献灯使
67件の記録
つつつ@capyandtsubasa2026年2月17日読み終わった日本が鎖国している近未来SFみたいな話。外国語禁止だったり、土地や生物、植物が汚染されていて、老人より若者が病弱である世界。 主な語り手の義郎は100歳を超えていても健康。ひ孫の無名は生まれつき病弱。この2人が共存するということは、こんな日本になっているきっかけの出来事からそう日が経ってないと思われる。にも関わらず義郎は現実を受け入れて順応しているようで、むしろあっけらかんと暮らしている雰囲気が感じられて、そのギャップみたいなものが印象的だった。


バナナカプチーノ@bananacappuccino2026年1月24日読み終わった震災後のディストピア、とあったけど、多和田さんの、現代への痛烈な批判や怒りだったりを感じる。読んでいてゾッとするのは、まさに今と地続きの事象があるからなんだろうな…。


- MIM@miminmi_2026年1月21日読み終わったすごく面白かった。地に足がつかないような宙ぶらりんな文章で、特に「献灯使」はディストピア+災害なので具合が悪くなる。小説(文字.文章)なのに感覚で伝えようとするところがすごい。こういう文章が書けたい。言葉遊びも面白い。日本で言論統制が始まったら真っ先に規制されそう。クィアもいる。






ぼぺにゃん@bopenijan_11062025年12月31日かつて読んだほの暗い場所を歩いてるみたいでしんとした気持ちになるけど、クスッと笑わせてもくれて(若い人や子供はみんな働けないほど体が弱いので彼らを傷つけないように勤労感謝の日は「生きてるだけでいいのよの日」になった、とか)。でも笑ったあとまたしんとした気持ちになる
翠@noctambulist2025年12月25日読み終わった多和田葉子の作品において、言葉はツールではないのだろう。物語に従属するどころか、物語を乗っ取ろうと隙を窺っているようですらある。生物でも観察しているようで面白くはあるのだが、個人的には、物語そのものに没入できる小説が読みたいと思ってしまう。





碧の書架@Vimy2025年12月5日読み終わった『「村上春樹よりもノーベル文学賞に近い」と断言する人も…』というプレジデントの記事に釣られて買ってみた、初の多和田葉子さん作品。 おぉ…何だこの、既存の枠とか常識を覆してくる言葉遊び(?)は… 『トイレの「イレ」に、「入れ」を聞き取り、出す場所なのに入れるという言葉の矛盾を感じた』 などには笑ってしまったのですが、気になるのはオビの「全米図書賞受賞 第1回翻訳文学部門」です。 …え、一時が万事この調子の日本語の文章を翻訳したの?英語ではどうなってるの? 表紙裏に、著者様はベルリン在住で、ドイツ語でも著作活動を行っていると書かれており、この文字に対する感覚は一体、元来鋭かったから他言語に興味を持ったのか、それとも逆なのか、なんて考えました。 単純に楽しいという本ではなく、むしろ不気味ですw話の結びも「え、ここで終わり?!」と思いましたw なのに読んでしまう、なんかすごい本でした。











慎@sin_gt912025年9月3日かつて読んだ大災厄の後の世界。 3.11を連想させるが、この物語に広がるその後の世界は自分が生きている今現在の世界とは大きく異なるが故に輪郭がなく頭にはっきりとしたイメージを作り出すことができないまま進んでいく。 設定は暗いはずなのに登場人物にこちらが押し付けてしまいそうな相応の暗さはなく、あくまでもその状況で生きている人間の喜びやユーモア、そして憂いが「その後」の世界を突き付ける。 これは皮肉か警鐘か。


結城@aori2025年8月24日かつて読んだaudibleオーディブルにて。 多和田葉子、学生時代に『容疑者の夜行列車』が気になって買ったまま結局いままで読むことなく来てしまったんだけどとても面白かった。 そう、作品から少し距離を置いて言えば面白かった…んだけど題材が題材だけに入り込むと辛い。 そしてその作品内のユーモアがその辛さに追い討ちをかけてくる。 「こんなこと、深刻なことではありませんよね?」という皮肉が読者を切りつけてくる。 朗読もとてもよかったんだけど、文字ではないと味わいきれない作品のような気もするなー。 朗読 岩瀬善太郎



