年3月11日
  • にいろ
    にいろ
    @niiro
    2025年3月9日
  • さんつみ
    さんつみ
    @santsumi
    2025年3月9日
  • ころころ
    ころころ
    @suuu0511
    2025年3月9日
  • 「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。」 昨今のSNS上で見かけるような出だしから始まる今作は、第164回・芥川賞受賞作品。 周囲と同じペースで生きる難しさを自覚しながら、凄まじいまでの推しへの愛着ごと愛でる女子高生の姿が描かれている。 各所のレビューを見る限り「苦しくなる」と散見されたけど、真っ暗闇に限りなく近い薄暗闇の中で、諦観と愛を等身大で抱え続ける主人公の姿には覚えがあるような気がした。いつかの自分を見ているような、それでいてそんな自分はどこにも居なかったような、不思議な気持ちになった。 「綿棒を拾った。」(最終頁) 上京したてのころ、綿棒を床にばら撒いてしまったことがある。 実家から持ち込んだ荷物でぎゅうぎゅうになったクローゼットの奥からケースごと転げ落ち、枯れ葉のような動線を描いて水のように床上へ散らばった。写真を撮りSNSにアップすると、知り合いたちが笑い飛ばしてくれた。それだけで絶望もやるせなさも弔われた気がした。散らばった綿棒を拾って元通りにするのは骨が折れるような作業だった。すべてが元通りになったとき、目の前にあったのは変わらぬ日常だったけれど、ちいさな絶望をやり過ごす術が少しわかったような気がした。 今作では、「これがあたしの生きる姿勢」として縢られている。二足歩行は向いていないし体は重い。でも、目の前にあるものを自分なりの姿勢と歩き方で、自分の骨は自分で拾えない事実と滑稽さに寄り添われながら再び歩き出すんだろうと思う。東京の片隅で、散らばった綿棒を前にして途方に暮れていた自分もそうだったと信じたい。 「推し」という存在が何なのか、より深く問い直すことができる一作。
  • yuki
    yuki
    @yuyuyu_u
    2025年3月8日
  • うっそう
    うっそう
    @ussou
    2025年3月8日
    自分のことのようで…。
  • @yuu_ll
    2025年3月8日
  • nao
    nao
    @ggtop-88
    2025年3月7日
  • おもち
    おもち
    @mochimochi
    2025年3月7日
  • 安寧
    安寧
    @anne_____i
    2025年3月7日
  • め
    @memimumemo
    2025年3月6日
  • ヤハ神
    @yaha_138
    2025年3月6日
  • むく
    むく
    @___muku
    2025年3月6日
  • minori
    @3noij
    2025年3月6日
    ★3.5
  • una
    una
    @pechunina
    2025年3月6日
  • madoca
    madoca
    @ttng___
    2025年3月5日
  • tony_musik
    tony_musik
    @tony_musik
    2025年3月1日
    ・生きづらさを抱えた女性の描写に戰慄。ラストが素晴らしかった ・著者あとがきの饒舌ぶりが現代アート作家のようで現代文学に期待される姿の時代の変化を感じた
  • 風邪ひき
    風邪ひき
    @damdamdan
    2025年2月28日
    思ってたよりヘビー級。 なるほどの、芥川賞。
  • ロペス
    ロペス
    @ropeth0313
    2024年12月20日
    芥川賞作品のため手に取った一冊。 これまで「推し」がいたことがないので、なかなか共感できなかった。「こんな狂気を孕んだ人もいるんだな」という、ちょっと引いた感想。
  • 水面
    水面
    @minamo
    2024年10月2日
  • 大皿
    大皿
    @zarabon
    2024年5月15日
    疾走感あるし薄いしで読みやすい。 人はなにかに狂うことで生き延びられる。周囲から理解されやすく、仲間とも繋がりやすい、現代で手軽に狂えることのひとつが推し活なんだな。 困った人は、"困っている人"なのだと再認識できた。
  • 〽︎
    〽︎
    @ld_8i
    2024年5月1日
    Podcast🍣で勧めてて、気になってたしいい加減読むか〜と思って読んだ
  • @skinny_sinful_sheep
    2023年9月20日
  • minori
    @3noij
    2023年8月23日
    ★4
  • hiii
    hiii
    @hiii
    2023年5月31日
  • すみ
    @ok_samba
    2021年9月28日
  • スズキ
    スズキ
    @su_123
    2021年5月11日
  • おたより
    おたより
    @otayori
    2021年4月21日
  • aco.
    aco.
    @trg___ll3
    2021年3月24日
  • あり
    @arii_26
    2021年2月25日
    推しのいる人全員に響く本 気づけば自分のため、ではなく、推しのために生きてしまう主人公の生き方に少し共感できる点もあって苦しい こうはならないようにしようという戒めになる
  • おこめ
    おこめ
    @omc_28
    2021年2月17日
    推しがいるからこそ共感できる部分がたくさんある作品だった
  • あんぱん
    あんぱん
    @chocopan
    2021年2月8日
    何かを推してる状態のしんどさ、程度に違いはあれど共感できる部分があり、のめり込み体質のある自分もハマるジャンルによっては一歩間違えればこうなるかもしれない、とヒヤヒヤしながら読んだ。ベースに「生き辛さ」があるから、余計しんどいのか。生き辛さを埋めるかの如く何かを推す。結局は自分で推しに対してどう折り合いをつけるかに行き着くんだけど、それを模索しているような描写が、いかにも推しを解釈するかの如く自分を解釈、納得させている行為なのだと思った。
  • r.
    @yomu_r
    1900年1月1日
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