宝石のこえ
39件の記録
サヤ@sayaemon2026年9月11日読み終わった宇宙人に声を聞かせて宝石を得る仕事をしている主人公…と書くといかにもSF小説だけれど、実際はタイトル回収以上の発展は無いので、設定の深掘りを期待する方は要注意。 ※以下、少々辛口ネタバレ 宇宙=自由と自立の新天地を目指すというラストシーンは、なるほどなと思った。 でも、主人公の肥大した自我と、それ故の共感能力の欠如がどうしても個人的に鼻につき、物語に集中しきれなかった。 そもそも主人公は自分に精一杯で他人に興味が薄いので、誰にも心を開け渡さないし、相手の意見や考えに共感したり、その影響を受け入れることが無い。つまり、反省も成長もしない。 でも彼女のそばに寄ってくる恋人、友人は何故かみな揃って優しく自立した理解者で、彼女の優れた能力・かざらない魅力・変わらない個性を認め尊重してくれる。なんて都合が良いんだ… そんな彼らとの会話すら、終始当たり障りがなく、誰も本音を語ろうとはしない。お互いを知ろうと踏み込む熱意がない。主人公が母親を「とんちんかん」と評する場面があったけれど、(どの口が…?)と唖然としたし、実際本人にも似た者親子の自覚があったので笑ってしまった。 そもそも彼女は「(人に寄り添えないことが)いけないことだって、私はちゃんと自覚している。でもどうしようもない」と開き直っている。そうした成長の放棄、逃避の姿勢は一貫していたので、ある意味この物語のテーマだったのかと思う。 それにしたって、自分の繊細で難しい境遇を明かしてくれた桜井を「自らの内面を何でもないことのように話す人間になってしまった」と哀れみさえしたのはショックだった。 彼がそうして言葉に出せるようになるまでには、様々な背景、沢山の時間、途方もない苦しみがあったかもしれないのに…どうもこの主人公には、そうした他人に対する想像力が欠けているように見えてしまう。その薄情で無理解な態度は、彼女が忌避する「故郷の愚かな人々」と何が違うの? 「綺麗なものだけ見ていたい」と望み、自分の愛着の品だけを詰めたボストンバッグを恋人に運ばせ、何の保証も無い宇宙へ、無邪気で無責任な夢想を叶えに旅立つ。 そんな身勝手で幼稚な逃避を許されたい…という願いをレジンで固め、雰囲気重視の文体で見た目良く飾り、「きれいなものだけあげる」と手渡されたのが、宇宙人の宝石=この小説なのかなと感じた。
くん@kun2026年8月30日読み終わった女性の声を聴くと宝石を吐き出す宇宙人に朗読するアルバイトをする代わりに、奨学金を得ながら生活する主人公。 家族に対する嫌悪、大切な人に対する深い愛、汚い言葉を発する浅慮な人々への殺意、そんな複雑な主人公の独白のような、日記のような、不思議な物語だった。 過去と現在がくるくると入れ替わり、今どこにいるのか、足元がおぼつかない不思議な感覚を味わう文体だった。 他者から向けられた優しさに感謝しながらも、自分からは何も返せない。 生まれ育った地から逃げ出したくて、何ものにも執着せず、自分自身すら大切にせず、いつかこの世界から消えてしまいそうな危うさを感じながら、それでもどこかで少しでも幸せになって欲しいと思いながら読み進めた。 主人公の大切な人たちの名前はするすると序盤から明示されるのに、最後まで明かされなかった主人公の名前。 主人公がこれから辿る旅は、果たしてどこに辿り着くのか。 寂しくもあり、けれど少しでも幸せな瞬間が訪れると良いのだけれどと祈ってしまった。
- kimiomena@kimiomena2026年8月29日読み終わった@ 図書館世界観と文体が合えば。「宇宙人に読み聞かせ」という設定はぶっ飛んでるけど、読者の経験に重ねられそうなところも結構ある。 故郷ない人には故郷築けないのかなー? たしかに、地元で子育てしてる人と対比してみると、そうなのかもーと思ってしまう。 旅立つ人は見送る人に良い贈り物を渡せるらしい。栞とか宝石とか。一方、見送る人は何をあげても、話しても、不全感が残ってしまう。このエゴは歴史的に許容されてきたものですよねー


さつき@ハードカバー@ai_sa_2026年8月22日読み終わったこの部屋の壁が薄いことを忘れるくらい泣いた。 実はこの本のことを嫌いなのでは?と思うくらい好きだ。 気持ちの整理ができたら感想書くかも。


さつき@ハードカバー@ai_sa_2026年8月20日読んでるすごくすき。 なんで読んでいて泣きたくなるんだろう。 優しいからか、物悲しいからか、そう感じるのはなぜなのかも、わからないけれど、読んでいて泣きたくなる。





umeco@u_meco2026年8月3日読み終わった中学二年のある日宇宙人が地球にやってきた SFのような話し…ではなく、生まれ育った町を絶対に出ると決めて都会に出てきた少女の物語 孤独、友情、優しさ、愛情、郷愁そして、希望が優しく柔らかな筆致で描かれている。 美しさと切なさに引き込まれる作品でとてもよかった。 「あなたが何を選んでも、私きっと応援するわ。……私、あなたが努力している姿を見るのが、本当に好きだった」 「あなたみたいな人になりたい。あなたみたいな、ひたむきな人に」 それは、カナちゃんみたいに美しく、同時に散っていく花のような言葉だった。 (p155) この別れのシーンが好きだったな。

































