いのちの初夜

35件の記録
euy@euy2026年5月24日読み終わった「吹雪の産声」を読んだ。ハンセン病療養所の中で新しく産まれてくる命。このころは堕胎とかさせられずにまだちゃんと産まれてこれたんだなあ。よかったなあ。この短編も、悩みながらも力強くて良かった。 これで一冊ひととおり読み終わった。どの短編・随筆も非常によくて、生きるということについて考えさせられ、励まされた。あんまりハンセン病への偏見とか隔離政策とかについて描かれてなくて(まだこの頃隔離政策色がそんなに激しくなかったのかな?治療薬もなかった頃だろうし、おそろしい病気で隔離されたり差別されるのは仕方ないっていう心境だったのかな。)、純粋に病魔をめぐる心の動きや生きることについて綴られていた。 この本の最後が、この新しい命をめぐる物語で締めくくられていて、いい構成やなあと思った。

euy@euy2026年5月23日読んでる「望郷歌」を読んだ。 ハンセン病療養所の中で教師をしている主人公の目から見た、一人の不幸な少年の話。父は病気で亡くなり、母はほかの男と逃げ、祖父は少年を愛するあまり殺そうとする。 救いがなにも示されてないのに、北條民雄の筆致が美しくて逞しくてけなげで、何か救いがあるような、これこそが生きることなんだというような感じもする。
euy@euy2026年5月22日読んでる「癩家族」を読んだ。 ただ苦悩が苦悩のままとして描かれていて、解決策とかも示されてないけど、それが現実で、生きるということなんだろうな。 父、息子、娘が登場人物で、小説の中で視点が3人の間をくるくる入れ替わって、斬新な感じがした。
euy@euy2026年5月20日読んでる「続癩院記」を読んだ。 「癩院記」の続編ということだが、こっちはもうちょっと焦点を絞って、重病室の付添人(お世話係)の当番をしたときの自身の経験を中心に描かれてる。 あまりにストレートなズケズケした描写で、これはまじで当事者にしか書けない。ほかのひとがこんなの書いたらポリコレ的に完全にアウトだ。そういう意味で、ありのままの(←たぶん)事実を知ることのできる貴重な資料でもあると思う。 いろんな重病者が次から次へと描かれて、生きるってなんだろうなと思えてくる。
euy@euy2026年5月20日読んでる「癩院記録」を読んだ。なんかすごい。かなりすごい。 ハンセン病療養所内の日常生活をブログとかノウハウ本みたいな感じでひたすら解説してる随筆なんだけど、重苦しいはずの現実を、チャーミングでユーモラスな文体で軽妙に描写してて、なんかすごいってなる。 資料館とかのよくある解説を読むのとは全然違う感じのリアリティを感じることができるし、こういう現実の切り取り方をする北條民雄の見方にも興味が湧くし、療養所内で生きてる人たちの力強さに励まされる。 「義足くらい便利なものはないぜ、ちょっと休みたかったら腰かけになる、横になりたかったら枕になる。神経痛もなければうらきずもできない、普通の足をもってる奴の気がしれない」

euy@euy2026年5月16日読んでる「癩院受胎」を読んだ。 こちらも切実で力強い。 ハンセン病の療養所では作業中に足に釘がささったまま気づかないとかよく説明されるけど、小説で実際にリアリティをもって読むとまじでグロくてこわい。療養所内の恋愛とかは、なるほどこんな感じか。林の場面とか納骨堂の場面とか、多摩全生園の景色を思い出しながら読むとかなり現実感を伴ってくる。茅子は赤ちゃん産むって言ってたけど、このころは中絶させられなかったんかな。 久留米がガンギマってる。 「あれや壮健の書いたものだ」 「精神が腐らなかったって体は腐るんだ。体の腐らん奴が書いたものなんかこの病院で通用するもんか。俺だって体が腐らなけりゃもっと物凄い論理をひねり出してみせる。体の腐らん奴はどんな論理でもひっ放しができるんだ。都合が悪けりゃ転向すりゃ良いんじゃないか。俺はもっと切迫しているんだ。思想か思想自体の内部でどんなに苦しんだってたかが知れてらあ」


euy@euy2026年5月8日読んでる続いて「眼帯記」を読んだ。こちらも素晴らしい。 ハンセン病の病状の進行によって盲目になるかもしれない不安やら心の動きを切実に正面から言語化している随筆。 ところどころに力強さも感じる。 「私はその時、人生そのものの侘しさを覚えた。真黒い運命の手に掴まれた少女が、しかし泣きも喚きもしないで、いや泣きも喚きもした後に声も涙も涸れ果てて放心にも似た虚ろな心になってじっと耐え、黙々と眼を温めている。温めても、結局見えなくなってしまうことを知りながらも、しかし空しい努力を続けずにはいられない。もう暗くなりかかった眼を、もう一度あの明るい光の中に開きたい、もう一度あの光を見たい、彼女らは、全身をもってそう叫んでいるようであった。これを徒労と笑う奴は笑え、もしこれが徒労であるなら、過去幾千年の人類の努力はすべて徒労ではなかったか!私は貴いと思うのだ。」 「「今のうちに書きたいことは書いとけよ」彼は真面目な調子でいった。私は黙ったまま頷いた。」
euy@euy2026年5月6日読んでるまず「いのちの初夜」を読んだ。 文字どおり、ハンセン病患者の主人公が療養所に入所して初めて過ごす夜を描いた作品。まだ特効薬もない時代の話で、とにかく壮絶。 極限の絶望と極限の生命力。筆者自身がハンセン病療養所の中でこの作品を描き、発表して1年後には亡くなっていて、そのことにも思いを馳せざるを得ない。生きることにここまで向き合っていた人がいたのか。

- クバ@nrikni_6ook2026年2月23日読み終わった授業授業で取り扱った時にとても感動し購入した。 肉体では死んでいるが、精神は生きている。あの世(病院)ではそれが一層強く感じる。 持ち合わせている言葉では表す事のできない作品。 絶対再読します。 ほんとうに大きく心を動かされた。この本の内容でもっと大事なところがある事も分かるが、一番衝撃だったのは「同病者」にあのような言葉をかけられるようになるまでだ。佐柄木、ほんとうに強い。それと同時に苦しさと悔しさを感じた。病を患っている人が言う言葉か、悔しい。 「兎に角、病気に成り切ることが何より大切だと思ひます。」

よし子@7242025年12月9日読み終わった北條を知ったきっかけは石原吉郎の手記だった。北條も石原もその代名詞的な出来事がなければどんなふうに生きただろうか。後の世に名を残すことはなかっただろうか。そのほうが幸福だっただろうか。 身体の限界が迫る中での葛藤がそのまま落とし込まれたような文章に、漫然と生きているお前は読むに値しない人間だと突きつけられる心地さえした。





























