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ゆずりは
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@setsu0312
日本大通り駅近くのLOCAL BOOK STORE kita.で、一棚書店『本の定食屋 ゆずりは』をひっそり開店中
  • 2026年2月18日
    骨は自分で拾えない
    歌人、斎藤茂吉を父にもつ、モタ先生こと齋藤茂太の死生観。少し時代が古い感じはするけれど、根底には現代にもじゅうぶん通じるものがある。 「志賀直哉先生の葬儀のようなのがいいわ」とリクエストした母の葬儀は笑いが絶えなかったという。「夫の遺灰と一緒に伊豆の海にまいてね」は沢村貞子。従軍も経験し、戦後ゼロから生き直した人々の強さも感じる本。
  • 2026年2月15日
    晴れたら空に骨まいて (講談社文庫)
    読書会で紹介した本 散骨という方法を選んだ、5組の残された人たち(&父親を見送った著者) 共通するのは、死者も遺族も国境を感じさせない自由さがあること、死してなお濃密に死者と対話していること。 フィルムケースに忍ばせた亡き人の粉を、パリ、北海道、万里の長城…思い出の地で強い風が吹いてきたのと共にピャ〜ッ!と空にまく光景は、想像するだけで爽快な弔い方だと思う。 自分が畑仕事をするようになってから、野菜くずも枯れ枝も、全ての有機物が土に還ることを目の当たりにすると、自分も土に還りたい欲が強くなっているのを感じる。
  • 2026年2月12日
    ゆれるマナー
    ゆれるマナー
    多様なジャンルの文筆家たちのエッセイ集。狩猟もするサバイバル登山家、服部文祥は自然や生きることに関する文章が多く、「自分が死んだ後の世界もすばらしいことが、巡り巡って今の自分を幸せにする」という考え方に深く共感した。 小川糸「プレゼントのマナー」 5歳の時、糸さんが資生堂パーラーでハンバーグをご馳走した女の子。長い時間をかけて食べきった初デートから数年後、高校入学祝いのリクエストが資生堂パーラー。こんなプレゼントもあるんだなとうるっと。 白岩玄、宮内悠介、温又柔…今まで縁がなかった作家に興味を持つきっかけになった。
  • 2026年2月8日
    蚊がいる
    蚊がいる
    歌人の穂村さんのエッセイは、ゆるゆるフワフワしているけれど、鋭く核心をついてくる。内気でタイミングをとることが下手な人種の心の内を、こんなにも饒舌に言語化できるのは、言葉という強力なスイッチを持つ穂村さんならでは。 『マナー考』で、ティッシュを配られる際のマナー、フリースでどこまで行けるかのマナーまで考える人がどれだけいるだろう?と笑いながら、会社員時代の生きづらさを綴った『他人はどれくらい苦しいのか』でドキリとさせられる。 巻末の又吉直樹との対談も、この人たちめんどくさい…って思いつつ共感できる部分が多かった。
  • 2026年2月7日
    パリの国連で夢を食う。 (幻冬舎文庫)
    著者がパリの国連で働いた、5年半の滞在記。前作『パリでメシを食う』に登場する、パリで仕事している日本人達に突撃取材するのがこの頃。そのエピソードがちょこちょこ出てくるのも嬉しい。 信じられない倍率を勝ち抜き国連の正職員になり、ソルボンヌ大学で教えることにも。なんだかとってもすごいのに「世界を股にかけて活躍するキラキラしたワタシの自慢話」にならない。行動力低めの私にも共感できる部分が多々あるのは、著者の文章の力。 あとがきにある『 日々積み重なる「今日の自分という経験ほど、絶対的なものはない。それは、どんなことがあっても誰にもとられない。』が、著者のバイタリティあふれる生き方を象徴しているなと思った。
  • 2026年2月4日
    絲的ココロエ
    絲的ココロエ
