光の犬(新潮文庫)

40件の記録
さとう@satoshio2026年8月15日読み終わった3日ぐらいかけてじっくり読んでいたけど、伯母たちが崩れていくにつれて苦しくなり、途中から読むスピードを一気にはやめてしまった。特に、眞二郎に胃瘻を選択させる場面は、祖父のことを重ね合わせてしまったから、「早く終われ、どうか救われて」と思いながら読んだ。歩にとっての一惟の存在のように、始にも救いがあってほしいと願っていたけど、最後にはあったのだろうか。 一惟の「閉じたまま開かないでいる扉」のところで、恋人のことを考えていた。歩が感じた、この人の空洞を自分には埋められないという虚しさは、私にも覚えがある。誰かの内側にあるものを、どれだけ近くにいてもすべて知ることはできないのだなと思っている。 結末は苦しかったけど、松家さんの文章自体は、私にとっては苦しくなかった。森の中で霧に包まれている感じがする。先は見えないけど、それが不安ではなくて、逆に心地よく思える。見えないものは見えないまま、わからないものはわからないまま、その霧のなかを歩いていくような文章だった。 そんな松家さんの文章だからこそ、最後まで読めたのかもしれない。でなければ、途中で苦しくなって投げ出していた気がする。




いるかれもん@reads-dolphin2026年8月13日相変わらず、松家さんの物語はあらすじを書こうと思ってもとても難しい。裏表紙に書かれている通り、北海道・枝留を主な舞台として描かれる添島一家、祖母、父・母・3人の叔母たち、姉・弟の3世代の人生を描いた物語であるが、特別な一家というわけでもないし、大きな事件が起きるわけではない。ふわっと物語が始まって、気がついたら、本の世界に沈んでいて、そして読み終えて現実に放り出された、そんな気がしている。 普段生活していて、悩むこともあれば、何かに感銘を受けたり、明確な解を持たない問題について自分なりに考えることがある。そうした思考は後から振り返ると、大切な時間だったんだと感じることがある。この物語の登場人物たちも同じように色々悩んだり考えたり感じたりしている。その思考や時間がとても丁寧に描かれている。陳腐な表現になってしまうけれど、それは人生の輝きを描いているように読み終えた後理解した。 何かを考えたり感じたりする瞬間に浮かぶ言葉というのは、普段から自分たちが使い慣れている日常的なものだ。彼らの言葉がわたしの言葉に近いように思える。そんな、ありふれた言葉を使って、心情や、情景が、丁寧に、明晰に、描写されている。創作しているというよりも、描写しているように見える。つまり、何かを感じたり考えたりする時間を丁寧に救い出している。登場人物の考えや心情がゆっくり、でも、たしかに伝わってくる。「心情描写がとてもいい」と言ってしまえばそれだけでも済ませてしまえるが、それだけでは見過ごされてしまう細かな部分に、私にとっての本当の魅力がある。 登場人物たちは別に特別な人たちではないように思えるが、先に述べたような丁寧な人物描写を通して彼らの内面を知る中でその個性や魅力を感じ取れる。登場人物の中で姉の歩のことを好きになった。彼女のマイペースなところが自分に似ている気がした。嫌だと思うものも似ていた。彼女が感銘を受けた大学の天文学の授業のシーンは、私も感銘を受けた。歩にも私にも恋人がいるから言いにくいけれど、多分実在したら恋をしたと思う笑。 思ったことを全て書き切ることはできないけれど、また一つ、人生の一冊と呼べる小説に出会えた気がする。読みながら、私自身が本の中に沈んでいき、気持ちも、自分の周りの空間も澄んだ空気で満たされているような感覚になり、とても心地よかった。だから、軽々しく誰かに近づいて欲しくない、共感して欲しくない、今は一人にして欲しい、そんな気持ちにもなった。松家さんの本は広く読まれて欲しいというよりも、この作品をいいと思う人たちによって長く読まれて欲しい。




