花に埋もれる

12件の記録
- 朔@nova_luna2025年8月20日読み終わった心に残る一節私たちの恋が終わろうとしている。入学した一年前の四月以降、キャンパス内に無数に湧き上がったソーダの泡みたいな儚い関係性の一つとして、ぱちんと弾けようとしている。(p.83) 彩瀬まるさんの描く独特な世界観がものすごく好きなので、絶対読みたかった一冊。「マイ、マイマイ」の女の子が、最後に下す判断……ごちゃっとした感情のままに下されるのが、まさに人間らしくて胸の奥がきゅってしました。 ままならない感情を誤魔化さず、ひたすら美しく描く彩瀬さんの世界観、これからもどんどん読んでいきたい。
- 村崎@mrskntk2023年3月24日だれかを思うことでうつくしい石がうまれる身体、とつぜん白木蓮になってしまった夫、おはじきのようなかたちで身体からこぼれ落ちる記憶、花が咲いて最期には朽ちてゆく人たち。短編集なのですが、どれも独特な世界観が濃厚に詰め込まれていて一篇一篇、長編を読み切ったあとのような読後感にひたれます。 感情と身体、いつか忘れてゆく気持ち、でもたしかに〈いま〉ここにある気持ち、花に埋もれながらいろんな気持ちを思い出せます。