月の立つ林で

39件の記録
- ねむみん@nemumin2025年5月13日読み終わった作家読み3冊目。世間は狭いなぁという普遍的な面白さの中に人と人のあたたかなつながりを感じられるお話。いい意味でこの作者のいつも通りの作風だ。この安定感と優しさが嬉しい。 老若男女バラバラの主人公たちのなかで、意外にもグッときたのは頑固親父の3章。自分とは遠い属性の人から共感できる価値観が語られるのに弱いのかも。 でも総合的にはあの家族の関係性がとても好きだなと思った。第三者からしか語られない父・息子・母の人柄から、もどかしい家族の形が浮かび上がるのが良い。 蛇足もなく、多くを語らないものの物足りなさもなく、丁度いい描写だった。
- kasu.@11uyksm2025年3月20日読み終わった借りてきたポッドキャストと月と悩みを抱えた人々のお話📕 今作も人の繋がりが綺麗に描かれていて、伏線回収が気持ちいい。 「竹林からお送りしております、タケトリ・オキナです。かぐや姫は元気かな」のフレーズが段々とクセになってくる。 一章 誰かの朔 「分かった気になって実は全然分かっていなかった」「人のために役に立ちたいなんて、傲慢。自分が気持ちよくなりたいだけ」なんてこと割とあるなぁと私自身も『うっ…』ときた場面。(P.42〜43) 二章 レゴリス 「自分にはどうにもできないってことが、世の中にはたくさんあって。月はそんな僕たちに、大きな見守りをくれる気がする」からの網戸を開けて月を想う場面。青山先生の表現がやっぱり好きだなぁと思わせる。文章にエモさがあって凄く好き。(P.106) 三章 お天道様 😭 「理解し合うためにむしろ離れなければならないこともある。どれだけ愛していても」 程よい距離感が大事なことを気付かせてくれる時もある。『灯台下暗し』だよなぁとしみじみ。(P.127) 「もう、そういうところがデリカシーないのよ」と言われた父…我が家の👨もデリカシーの無さの塊なので分かる分かる。(P.130〜131) 娘への心配が尽きないことや、娘の旦那さんへの思い…親心が強く伝わってきて涙が止まらなかった。(P.142 P.155 P.156) 四章 ウミガメ 😢 母親への思いが爆発した場面で涙。読み終えた時には娘とたくさん触れ合って、コミュニケーションを取って、安心できる場所だと思えるようにしないとダメだなと気付かされた。(P.200 P.208) 五章 針金の光 「ひとりの時間を持つことと孤独は別のもの」「あたりまえのように与えられ続けている優しさや愛情は気をつけていないと透明になってしまう。孤独よりもずっと寂しいこと」 前のお話からのこのお話で姿勢を正されるような気持ちになった。(P.237〜238) 「仕事のこと、日々の出来事、彼が何を思っているか。そういうことを、気にかけたりしただろうか」 相手に甘えてばかりで自分の要求ばかり通してもらおうとしてしまう状況って良くあるなぁと。夫婦だからこそ50-50で居たい。(P.253)
- 夏しい子@natusiiko2025年3月7日かつて読んだそれぞれの話の人がどっかで繋がっているいつもの青山さんの連作短編形式だった。 現状の生活に悩み、ちょっと困った事が起こってけれど温かい解決に向かう、みたいな感じで心地よい話だった。 私が今まで読んだ、青山さんの作品の中では一番涙は抑えられたものだったかな。