波〔新訳版〕

13件の記録
- たま子@tama_co_co2025年8月24日読み終わったうねりしずみうきゆらめきしぶきはじける言葉の波に身を委ねるようにして読む。誰もが五感や六感で感じている言葉になる前の言葉、原子のようなものに触れている感覚。人生の無力さ恐ろしさすべての不愉快なものをひきつれてなお光っている。なんかもうここ最近読んだウルフ作品のぜんぶがあまりに良くて、はへええ……となっている。骨抜き。 それにしても森山恵さんの翻訳のなんとすばらしいこと…と思っていたら、あとがきで丹治愛さんのもとでウルフを学んだ方なのだと知り、あああなるほど……となる。
- たま子@tama_co_co2025年8月9日読んでる時は過ぎ、幼児から少年少女へと成長する。その間、6人の意識のなかを移り変わる語り語り語り語り語り語りを読む。知るごとに全員をどんどんすきになっていく。個性のちがうぜんぜん似ていない彼らは学校と寮という同じ枠組みの中におさめられ、ぜんぜんちがうことを思考し、それぞれのやり方で世界に対峙する。喜び、憧れ、好奇、羞恥、不安、嫉妬、嫌悪、軽蔑……すべてない混ぜにしてなおも透明でいきいきとしている。
- たま子@tama_co_co2025年8月8日読み始めたついに読みはじめる。劇詩というものをはじめて読んでいて、子どもたち6人の独白がつらつらとつづくなかで、それぞれの目線の描写、波が布のようになめらかに皺立ち、羊毛のような灰色の空を押し上げ、光は庭の木々に届き葉を透明にしていく……どれもあまりにも静謐で美しく、もう内心うわああああい!となっていて、どんどん思考が大気に蒸発して霧がかかったみたいになってゆき、何を読んでいるのかわからなくなってきたあたりで、幼い語りにぐいっと引き戻されて、あらかわいいあなたたちそういえば人間だったのねとほっとする。ときどき音読もしてきもちよくなって、ウルフを読むのはなんてたのしい。