芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚

32件の記録
- 読書猫@bookcat2025年7月20日読み終わった(本文抜粋) “窓の外を見ているうちに、巨人の心はとけました。「俺はなんて自分勝手だったのか!」巨人は言いました。「それで春が来なかったんだ。あの気の毒な子を木のてっぺんに乗せてやろう。それから塀を崩そう。この先、俺の庭はいついつまでも子供たちの遊び場だ」。巨人は自分のしたことを本当に申し訳なく思いました。” オスカー・ワイルド「身勝手な巨人」 “迅速にやらねばならぬ仕事が眼前に控えている。遅れたら破滅に繋がる事も承知している。人生を左右する最重要事態であり、今すぐ全力で実行せよ、と事態は高らかに命じている。自分としても意気揚々、さあ取りかかるぞとやる気満々であり、それを為した暁に生じるであろう華々しい結果を思って魂も燃え立つ。是非とも今日着手せねばならないし、今日着手するであろう──にも拘わらず、我々はそれを明日に延ばしてしまう。何故か? 答えはない。あるとすれば唯一、天邪鬼な気分のせいとしか言い様がない。” エドガー・アラン・ポー「天邪鬼」 “事実! 事実を知らないだけで新聞を悪く見せてしまったら、それこそ恥ですよ。みんなは事実のために新聞を読むわけじゃありません。新聞を読むのは、朝起きてから夜寝るまでのあいだの暇つぶしをするためです。ああもう、まったく、もし事実を印刷しだしたら、全員正気を失うでしょうね。” セント・ジョン・G・アーヴィン「劇評家たち」