みんなが手話で話した島

37件の記録
- LUCiA@gogo2025年5月10日読み終わった読ませるドキュメンタリーではなく、文化人類学者のフィールドワークの研究結果としての本。だから多分に記録媒体としての部分もあるのだが、その事実や住民の声の記録が面白い。 アメリカ・マサチューセッツ州のマーサズ・ヴィンヤード島では、かつて聞こえない人だけでなく、聞こえる人も当たり前のように手話を使っていた。場合によっては聞こえる人同士でも手話で会話する。聞こえないことがハンディキャップではない。手話は単なる第二言語のような扱いだ。 今ではもうこんなパラダイスな環境は失われているのだが、英語と手話のバイリンガルだ。多言語国家で公用語と第二言語を使い分けるようなものだ。 その歴史を移民前のイギリスにまでたどり、膨大な資料を研究し、生き残りの住民に話を聞き、この本を仕上げた作者。面白過ぎる。 私は元々外国語の勉強(趣味)が好きで、その延長として手話や点字にも興味を持っている。障害とか、そう言った文脈ではなく言語としての興味・関心だ。あいにくまだ興味のみで、手を出せていない。 数ヶ月前に書店でふと見つけた本だが、読んで良かった。そんなパラダイスを実際に体験してみたかったが、今はもう叶わない。叶わない代わりにこの本が体験させてくれる。
- mai@mai_swan2025年3月18日読みたい↓早川書房サイトより。面白そう! アメリカ・ボストンの南に位置するマーサズ・ヴィンヤード島。20世紀初頭まで、遺伝性の聴覚障害のある人が多く見られたこの島では、聞こえる聞こえないにかかわりなく、誰もがごく普通に手話を使って話していた。耳の聞こえない人も聞こえる人と同じように育ち、社交し、結婚し、生計を立て、政治に参加した。「障害」「言語」そして「共生社会」とは何かについて深く考えさせる、文化人類学者によるフィールドワークの金字塔。
- 本屋lighthouse@books-lighthouse2025年3月18日読み終わった訳者あとがきにてアン・クレア・レゾット『目で見ることばで話させて』(岩波書店)の舞台が本書の舞台マーサズ・ヴィンヤード島であることが書かれていて、ちょうど続編『あの子を自由にするために』とともに仕入れていたことがなんとなくうれしい。この3冊はセットで並べよう。
- 本屋lighthouse@books-lighthouse2025年3月16日読んでるまだ読んでる両人が顔を合わせると、抱擁、奇妙で頻繁で熱心なジェスチャー、心底からの笑顔、その他の懸命な身振りが見られたので、舌の不足は彼らがお互いを想像する妨げというより、他人(ルビ:ひと)が彼らを想像する妨げかと思われた。(p.161)
- 本屋lighthouse@books-lighthouse2025年3月8日読んでるまだ読んでる島の者らは聾を「そういうもの」とみなし共に暮らしたのに対し、科学者たちは「変種」とみなし誕生を避けるべきものとした。全時代的で因習的で非理性的で...etc.とみなされがちな前者ではなく、現代的で科学的で理性的であることを自負する後者が「非寛容」の仕草をするということ。
- 本屋lighthouse@books-lighthouse2025年3月4日読んでるせっかくだからと勢いで読み始める。志津勤務に向かう電車で1章読み、昼過ぎ帰宅して、午後一気に読んでしまおうと思って布団に入って寝た。
- 本屋lighthouse@books-lighthouse2025年3月3日買ったわんころの病院の近くに本屋があり、お店でも仕入れなきゃな〜(でもまだこの本を入れる棚に空きがないぜ〜)となっていたこれを購入。棚を見ていたら呉明益『複眼人』(KADOKAWA)が文庫になっていることを知る。なんてこった。