三頭の蝶の道
13件の記録
Michika@0610shun2025年11月15日読み終わった借りてきた久しぶりに山田詠美さんの本を読んだ。 文学を生み出す女性たちの内面には これほど複雑で深みのある世界が広がっているのか。 女性同士の嫉妬に近い憎しみと愛に近い敬意。 人の中に渦巻くいびつなものを 言葉で魅了することの凄みを感じた。 きっとこの本に登場する女性たちの描く文学は 読むことで何かの答えをくれるものではなくて、 抱えている問いをさらに深めるものになるんじゃないかと思わされた。 いつまでも問いを残すような存在感を 植え付けられたような気持ちになった。 大正、昭和、平成、令和と 様々な時代を生き抜いた女性作家たちの、 身を削って何かを生み出した後に また上等な肉をつけて再生していくような ゆるぎないたくましさも感じた。




阿部義彦@xtc1961ymo2025年11月1日読み終わった私と同時代(三つ歳上)の作家山田詠美さんの書き下ろしの長編小説。彼女は漫画家のいしかわじゅん経由で本名の山田双葉名義でけいせい出版で漫画を出てた頃から親しんでました。詠美ネキです。あれから時は過ぎ今や文壇の重鎮ですが、今回は作家の「死」にかなり大胆に切り込んでます。河合理知子、高柳るり子、森羅万里の三人の小説家の葬式とそれに深く関わった編集者達との『女流作家』と呼ばれた時代の創作の裏表。可愛がられた作家の一人には明らかに山田詠美と取れる人物も居ます。何とも業の深い種族である事か?そしてその作家は宣言します。「残骸。これから、世にも美しい残骸を書くから付き合いな」と。男の私は憎悪と羨望、底意地の悪さの透けて見えるこの世界、何とも恐ろしいものを読んでしまったと。でも源氏物語以来物語は女性が原初だったではないか。
Ryu@dododokado2025年10月17日買った読み終わった河野多惠子、大庭みな子、瀬戸内寂聴らを思わせなくもない三人の「女流作家」へのオマージュに満ちた作品。山田詠美流「文壇」の読み直しとしても、才能をめぐる嫉妬と愛憎を描いた業界小説としても楽しめるが、あくまでフィクションとして書かれているところに企みを感じる。 「女流作家」の「死後の生」を書こうというより、それぞれの短篇において彼女らをもう一度殺(文字通り「脳内で人を殺」)そうとしていたのがおもしろかった。