    「双極性障害(躁うつ病)に翻弄されず、受け入れて粛々とコントロールする。この病との理想的な付き合い方を実践する作家の極上の文章は、この病に関わるすべての人への最高の贈り物です。」加藤忠史(理化学研究所脳神経科学研究センター) 当事者にとっては、アドバイスや共感よりも理解してもらうことの方が助かる、という言葉になるほどと思ったし、主治医の先生の言葉で印象的なものがふたつあった。 「医者にできるのは薬を使って援護射撃をすることです。矢面に立つのは患者さん自身です。」医者との相性は重要だと思う。 「受動的な状態では休養にならない、能動的でないとこころは休まらない。」休むぞー!という体力が無くなるのが躁うつの状態なのだと知る。 この病気について知ってほしいけれども、患者として全てをあからさまにはしたくない部分もあり、という絲山さんの文章、とても説得力があった。
  • 2026年2月2日
    あなたとわたしの短歌教室
    短歌集を読むのは好きだけど、自分には短歌は詠めるはずがないと思ってきた。kIta.で開催される「折句で短歌を読んでみましょう」というイベントを知り、その予習のために読み始めた。 短歌を作る行為を「苦しい胸の内を吐露する心の叫び…」的な捉え方でなく、「短歌は楽しみのために作っていい」という考え方に共感し、短歌のハードルが少し低くなる気がした。言葉を使う鍛錬になりそう。
  • 2026年1月30日
    わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版
    くどうれいんの出発点ともいえる、料理にまつわるエッセイ(それぞれのタイトルが俳句なのも楽しい)のZINE。 「わたしの厨(くりや)」という言い回しが、ひとり暮らしを始めた21歳の女の子が、背伸びしてる感じがして可愛らしい。 ひとりで暮らす、私のために自分の厨でごはんを作る、文章を書く。それがどんなに自分を救うことか…が季節の料理や思い出とともに軽やかに描かれる。爽やかな一冊。
  • 2026年1月29日
    夢見る帝国図書館
    上野で偶然出会った「わたし」とチャーミングな老女「喜和子さん」の物語と、明治から第二次世界大戦終戦までの図書館の物語が交互に。 喜和子さんの生い立ちの謎が、上野周辺の人々の営みや帝国図書館の歴史と絡み合って少しずつ明らかになっていく。喜和子さんにしかわからない部分は、登場人物があえて暴こうとしないでいてくれるから想像がふくらむ。 図書館が主人公の物語では、文豪達のエピソードが楽しく、図書館を守ってきた多くの人々の想いに胸熱。
  • 2026年1月16日
    たそがれてゆく子さん
    詩人、伊藤比呂美のエッセイ。 更年期を高揚感と共に切り抜けた後に待っていたのは、かなり歳上の夫の死(アメリカで命を長らえると、日毎に容赦なく膨らんでいく医療費に仰天)と自分の老い、そして末っ子の結婚。 「老いを切り抜けた先にあるのは死」という表現、当たり前だけど切り抜けたと思ったらそうなのか、と。 「漢(おんな←と比呂美さんはルビをふる)たちよ、あたしはまた楽しみを見つけて生きていくよ」とすっくと立った背中を見せてくれるような本。
  • 2026年1月15日
    絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか (講談社文庫)
    絲山秋子の自炊エッセイ。 『絲的サバイバル』『絲的メイソウ』を好んで読んだ私には、これもぴったり。 真冬の冷やし中華に惨敗、鬱の周期に突入しながらも豚キムチを作り、突然の恋と卵料理。自分を笑える人の文章は、失敗してもうまくいっても、読んでいて楽しい。
  • 2026年1月14日
    かわいい結婚
    かわいい結婚
    二十代後半の女の子達?が主人公の3つの短編。タイトルとは裏腹に、確かにあるけど、みんな見ないふりをして生きているんだよぅ…という現実やマイナスの感情がリアルに描かれる。出口も塞がったままで放置される終わり方に「これを打ち破っていくのは自分なのよ!」と彼女達を叱咤激励したくなるのは、私がオバさんになった証拠か。 『悪夢じゃなかった?』は1日限りの現代のとりかへばや物語、意外なオチが面白い。
  • 2026年1月12日
    兄の終い
    兄の終い
