野の医者は笑う 心の治療とは何か?

27件の記録
- DN/HP@DN_HP2025年3月22日著者の生活上の不安がひとつ解消された後の8章の筆のノリとテンションと取材対象とのグルーヴがめちゃくちゃやばい。かなりの箇所で声出して笑った。かつ、納得出来る結論が出るのも凄い。
- DN/HP@DN_HP2025年3月22日読み終わった感想読みながら考えたことは少しづつ書いたりもしたけれど、結論を端的にいうならめちゃくちゃ面白くて最高な一冊だった。 答えと「癒し」を求めて奔走する取材と迷走する妄想に笑って、その後の思索を読めば色々考えて知的探求のスリリングさも感じたり、セミナーやスクールの描写に驚いたり呆れたりもしながら、辿り着く「発見」と真摯な結論には納得して感動もして、その後の人生と選択にも共感もしていた。スピリチュアルではなく現実が繰り出してくる「ミラクル」なオチも素敵だった。そして、最後の最後には微笑みながら少し泣ぐんで本を閉じていた。ともすれば軽薄に感じて冷めてしまいそうな部分もある文体を、文庫版のまえがき、あとがきでしっかりと押さえているのも”分かっていて“良かった。 沖縄に「傷ついた人が、傷付いた治療者」になる野の医者たちが、特に女性が多い原因が社会にあることや、彼女たちの高いテンションと明るさの後ろに過酷な人生があったことは意識しなければいけないけれど、それでもこの本を読んでいると元気が出てきた。著者も含めたこの本に書かれた人たちの多くが野の医者から「生き方を与え」られたように、わたしもこの本を読むことでそれを与えられた、のかもしれない。そうだと良いなと思う。それが「新しい生き方をもたらす」かは、まだわからないけれど。 また長くなってきてしまったけれど、これはおすすめ!と珍しく普段書かないことをわたしも書いておきたい1冊。ここ最近で1番付箋の立った。急いで買いに行って正解だった。またあとで付箋を拾いながらもう少し色々考えてみることにしよう。
- DN/HP@DN_HP2025年3月21日買った読み始めたSNSで、とても信頼している読書家の方が読んでいるのをみて急いで買いに行った。たしかにこれは面白いしリーダビリティが高い、高すぎる。寝不足になりそうである。
- DN/HP@DN_HP2025年3月21日読んでる「心を根底の部分で規定し、ときに暴力的に粉砕する」のが「社会構造の力」なのだとしたら、主にフィジカル的なものだと思っていた「社会モデル」という考え方はメンタルの問題にも当てはめて考えることが出来るのではないか、とまず文庫版まえがきを読んで考えてみている。そしてこのまえがきの「堅苦しい」文章はとても良い。本編の「空転」しそうな文体のちょうど良い重しになっている気がする。このまえがきを置いた時点でこの著者は信用できる、などと思ったりしているけれど、実はそんなことも関係なくとても面白いから続きが楽しみだ。いま3章を読んでいるところ。あと、わたしは「青春物語」が好き。
- DN/HP@DN_HP2025年3月21日読んでる心に残る一節「つまり、治療者は診断を告げることで、なぜ病いになったのかのメカニズムを説明し、そして治癒の形を呈示し、そのためにどうすればいいのかを説得するのだ。 そして、クライエントはそれを自由自在にブリコラージュして、自分なりの治癒を組み立てていく。 だとすると、見立てとか診断とは、ひとつの物語を呈示することに他ならない。」
- DN/HP@DN_HP2025年3月21日読んでる医療人類学者のクライマンの「説明モデル」という考え方からの流れが興味深かった。 「治療者と病者が説明モデルを共有して、その説明モデルに基づいて課題に取り組むときに、治療が生じる。クライマンは治療というものは一般的にそういうメカニズムで行われていると考える。」 「つまり、治療者は診断を告げることで、なぜ病いになったのかのメカニズムを説明し、そして治癒の形を呈示し、そのためにどうすればいいのかを説得するのだ。」 野の医者の「クライエントはそれを自由自在にブリコラージュして、自分なりの治癒を組み立てていく。だとすると、見立てとか診断とは、ひとつの物語を呈示することに他ならない。」 ここから少し飛躍していくけれど、わたしが小説、物語を読んでよく、選択肢を与えられたとか「救われた」とか書いたり思ったりしているのは、小説というかたちで呈示された物語を「共有」して「説得」され、そこから必要なものを取り出し、自分の「物語」、「治療」を組み立ていたとも言えるのかもしれない。その小説、物語に誰かを治癒する意図はなかったとしても、それを読み楽しみ感動しながら「共有」しいつのまにか「説得される」ことで勝手に「治療」されたり「救われたり」していたわけだ。半分くらいジョークみたいなノリで「読書セラピー」なんて言葉を何回か使ったことがあるけれど、あながち間違ってなかったのかもしれない。なるほど、面白い。
- 椎名@i_shiina2025年3月9日読んでるp212 まで読んだ。 宗教は外からの物語で、心理学は内からの物語で、物語には人を癒す力がある?ということは小説にストレス解消の力があるのも実はこのメカニズムと同じなのか?そもそもなぜ物語に人を癒す力があるのか。この先に期待。