クィア

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- amy@note_15812025年5月12日読み終わった感想クィア・フェミニズムウィリアム・バロウズ『クィア』を読んだ。メキシコシティに暮らすヤク中でゲイの中年男性リーと、若く美しい恋人アラートンとの短い恋愛の話。 メキシコシティの社会情勢からくる荒廃した治安の悪さの描写と、そのなかに突然現れる美しいアラートン。男女の恋愛話なら、荒んだ日常にいきなり魅力的な人物が登場するのはよくあるフィクションの始まり方だと思う。 作中には、いわゆるゲイバー(文脈的にはハッテン場的な意味合いに近い)で性行為の相手を探す場面がたびたび出てくる。そして、リーがアラートンとの関係を切実なまでに保とうとするのは、当時の同性愛者を取り巻く社会的承認の欠如と出会いの困難さから来るのではないかと思った。 もともと『おかま』というタイトルで1985年に出版されたが、物語としては1953年の小説『ジャンキー』の続編であることを考えると当時としてはかなり先駆的な作品でもある。 リーはヤク中で情緒も不安定だし、かなり口汚くて卑俗な言葉をまくし立てたりもするのだけど、映画『クィア』ではあのダニエル・クレイグが演じるというのだから、どういうリーになるのか楽しみにしている。まだ居住地では公開されていないので、公開されたら絶対に観に行く。
- サードロウ@aboutthirdrow2025年5月11日読み終わった主人公リー(=バロウズ)の唐突に始まる与太話のとりとめのなさが、その後の『裸のランチ』以後の作風を思わせる。面白いのか面白くないのかよくわからないところも含めて。映画の方はどうなっているだろう。
- akimahende@akande19992025年4月30日読み終わった「『ジャンキー』は自分が書いているが、『クィア』では自分が書かれているような感じがある。」という、序文でのバロウズの言葉そのまま、『ジャンキー』は一人称で書かれ、『クィア』では三人称で書かれている キメてるほうが自分らしいのか、シラフだと客観的になってしまって恥ずかしいのか このあとの『麻薬書簡』も入れてバロウズの自伝的小説の三部作となっておりそれぞれの作品が相互に関連する部分があるのと、これらを読めばクローネンバーグ版『裸のランチ』の解像度も上がると言うので読破せんといかん 薬物の禁断症状もあって感情の起伏が激しく、己が満たされなさに泣いたりヤケ酒したり1人でベラベラしゃべったりするこの中年男性もう可哀想すぎるて 文体までへべれけ、饒舌だった
- kawazmuri@01non-kawaz-use2025年4月7日気になる某ウェブサイトでクィアを原作とした映画のタイトルを『QUEER(おかま)』と表記しているのを見た。まだ観たことも読んだこともないからなんとも言えないけれど、「おかま」は違うのではないか?仮にこの作品がアンダーグラウンドな“おかま”のコミュニティをリアルに描いたものだったとしても、この表記は「QUEER=おかま」という勘違いを生む。 そもそも「おかま」は差別的に使用されることが非常に多い言葉だ。それにわたしは身体的性別が女性で、性表現も女性的だとみなされているが、ジェンダー・クィアを自認している。たしかに「クィア」はまだ多くの人に馴染みのない言葉だ。「おかま」としたほうが映画の芯を捉えたかつ伝わりやすいタイトルになるのかもしれない。しかし、queerという形容詞の意味を逆手に取って歩みを進めてきたクィアたちの歴史を無視してはいけない。