バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

118件の記録
- 篠乃崎碧海@Aomi_rds2025年8月29日読み終わった久々に骨太なファンタジーを読んだ。いや、ファンタジーといっていいのか?登場するものはファンタジーであるが、この世界で起きていることは紛れもなく現実にも存在する搾取、差別、植民地政策だ。全ては二重写しになっている。その説得力と、物語の主題である翻訳による言語的なズレ、ふたつが見事なバランスで絡み合っていて、いい読後感をもたらしている。 言葉をこねくり回す仕事をしているせいか興味深く読めた。言葉に対して鋭くなればなるほど世界の解像度が上がる。著者はその喜びを知っているのだなと思った。 学生の頃、世界史の授業である語族がどこからきてどこに流れ着きどう発展していったか、を学んだことを思い出した。当時はただの暗記科目としか思えなかったのだが、今なら奥深さが理解できる。繋がりを解き明かしていく、世界の一端に触れる面白さがわかるようになった今なら。 下巻まで読み切ったらまた感想書こうかな。
- エマ子@emma-05082025年8月28日読み終わった1ページに対して字数が多い。みっしり。それでいて意味のない文章がなくて、どのページも面白いから読むのに時間がかかった。 でもここにもきっと翻訳のねじれは含まれていて、文章の本当の姿というのが別に存在するのかもしれないと思う。 グリフィンがロビンへのクリスマスプレゼントにオリヴァーツイストを贈る場面がなんだかすごく心に残っている。
- 白沼@shironuma2025年6月3日読み終わったイギリスが舞台。銀に異なる国の言語の二つの言葉を刻むことで魔法のような効果を得られる世界で、中国の広東で育ったロビンがバベルという大学の翻訳研究所に入学し、さまざまな困難に直面する、という物語。 一文一文が非常に濃密で読むのに時間がかかった。でもすごく面白い〜!差別と疎外感と自己嫌悪と自己陶酔の描写が最悪で最高だった。 世界の大きさに無力さを感じる場面で、「(世界は)おれたちが思っていたのと同じくらいの大きさだ。(中略)でも目の前にあるものを見るのを拒むのがとても上手になってしまったんだ」というセリフが良かったなあ。 上巻の最後でどえらいことになってたので下巻もはやく読みたい。
- つきまる@megu06202025年4月23日読んでるなかなか分厚い、時間かかる。 図書館で貸出順指定し忘れて下巻が先に貸し出しになり、上巻読みきれず下巻返却...次予約が回ってきたときに覚えていられるか
- cao@monac2025年4月9日読み終わった言葉と翻訳の持つ力の物語を翻訳で読むというメタ的読書体験をしている……。 差別や分断や富の不均衡や搾取などの現代でも通じる(現代に至るまで解決されていない)問題がこのファンタジーの設定にうまく絡み合っていてすごい。 もちろんそれだけじゃなく、内容もすごくおもしろい。 下巻へ!
- エマ子@emma-05082025年3月13日気になる読みたい「ふたつの言語における単語の意味のずれから生じる翻訳の魔法」って何回聞いても???だし、イギリスが舞台だけど翻訳される言語のルーツから遠い国ほど力が強くなるから非ヨーロッパの国々から生徒を集めているというのもわかるようでやっぱりよくわからない。 読めばなるほどそういうことね〜!ってなるってこと?気になる〜
- きか@kika2025年3月11日買った読んでる3/30 読書開始 まだ3章までしか読んでいないけれど、同じアジア人としてやはりロビンに感情移入してしまう。 読者の人種やバックグラウンドによって受ける印象がどう変化するのかも気になる。成人後に他言語の学習を始めた身には、教授の台詞が実感を伴って痛いほどよく分かる。
- Hide@Hide-book2025年3月6日読み終わった借りてきた翻訳の意味のずれや歪みが銀を媒介として不思議な力を生む世界(遠いほど力が大きくなる)、イギリスが言語研究所で様々な言語の研究と翻訳を行い、不思議な力を独占する時代、研究所に集まった背景の異なる4人の学生たちの断絶も孕む友情と学園生活が眩しい