猫を抱いて象と泳ぐ

35件の記録
- まっつ@mattus_1232025年7月24日読み終わった表紙と裏表紙丸ごと使ってこの作品への愛を綴った帯文に二回目の恋をして購入。 通勤時間でちょこちょこ読み進めていたけれど、早くこの作品の、小川洋子さんの描くチェスの海に潜りたくて仕方なくなってしまう、そんな不思議な引力を持つ作品でした。 作品を通して主人公が囚われ続ける警句に「大きくなること、それは悲劇である」というのがある。これは、大きくなり過ぎたが故に一定の場所から出られなくなったり、惨めな扱いを受けることとなった人を目の当たりにして刻まれていったもの。 彼が生涯を通してこの警句を克服できたかは分からないけれど、「屋上に取り残された象」に対して本来感じていた「羨望」を、彼自身の「小さく在り続けながら置かれた場所に留まる」という生き方を通して少しは取り戻せていたらいいな。 素敵な冒険をありがとう、リトル•アリョーヒン。