伝奇集

伝奇集
伝奇集
ボルヘス,J.L.(ホルヘ・ルイス)
J.L.ボルヘス
鼓直
岩波書店
1993年11月16日
52件の記録
  • ビクトル・エリセの『瞳をとじて』のなかに出てくる“トリスト・ル・ロワ(悲しみの王)”という名の屋敷。そこの主人はある短編からその名を取ったという。 その短編が、この『伝奇集』内の「工匠集」の一編として収められている「死とコンパス」。ということで、映画の理解の助けになればと再読。 「死とコンパス」は探偵小説で、真相を突き止めた探偵は作品中最後の舞台となる“トリスト=ル=ロワの別荘”におもむくことになる。 別荘はシンメトリカルで迷宮的な構造をなしており、『瞳をとじて』においても、さも意味ありげに映される二面の神ヤーヌスの像も登場する。 ところが小説内では、“トリスト=ル=ロワの別荘”と書かれるだけで、“トリスト=ル=ロワ”がいったい何なのかは説明されない。 「工匠集」のプロローグには、“トリスト=ル=ロワは、ハーバード・アッシュが幻の百科事典の第十一巻を受け取り、たぶん読まなかったホテルの名前である。”と書かれている。 ハーバード・アッシュとは、本書「八岐の園」の一作品め「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」の登場人物。 また、「死とコンパス」には、“マンディエ・モリーナ=ペディアに”との献辞があり、訳注では、“トリスト=ル=ロワという名を思いついたボルヘスの友人で、彼女のベッドルームの壁には、この別荘を描いた地図が貼られていたという。”と説明されている。どっちなんだ。 本書全体がこのように虚構と現実の区別が錯綜し、いまはどの階層で語られているのかと混乱させられる。 しかしむかし読んだときの印象と同じく死ぬほど読みにくい。小説というよりアイデアの簡潔な説明だなと思っていたら、「八岐の園」のプロローグに、“長大な作品を物するのは、数分間で語りつくせる着想を五百ページにわたって展開するのは、労のみ多くて功少ない狂気の沙汰である。よりましな方法は、それらの書物がすでに存在すると見せかけて,要約や注釈を差しだすことだ。”とちゃんと書かれていた。(“〇〇は、〇〇は、〇〇である”という変な文章だけど引き写し間違いではない) 個人的に小説に求めているものは、要約から切り捨てられた行間にあるはずの、生き生きとした人物描写やその関係性の変化、機微といった、ながながと展開される“狂気の沙汰”だからなあ。 けっきょく『瞳をとじて』の理解の助けには特にならなかった。
  • めのうのめ
    めのうのめ
    @agete
    2026年4月30日
    わたしは、人間が他人たちの敵となったり、他人たちのべつの瞬間の敵だったりすることはあるが、ひとつの国の敵であることはできない、つまりホタルや、ことばや、庭園や、水の流れや、西風の敵であることはできない、と思った。ーー八岐の園
  • めのうのめ
    めのうのめ
    @agete
    2026年4月21日
  • 餮
    @sukuna
    2026年4月18日
  • @mooNoon
    2026年4月16日
  • 鶉
    @udurann
    2026年4月14日
  • 未肺
    @lung22
    2026年3月25日
    円環の廃墟が気になります。
  • まさお
    @masao123
    2026年3月15日
  • るり
    るり
    @utatanest
    2026年1月28日
    マンゲルの著作を読んで、改めて読みたくなったボルヘスの伝奇集。 「(他の者たちは図書館と呼んでいるが)宇宙」という言葉から始まり、「図書館は無限であり周期的である」という言葉で終わりに向かう、バベルの図書館の章が特に好き。読むことや本のある空間がどういうことがもっと考えたくなる。
  • 本日お招きした本
  • S.H.
    @sh2435
    2026年1月9日
    ・隠された奇跡 を読んだ
  • z-monkey
    z-monkey
    @z-monkey
    2025年12月25日
  • みたろう
    みたろう
    @muuuaby
    2025年12月8日
  • たくあん
    たくあん
    @ta280928
    2025年9月9日
  • 陽祐
    陽祐
    @0810seba
    2025年8月6日
    もうこの迷宮から抜け出せない
  • あ
    @i_am_not_yeti
    2025年8月4日
    「GoogleMapが粒度の異なる地図を使い分け最短経路を出している」という話を聞いて「学問の厳密さについて」を思い出したのでそこだけ再読した
  • yo
    yo
    @dofashimila
    2025年7月21日
  • 舳野
    @henomohe
    2025年7月2日
  • 詞麻
    詞麻
    @przm
    2025年6月21日
  • 枝庭
    枝庭
    @edaniwa
    2025年4月27日
  • naco
    naco
    @194021
    2025年4月24日
  • た
    @Yxodrei
    2025年3月31日
    買ったぜ〜
  • サカグチ
    サカグチ
    @hisuissugi
    2025年3月29日
    とりあえず最初の章弾だけ読んだ。 思惟に富んだ文体と、次第に回収されていくSF的イメージ。冷徹な印象を受ける。 最後の台詞はAI社会における人間の生き方を予言しているかのようにも読めた。 「わたしの知ったことではない。わたしは校訂をつづける。アドログエのホテルでの静寂な日々、サー・トマス・ブラウンの『壺葬論』のケべード風の試験的なスペイン語訳の校訂を(別に出版する意図はないが)。」 →人間が作り上げた架空の世界が逆に現実に侵攻される様子が描かれた後の台詞。実存は残り続けるのか? (自分が読んでいるのは篠田一士訳の集英社版)
  • 「ギリシャ語の時間」に出てきたため
  • 夜明
    夜明
    @yoa_akagawa
    2025年3月8日
  • つに
    つに
    @hsr636896
    2025年3月7日
    「架空の論文の評伝」というフォーマット自体のおもしろさ!注釈から他者の評価まで全部嘘なの、おもしろすぎる。 「円環の廃墟」は相変わらず夢の話をし続ける。ボルヘスはずっと夢が好き。
  • 白雨
    白雨
    @nocturnalism
    2025年3月5日
  • かく
    かく
    @kakukaku_san
    2025年3月1日
  • ばば
    ばば
    @bababa
    2024年12月8日
  • はち
    はち
    @yomuuu82
    1900年1月1日
    先生おすすめのやつ📚🗣 早く読んで感想を伝えたい!
  • So
    So
    @ofton
    1900年1月1日
  • くろむ
    @chrome0204
    1900年1月1日
  • 沙糖5㌘
    @circus_blue
    1900年1月1日
  • 閑谷閑
    閑谷閑
    @nyomugen
    1900年1月1日
  • ののそ
    ののそ
    @nonoso000
    1900年1月1日
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