雪の練習生
50件の記録
あんどん書房@andn2026年2月7日読み終わった多和田葉子作品は初めてだったけれど、極力説明せずに納得させていく感じが独特だなぁと思った。 ホッキョクグマを主役にした三世代の物語。最終章に出てくる「クヌート」はドイツに実在したクマらしく、絶妙にリアルとフィクションが交差している。 序章の「祖母の退化論」に出てくる(クヌートにとって祖母である)「私」はサーカスを引退してから、さまざまな会議に引っ張りだこになっている。この時点ですでに何かが不思議なのだが、かといって完全に人間化されている訳ではなく、サーカスで芸を覚える前は普通に檻で飼われていたりして、この世界の人間と動物の微妙な立ち位置がなかなか把握できずにもどかしい。 第二章の「死の接吻」に出てくるトスカは言葉を喋れずより動物的な存在として描かれており(ただし、クマたちが組合を作ってストをするような世界線ではある)、第三章のクヌートまで来ると完全にクマである。たぶんこの時代の人間は動物と喋るなんて全く想像していない。 (もう一つややこしい点としては、クヌートの母である「トスカ」と「祖母」の娘である「トスカ」は魂を引き継いだ別個体…というようなところ) 一体どういうことなの…? と思ってしまうが、この三世代には時代的な隔たりと文化的な隔たりがあって、つまるところこれは「東側」から「西側」への、近代から現代への移行の物語として書かれているのだろうなということは理解できた。 個人的には文化的移行期的な時代のシスターフッドを描いた二章が好きだが、序章はユーモアと「作家」としての葛藤といった著者自身とのリンクもあり面白く、第三章のラストはジョイスを思わせる余韻があって良い。 歴史や東欧文化を知っていればもう少し深く楽しめるのだろうなと思う。 装画:庄野ナホコ 本文書体:秀英明朝



- koji corner@kojicorner2026年1月30日語り手が誰なのかあえてわかりにくくしているような箇所がありちゃんと理解できたかどうかあまり自信がない。ただクマの描写が可愛く、とりあえずそれだけで読み通せたので動物好きなら読めると思われます。

rina@allspice2025年4月4日かつて読んだふと思い出したThe LibertinesのAnthems for Doomed Youthを聴いていて思い出した(当時この本を読みながら聴いていた)
にわか読書家@niwakadokushoka2025年3月19日読み終わった@ 自宅多和田葉子連作長篇三部作に次いで。 こちらも不思議な感じ。 語り手の変わり方なのか、絶妙な現実とのリンク具合なのか。 もっと読んでみたくなった。


敗荷@sibue_fjodor_2025年3月18日読み終わった「『わたし』という言葉を使い始めてから、他人の言葉が身体にまともにぶつかってくるようになってしまった。」という一節に、この本の軽妙な斬新さーホッキョクグマ三代記という、私小説と反私小説のあわいーが象徴されている。 クマの視点を介することで「軽やかな」自虐・社会風刺が実現している。

おこめ@ocome_squash2025年2月20日読み終わったまた読みたいGOATの雑誌の中で上白石萌音さんがとにかくカバーを見ないで読めと言っていて、友達に買ってもらってカバー外して読んだもの。 物語ってこんなことができるんだ…と思ったし、物語にしかできない驚きを得てめちゃくちゃ幸せになれた。 その驚きが終わってからも文章の中にひしひしと流れるホッキョクグマの孤独と知性が流れ込んできて楽しかった。





もるこ@setomonononeko2025年2月20日読んでる@ カフェ出入り口が近いせいで寒い風が吹き込んできて、コートを脱げないまま、病院のタリーズでこの本を読んだ。MRIのあとのはちみつラテが美味しかった。


茉莉@matsuri_hon2022年9月24日読み終わった装丁の白さに惹かれて手に取った。読み進めると、柔らかい冷たさに吸いこまれていく。 不思議だけど、読んでいる部分が誰の言葉か迷うときがあった。私の頭の中もきっとそんな感じなんだろう。


彼らは読みつづけた@findareading1900年1月1日かつて読んだ*読書で見つけた「読書(する人)」* 《わたしはその本も閉じて、三冊目の真ん中辺を開けた。すると、「なれそめ」とか「いとしさ」とか「接吻」などの単語が目に入ったので、つい引き込まれて読んでしまった。》 — 多和田葉子著『雪の練習生』(平成25年12月、新潮文庫)








































