

ずんだ文芸部
@zunda_bookreview
- 2026年6月20日
書簡型小説「二人称」 ヨルシカヨルシカ,n-buna読み終わったこれまでに味わったことのない唯一無二の読書体験で素晴らしかった。 まず、本作は写真の通り「書簡型小説」という前代未聞の形式。 本物の封筒と原稿用紙の束が出てくるので初めてみた時は笑ってしまった。 この書簡はとある少年と先生による文通になっている。 ヨルシカ「二人称」というアルバムとも関連していて、実際にアルバムに収録されている楽曲の歌詞が、文通の中にも登場する。 詩の書かれた原稿用紙を楽曲と一緒に読むことで、没入感がすごい。 しかも、これらの詩の文脈も同時に語られるから各楽曲の解像度がグッと増す。 とにかく、ヨルシカ好きなら読んで損はないすばらしい作品でした。 (はちゃめちゃに高いお値段だけが玉に瑕…)
- 2026年6月17日
- 2026年6月17日
暗号の子宮内悠介読み終わったSFというジャンルは元々理系人間に刺さる特性があるけれど、本作は特に「技術」に振り切っていて、専門用語も躊躇なく多用されている。 加えて、テーマも最新の科学技術✖️社会問題あるいは哲学という感じで、まあまあ難解。 ただ、その分、すごく真理めいたものも感じて「何かすごいことを言っている気がする」と小学生みたいなことを読んでて思った。 本作は短編集なのですが、暗号の子という表題作に関連して、ブロックチェーン技術がテーマの作品が多かった。あとはAIに宇宙開発も。 ただでさえ、語られるテーマがそれなりに難解なうえ、登場する技術も工学系以外の人からすると難しそうなので、人を選ぶと言えばそうかもしれない… 掲載元がSF雑誌や技術雑誌の作品が多いのも起因しているのかな。 とはいえ、技術好きの理系人間からするとたまらないのは間違いないので、そういう人にはおすすめな一冊です!
- 2026年5月30日
一次元の挿し木松下龍之介読み終わった本作と同じくこのミス文庫グランプリを受賞した「レモンと殺人鬼」に対しても感じたのですが「面白い小説の教科書」のような作品だと思う。 謎の散りばめ方から、新しい展開への持っていき方から、次のページを捲らせる技術を研究しているな…という気持ち。 このお利口さが逆に玄人からすると賛否が分かれる可能性もなくはないけど、物語の構成オタクからすると「教科書通り」にちゃんと面白い作品はしっかり評価したいですね(偉そう)。
- 2026年5月24日
文庫版 魍魎の匣京極夏彦読み終わった流石に1000ページはなかなか骨が折れたけれど、なんとか読了。 いやはや、なんかすごいっすね。 事件の全貌が明らかになるのが全体の半分を過ぎたくらい=500ページくらいで、並の小説なら丸々収まってしまう… ただ、そうなるのも当然というくらいには、複数の要素、事件が登場する。 何よりすごいのが、風呂敷広げ過ぎじゃないか?と思ってしまう、これらの要素が最終的にびっくりするくらい綺麗にまとまってしまう点。作中での隠喩などなども含めて小説を書くのがうますぎる。 前作の姑獲鳥の夏もそうだけど、ケレン味と地に足のついたエンタメのバランスが凄まじいんですよね。それでいて、日本の神道や怪異に関する尋常じゃない知識もおまけでついてくるんだから京極夏彦とかいう作家に感服する他ない。 - 2026年5月21日
- 2026年5月11日
読み終わったラノベミステリー枠として手に取ったはいいものの、なんとも感想が難しい… まずコロナ禍が舞台という点は当時のリアルな空気感を感じつつも「あの頃」と感じてしまうほどには過去になったんだなぁ…という気持ち。 んで、肝心のメインストーリーがなんというか、非常にカオス。 主人公は瞳を通して他人の視点や感情を読み取れるという能力があって、その能力を活かして事件を解決するミステリーでもあり、大学での演劇活動を通した青春ものでもあり、猫の瞳を通してしか出会えないヒロインとのエモい恋愛模様もあり、時間軸の差異を利用したSFでもあり、作中作として登場する天女物語を軸にした仏教的な価値観のエッセンスも節々にまぶされていて… なんか言っててよく分からなくなってくるな… 個人的には仏教要素が本作をそこらのライト文芸とは異なった読み味にしていると思った。 ラノベ特有の勢いとヒロインとのエモい関係性の中にしれっと「即身仏」が登場するの流石に気になってしまうでしょ。 - 2026年5月9日
翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件麻耶雄嵩読み終わった問題作が多いらしい麻耶雄嵩作品を初読了。 中世ヨーロッパ風の古城に、首なし死体、密室殺人といかにもな本格ミステリかと思いきや、なんかすごいことになった。 一番印象的で他に類を見ないと感じたのが、小説の構成で、正直中盤までは「まあ悪くはないけど特筆すべきところもないんじゃないかなぁ」なんて思っていた。 ところが、中盤以降、状況が一変。 展開が二転三転して、気づけばなんか遠い場所まで連れてこられていた。 ある意味、本格ミステリアンチ的な作品とも言えるのかな。 これがデビュー作ってやばすぎる… - 2026年4月27日
- 2026年4月22日
ZINE&リトルプレス ビギナーズガイド石川理恵,金子亜矢子読み終わったこちらもZINEの売っている有隣堂のグラングリーン大阪店で購入した一冊。ZINEを作るにあたってのかなり具体的な工程が個別の事例を交えて載っていてかなり実用性がありそう。いつかZINEをつくるとなったら、引っ張り出してきて再読することになるかな。 - 2026年4月19日
本が生まれるいちばん側で藤原印刷読み終わった「あなたは自分で本を作ったことがありますか?」と聞かれてYESと答える人は極めて少ないだろう。 本書は藤原印刷という個人制作の出版物に強みを持つ、印刷会社さんの経営陣によって書かれた本。 と言っても、ビジネス色は全然なくて、「本を作る楽しさ」がこれでもかと溢れ出ている一冊です。 「本を作る人が増えれば本を読む人が増えるはず!」という著者の考えはなるほどと思った。 ただ、読書系Youtubeチャンネルを運営している身としては、本を読むのが好きな人と書くのが好きな人とで結構層が被ってないんじゃないかなぁ…という気はするんですよね。 もっと「自分の本を作る」という選択肢を気軽に取れるようなムーブメントをチャンネルを通してできたら面白そうだな… とか、著者の印刷愛にあてられて、なんか語ってしまった💦 - 2026年4月16日
- 2026年4月15日
クラインの壺岡嶋二人読み終わった会社の人が「いままでで一番驚いた作品」と言っていたので手に取ってみた一冊。 なるほど、確かに面白い! 現実の感覚を完全に再現できる「クラインの壺」というゲームが軸となるミステリー?作品。厳密にミステリーというわけではないけど… 「現実の感覚を完全に再現」というテーマからある程度展開は予想出来てしまいはしたけど、それはそうとしてシンプルに面白いから、後半とかページを捲る手が止まらない。
- 2026年4月15日
- 2026年4月9日
イルミナエ・ファイルジェイ・クリストフ,エイミー・カウフマン読み終わったこーれは面白い!! 定価4000円越えで物理的にデカいというとても初心者にはおすすめできないSF小説。 復元されたファイルという設定なので、全編ログや記録映像の要約等のみという攻めた構成。 この構成だからこその表現も多くあって、他では味わえない読書体験だった。(翻訳の影響か、日本語フォントのせいでクソダサになってる箇所もあったけど笑) まあ、でもギミック云々というよりはシンプルに話が死ぬほど面白い!という点に尽きるかな。帯文でドネタバレしちゃってるのが惜しいというか悔しい。 - 2026年4月4日
- 2026年3月31日
- 2026年3月19日
エピクロスの処方箋夏川草介読み終わった本屋大賞9冊目! 前作の「スピノザの診察室」にめちゃくちゃ感銘を受けたわけですが、続編である本作もめちゃくちゃ良かった… 本を一冊読むだけで人生が一変することは決してないと思うけど、確かに血肉となっている感覚はあって、本シリーズはそれにすごく寄与していると思う。 前作を読んでから無意識のうちに心境の変化があったのか、前作ほどの衝撃はなくてむしろ自然に作中で語られる哲学を受け入れることができた。 アドラー心理学やら仏教やら、本シリーズで語られる哲学(スピノザやエピクロス)は心の平穏とか、いまここにある幸福だとかを重視していて、その思想がすごく心に馴染むんですよね。 このシリーズには小説を読む意味が詰まっていると思う。 - 2026年3月14日
殺し屋の営業術野宮有読み終わった面白い!もうそれ以外言うことがない! 殺し屋✖️営業職という奇抜なアイデアを完璧なエンタメ作品に仕上げてて、面白い物語の教科書みたいな一冊でした! これ読んでつまんなかったという感想を抱くことは不可能だよなぁ。ってタイプの作品。
- 2026年3月9日
殺し屋の営業術野宮有読み始めた本屋大賞残り3冊! ペース的にはギリ間に合いそうだけど、仕事帰りって読書する気力が残ってないがちですよねぇ 重めのが連続するとしんどいのでエンタメミステリー感満載の本作を先に読む!
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