地球の果ての温室で

50件の記録
- 💛@syaosyun2025年8月14日読み終わった植物への愛、社会・生存・人間を諦めないこと、アクション、ヘビー感情の百合、サイボーグ百合、愛し方、人間における植物の見下し(動物を優位におく)等々要素が盛りだくさんだった…それでいてこんなにきれいにまとまっているのはさすがとしか言いようがない まだ消化しきれていないけどとてもよい作品だった
- 💛@syaosyun2025年8月14日『地球の果ての温室で』で描かれた愛し方をみると、『わたしたちが光の速さで進めないなら』に収録されている作品「巡礼者たちはなぜ帰らない」で恋愛規範を感じてちょっともやもやしていたけれどそれも違う読み方ができるような気がする
- 💛@syaosyun2025年8月12日読んでる第1章まで読んだ。だいすきなキム・チョヨプさんの長篇小説。長篇なだけあって読みやすさが高い。植物や生態系への愛を語っているところではすごく共感した。引用する。 p80「目には見えもしない微生物や、地面をほじくり返す虫たち、海や湖の藻類、じめじめした場所で菌糸を伸ばす菌類。アヨンは、そういうゆっくりとうごめくものたちが遠くまで広がっていく様子を見ているのが好きだった。広がるのに時間はかかっても、協力なものたち。きちんと見張っていないと、庭を覆いつくしてしまう植物のように。そういった植物にはとてつもないパワーと驚くべき生命力、不思議な物語が宿っているということに、アヨンは子どものころから気づいていた。」 「生態学は…変化を捉える学問だ」 「徹夜で植物標本を観察する日があると、アヨンはそれらの植物がどれほどの歴史をもち、どれほど多くの物語を内包しているのか想像した。そうしてときどき、子どものころのあの風景を思い起こした。」
- nogi@mitsu_read2025年6月8日読み終わったキム・チョヨプさんの本は「わたしたちが光の速さで進めないなら」に続いて2冊目。 これは長編だったので、1冊目とは違う感覚で読んだ。 舞台も、1冊目は宇宙を近くに感じるものが多かったけど、今回は、湿った土や濡れた森の色の濃さ、人間のどうしようもない愚かさと死のにおいと植物の静かな力強さが根底にあった。 こんな状況にいたら人はこんなふうに他者を排除して行動するだろうな、共同体は長く続かないだろうな、それが生存本能かもしれないけれども、人はなんて醜く、世界(社会)は信じるに足りないのだろうと思った。 でもどうしようもない人のなかにも信じていい感情があって、優しさがあって、かけ違えて、壊してしまった関係も、意味がなかったわけじゃない。 レイチェルとジスの関係性は、友情でも性愛でもない、鬱蒼とした森の奥の、したたる雨の下の、捻れて歪んでしまった根のような執着の形をしていて、けれども最後には、花が咲いて種を落とし、昇華されたような気がした。(いや、昇華なんて言葉でまとめる必要もない関係の終着であったことこそが救いなのかもしれないとも思う) p76 〝「わたしもあるとき気づいたんだ。嫌いなやつらが滅びるべきであって、世界が滅びる必要はないって。それからは、長生きしよう、死んでたまるもんかって心に決めたんだ。そうして嫌いなやつらが滅びていくのをとくと見届けてやろうってね」 「成功したんですか?」 「さあ。そうは思わない。やつらもまだのうのうと暮らしてるところを見るとね。でも、そう思いなおしたおかげでいいものもたくさん見られたよ。世界が滅びてたらきっと見られなかったものをね」〃 p370 〝「心も感情も物質的なもので、時の流れを浴びるうちにその表面は徐々に削られていきますが、それでも最後にはある核心が残りますよね。そうして残ったものは、あなたの抱いていた気持ちに違いないと。時間でさえもその気持ちを消すことはできなかったのだから」〃
- シマコ@_shi_ma_ko_2025年6月1日読み終わったSF初心者なもので、途中で情報を整理しないと処理しきれなかったし、面白いところに辿り着くまでが長かったけれど、読んでよかった。 ・ 人間のどうしようもなさにやるせなくなった。 それでも信じて前向きに進む姿が美しかった。 ・ 優しいなあと思った。🌱
- 辻井凌@nega9_clecle2025年3月18日読み終わった借りてきた感想現在と過去を行き来し、モスバナという植物の謎がどんどん明らかになるテンポが心地よい。謎の答えはどれもやさしさに包まれている。きっと作者はこの世界は疑っているけれど根っこでは人間を信じているのだろう。そんな気がする。
- あるる@aru_booklog2023年11月16日かつて読んだこの本をきっかけにキム・チョヨプさんの作品はどんどん読むようになった。必死に生きる市井の人の強さと儚さを感じる人間味のあるSF。主役は植物です。