その姿の消し方
24件の記録
たま子@tama_co_co2026年1月2日読み終わった読み心地として覚えておきたいのは、種明かしになびかず、その茫漠とした印象を手放さないこと。きっちり十行に収まる正方形の詩の奥に浮かぶ、輪郭のぼやけた詩人の肖像。このままサルトルの『嘔吐』を読んでみよう。









あとらく@atoraku_2025年12月17日読み終わったこの本をむかしはひどくゆっくりした読み方でしか読めずにいたことは、わたしの滞留する力の衰弱を示すのか、こわばった姿勢が幾分は自然になったことを示すのか
-ゞ-@bunkobonsuki2025年11月29日堀江敏幸は普遍的な美文を書く。 あくまでも平易に、しかし時折目が冴える二時熟語を挟みながら、誰もが美しいと認める文章を読ませてくれる。 「その姿の消し方」は、そんな作家の実体験が反映されている小説だ。アンドレ・Lという謎の詩人の人生を追いながら、詩人の親族や古物商といった人間と交流を深めていく。 著者はフランスに留学したこともあり、詩人の詩句を解読する場面は創作でありながらドキュメンタリーのようで生々しい。実際、読者の中には著者本人に「これは実話ですか」と聞いた人もいたと聞く。




えみ@caleidoscopi0x2025年3月6日買ったかつて読んだ読み始めたとき、作者の文章のバランス感覚に驚嘆して読むのを中断せざるを得なかった。あまりにも端正で、単語の重量感や音の数が綺麗に均されているような印象。精緻な文章だった。文章のリズムが良いのは何か音楽的な素養がおありなのかな、しかしそれにしては緩急がなさすぎる気もするかなあ、などと想像を巡らせたおかげで内容が頭に入ってこなかった(おい)。 次に感じたのは場面の切り取り方がやや映画的で、画になること。カメラワークが上手くてまるでドラマを観ていたような読後感だった。 表面的な話はこのぐらいにしておき、内容に触れる。あらすじなどは調べれば出るし、それは私の仕事ではないので、とにかく思ったことを書いていく。 「私」が詩の断片に強く惹かれた動機は共感できずに分からなかったのだけど、作者の言葉に対する感度の良さをそのまま投影すると納得がいってしまう。もちろん設定として作者=「私」ではないと思ってはいるけれど、一般的な人物が詩なのか何なのか分からないような文字列に惹かれるのは想像しにくい。しかし、「私」に関する記述はほとんどない。 半ばミステリー小説を読んでいるような感覚にもなったけれども、途中からその感覚が変化してくるのは、この小説の中核かもしれない話に突入した辺りだ。 人の存在について。この世に存在していた人は、痕跡がある。不在であることによって、存在が浮き立つこともあり、この小説で謎の人物は確かに存在していた人なのだ(という設定だ)と、その姿を捉えることができなくても登場人物や物から伝わってくる。絵はがきや人の話から謎の人物の輪郭を掘り起こす作業は、歴史的な出来事・時間がどのようであったかを発掘する作業と非常によく似ている。ある人物の痕跡を辿る人がいることは、この世から去る私たちの希望の光でもある。私たちは死ぬと世界と一体となり、存在しなくなるが、それは初めから存在しなかったわけではなく、確かに存在していたものとして不在となる。『その姿の消し方』はそんな私たちの在り方を人間の生活圏の中の話として淡々と描いている。私は先ほど痕跡を辿る人を「希望」といったが、痕跡自体は辿る人がいなくてもそこに在るものであり、『その姿の消し方』は「人為的秩序の構築に先立つ混沌としての世界」から私を見つめるための視座を与えてくれるものであると感じた。

夏しい子@natusiiko2025年2月23日読み終わった気になった詩と絵はがきの差出人の関連を探し出すこと以上に それがキッカケでフランスでの人々の出会いと その後、何十年にも渡る付き合いこそが 絵はがきが巡り合わせてくれた宝だと感じた。 クロチルドさんとの事、もっと読みたかった




