いるかれもん@reads-dolphin2026年8月12日読み終わった読んでいる途中、メモに書き殴った文書です (感想はまた別で投稿します) 08/03 誰にも読んでほしくない。軽々しく共感してほしくない。今は一人にして欲しい。この本と私だけの世界にして欲しい。そう強く思った。 なぜこの物語を思いつき、書けたのか、全く不思議。 どこにも、なにか、発想の鍵となるような出来事や物がが見当たらない。本当に静かな世界、最初からそこにあるように。誰かが生み出したとは思えない、誰かの思想に支配されているとは思えない、そういう透明な世界。




- うーちゃん@u_chan_reading2026年1月22日買った読み終わった基本的にこの世は地獄、生まれてこないほうがマシだと思っている人種(私)には、ほうらみたことかと、とても苦しい物語だった。 家族や自分の将来がとても悲観的なものに感じ、読んでる間はとても苦しかった。 だけど、最後に書かれた歩の誕生した瞬間のことや、江國香織の解説を読んで救われた気もした。 誰にも言えない気持ちを主人公たちが肯定的に捉えているのもよかった。


はづき@paroles11182026年1月18日読み終わった読むのに随分と時間がかかってしまった。 添島家の終焉。私も、姉も、もう20年くらい会っていない従兄弟たちも誰も結婚しておらず、子どももいないからなんだか重なるところが多くてしんどくなってしまった。 人が、どんな人生を歩んできたのか。何を見て、どう感じていたのか。それは家族ですら知ることはない。誰しもがそうである、という事実はなんだか救いのようでもある。


夏河@myhookbooks2025年9月16日読み終わった核家族であるということ、血の繋がりゆえの嫌悪、優しさを黙らせる自己防衛、達観し線引きし関わらないこと、諦めゆえの負担、さまざまな要因から歪み、歪なまま固まり老いていく人々。 一家族を軸にした話なので、逃げ場がなくて辛かった。 核家族の中で発生する歪みは、優しい人への負担にしかならない。優しい人はどうにかしようとしても、歪みは硬く、優しい人を傷つけ、疲弊させ、諦めさせる。 添島家の話は、決して珍しい話ではなく、よくある話だからこそ、惹きつけられるのだけど、同時に虚しさも感じた。 タイトルが「光の犬」だけど、犬は添島の光だったのだろうか。そういう意味なのだろうか。あまりにも風景のように描かれた犬たちだった。 作者の意図とは違うかもしれないけど、核家族について考えさせられる話だった。核家族で育ったから、核家族の良いところがたくさんあるのは分かるし、核家族で良かったと思うけど、子供を育てるということだけを考えると、核家族はとても不向きなシステムだと思う。ただ祖父母と一緒なら良いという訳でもなく、やはり複数家族で見守り育てるのが良い気がする。たくさんの目、価値観、立ち位置、役割の中で育った子はどんな風に大人になるのだろうか、としばし考えた。




ekmiico@ek-wine19722025年9月14日読み終わった昨日、朝5時すぎに起きて残り200pあまりを読み切る。朝の読書は捗る。 松家さんの本は4冊目だと思う。どれも大事にしたい本ばかりだ。

ブックスエコーロケーション@books-echolocation2025年4月5日新刊入荷@ ブックスエコーロケーションブックスエコーロケーション、4月5日(土)オープンしております。19時まで。ご来店お待ちしております。 松家仁之『光の犬』新潮文庫 ひとりひとりの人生は奇妙にゆがみ、奇妙に偏っている──。助産婦の祖母、独身の三人のおばたち、会話の少ない父母、のびやかな姉・歩と気難しい弟・始。それぞれの願いと葛藤が溶けあいながら、三世代の時間は進んでゆく。北海道の小さな町を舞台に、失われてゆく一族の姿と、色褪せない人生の瞬間を、記憶をたどるようにして描き出す。百年にわたる家族の物語。 #信州 #長野県松本市 #松本市 #本屋 #書店 #ブックスエコーロケーション





