    読書会メンバーに貸してもらって、映画を観る前に読んだ。前情報全く無しで読み始めたから、ノンフィクションだったのね!というところでまず驚き。 兄の元嫁、加奈子さんがリミッターを外して猛然と目の前のことをこなしていくさまが爽快。現実にはそうじゃないとやってられないよなぁ、と思いながら読んだ。うちは片付いてる方だと思うけど、もう少し物を減らそう… 兄の息子、良一くんを周りの大人達みんなが大切に思っている描写に心が安らぐ。
  • 2026年1月8日
    はっとりさんちの野性な毎日
    冒険家の夫(服部文祥)と結婚し、東横線沿線の丘の斜面の家で3人の子育てをしながら、夫が仕留めてきた鹿を家族でさばき、ヒヨコから育てたニワトリ達と暮らす…冒険家の妻、小雪さんのエッセイ。 文祥さんのぶっ飛びっぷりもすごいけど、そんな文祥さんと共に生きる小雪さんが真の冒険家。子供たちが大人になる過程で、時間をかけて任せて待つことができる親の姿勢に、じわっと涙が出た。
  • 2026年1月7日
    ぼけますから、よろしくお願いします。
    同名の映画を観て、いつか読もうと積読してた本。映像作家の著者が撮った元気な頃の両親、母が認知症になり父が介護する日々、ヘルパーさんの手助けに至るまでの葛藤、母の入院、死までを文章で描き尽くしたドキュメンタリー。 広島に帰省する度に、大好きな母が変貌していくことを認められない著者。徐々に母の変化を受け容れていく心の動き。ついには『大好きな母を急に亡くして自分が悲しまないように、神様が「緩やかで諦めのつく死」=認知症にしてくれたのではないか』と少しずつお別れする気持ちになっていく。 カッコ悪いことも恥ずかしいことも取り繕わない、誠実な文章が心を打つ。
  • 2026年1月5日
    私が私らしく死ぬために 自分のお葬式ハンドブック
    神戸の独立系書店『1003』で購入。 ここ数年で義父、義母を見送った際に、ぼんやりと疑問に感じたことが、この本で少しクリアになった。 死亡したその瞬間からかかり始める費用の内訳も細かく説明されている。お葬式やお墓の話題ってふだん話さないから、知らないことが多すぎてびっくり。 自分の終わり方を選択する機会があるのなら、元気なうちに考えて自分で選びたいなと思う。
  • 2025年12月28日
    辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 (文春文庫)
    読書会で『新解さんの謎』を勧めた際に思い出して再読。かなり前にドキュメンタリー番組を観て、この本も読んだのに、今回はそれ以上に心に響くものがあった。 「ことばは、不自由な伝達手段である」と、言葉の裏の意味も明らかにしようとした新明解国語辞典の山田先生、「ことばは、音もなく変わる」と、生涯で145万もの用例採集した三省堂国語辞典の見坊先生。 ことばに全生涯を捧げた二人の先生と、その二人のすれ違いの原因も「ことば」だったことを思うと、胸にせまるものがある。 日本の国語辞典編纂の歴史と共に、人間ドラマとしても素晴らしいノンフィクション。
  • 2025年12月24日
    さざなみのよる (河出文庫)
    『昨夜のカレー、明日のパン』の感想投稿へのコメントでこの本を知った。2冊目の木皿泉作品。 病気で亡くなったナスミが主人公の1話目。その姉、妹、夫、叔母、同級生、とその妻…目線を変えて紡がれる全14話が細い糸でつながっていく。死が真ん中にあるけれど、それをタブー視せずに生活は続いていく。温度感低めのあたたかさで読み終えて「あぁ、出会えてよかった」と深くひと息つく。ゆっくり読みたい本。
  • 2025年12月14日
    看守の流儀
    看守の流儀
    Readsで知った本。 地方の刑務所を舞台に、刑務官それぞれを主人公にした五話の短編が大きなつながりに。自分の予想をいい意味で裏切られる展開に、のめり込んで一気読み。 最後で「えっ!そうだったの?」となってから、遡って細かい箇所を読み直すとさらに味わい深く。「ガラ受け」は秀逸。 続編『看守の信念』も手に入れ、読み始めます。
  • 2025年12月9日
    罪と罰 上
    罪と罰 上
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