読書猫@bookcat2025年7月31日読み終わった(本文抜粋) “今はもう趣味を煉瓦として使って、個性という名の一軒家を建てようとは思わない。どんな靴をはくかは重要な問題だが、自分を演出するために靴を選ぶことはなくなった。“ “自分の世代の人間は長寿を祝う必要なんかないのだと義郎は思う。生きていることはありがたいが、老人は生きていて当たり前なのだから祝う必要などない。むしろ死亡率の高い子供が今日も死ななかったことを祝うべきだろう。” (「献灯使」より) “一子は破けてしまった心をかたく凍らせて、待つのはやめよう、忘れよう、と決心した。翌日のその翌日も「待たない」自分の強い意志が自分の中にあるのを確認した。ところが何日たっても、待たない自分がしこりのように喉につかえて、待つのをやめているということが待っているのと同じだけの苦しさで一子を支配し続けた。” (「韋駄天どこまでも」より) “瀬出は深緑色の海面を憎しみをこめて睨んだ。海には責任がないことは充分承知していた。責任をとらなくてもいい主体を人は「自然」と呼ぶ。“ (「彼岸」より)
momiji@momiji_book2025年6月28日読み終わった厄災後の鎖国した日本を描くディストピア的小説。表題作は曾祖父と曾孫の、変わってしまった日本の日常が淡々と綴られる。詳細な日常描写と対比して厄災については詳しく語られず想像の余地あり。言葉遊びも面白い。収録作同士の繋がりもちょうど良く思った。
kanademi@kanademi_01142025年5月7日読み終わったハシビロコウの表紙に惹かれて手に取りました。多和田さん作品は初めてでしたが、言語や生物としての性質など独特の世界観に、付いていくのに大変な部分もありつつ引き込まれていきました。 途中何度か大きく場面転換がありますが、最後全てが分かりやすく繋がったり回収されたりせずに終わります。 連作短編が上手く繋がっていくのが大好きな私は「えっ?」とやや放心状態でしたが、それはそれでなんとも言えない読後感で悪くない…と思ってしまいました(何様) 実は多和田作品、3部作サーガを積んでおります…。こちらも独特な世界観の様子…楽しみですね!
comi_inu@pandarabun2025年3月7日かつて読んだ子供たちは未発達のまま生まれ、ちゃんと立って歩くことも難しい。対する老人たちは100歳を過ぎても老いることなく死ねない身体を授かっている、そんなディストピア世界を穏やかな語り口で描いた作品だ。 断片的な語りから、どうやら日本に大災害があったこと、日本は鎖国状態にあること、国家としてほとんどまともに機能していないらしいことなどが伺える。 そんな状況での、老人 義郎とその曾孫の無名の生活が中心に綴られる。 無名の未熟で不明瞭な身体について義郎が「まだ到着していない時代の美しさ」と表すのがすきだ。無名を愛し、どこもかしこも真新しく美しいと思っていることが伝わる。そして食事シーンの一節、 「無名、待っていろ。お前が自分の歯では切り刻めない食物繊維のジャングルを、曾おじいちゃんが代わりに切り刻んで命への道をひらいてやるから。俺は無名の歯だ。無名、太陽をどんどん体内に取り入れろ」 ここで胸がツンと痛む。 自分たちより先に命が尽きるだろう孫の世話をすることの悔しさや、やるせなさ、献身を感じる。義郎がいくら頑張っても無名にとってこの世界は鋭く堅く険しすぎることは変わらないのが苦しい。 無名もまた自分の無力さを理解しており、着替えに失敗しては「ぼくはダメ男だなあ」と自嘲することもある。彼は賢くてやさしくて、光を受けると透けてしまうような柔らかな子ども、新しい時代の生物なのだ。 無名の選択を正しく理解できたか自信がない。わたしたち旧世代を残し、無名たち、新しい時代の生物はここではないどこかへ行ってしまったことだけはわかる。 老いを知らないバカバカしい国を去り、旅立ったことは無名たちにとって幸福な選択だと信じたい。 多和田葉子は崩壊ギリギリのラインを狙った言葉遊びをするように思う。バカバカしい国のバカバカしい政治や、無名たちがまとう輪郭のあいまいな質感を捉えるにはその表現しかないなと思わせるから凄い。
逢田ぞろん@zoronoota2022年2月14日読み終わったかつて読んだ処理しきれないほどの問題を山積みにしながら幸せに一生を送って、死んだ後のことは次世代にお任せ、と思っている我々に対して、「死ねない体」とは良く考えられた設定。鎖国とか政府を民営化とか、あり得ないような決定でも、日本ならなんだかんだで通ってしまいそう、と昨今の世情を見ていると妙にリアルに思えてしまいます。飄々と漂うユーモアの根底に作者の怒りを感じました。わたしも諦めずに怒り続けないといけないね。装丁・挿画がステキです。他の話もグッド。最終話のみ、よく理解できなかった・・・他の人の解釈を聞きたい。





















































