南光

23件の記録
- にわか読書家@niwakadokushoka2025年6月29日読み終わった@ 自宅小説だがリアルで不思議、巻末の写真でたしかに実在の写真家がモデルなのだと実感する。 初めから詳細な東京の描写で、学生の頃は年号を覚えるだけで、近いはずなのに遠かった歴史が全く違って見える。 写真を軸に話が進むことで、歴史による文化や生活への影響がよりわかりやすい気がした。
- あるる@aru_booklog2025年6月19日読み終わったカメラで風景を切り取る、時間を切り取る、時代を映す。また時間を閉じ込める。写真から思い出を取り出す、記憶を呼び起こす、その時の温度を思い出して追体験する。 写真の幅と限界を激動の時代を生きた主人公とともに考えながら読んだ。自分の写真を撮ることはあまりないんだけど、なんとなく自撮りしようかなと最後の章を読んでやってみた。 南光さん、とても優しく賢さの溢れるお顔をしている。この人の撮る女性は自然体で綺麗だ。他の写真も見てみたい。
- 犬山俊之@inuyamanihongo2025年4月28日かつて読んだおすすめ明日の翻訳大賞に向けて応援ポスト *** 日本植民地時代の台湾に生まれた写真家、南光が生きた時代を、彼が残した作品を下敷きに小説という形式で克明に描き出した傑作(巻末に写真12点掲載)。圧倒的なディティールの積み重ねで語られる植民地下に生きる人々の生活、苦悩が胸に刺さる。 翻訳も、細かな部分まで疎かにしない姿勢が素晴らしく、台湾の夜の濃密な空気感さえも写しとっている。 本の装丁、カバーイラスト含め、2024年最も印象に残った一冊。
- 台湾犬@Masa_SMZ2025年4月7日読み終わった時代に翻弄された表現者たちの苦悩。表現は表明でもある。抵抗し続けるのもひとつ、表面的におもねながら続けるのもひとつ、続けられない人もひとつ。 カメラや現像に,詳しくない者にもリアルに想像させる描写。写真に映るのは事実であっても真実ではない。意図がありそうで、偶然だったりする。