働きたいのに働けない私たち

56件の記録
- 図書館マン@tosyokan-man2025年9月28日読み終わった図書館本図書館本。小山内さんが訳者で、韓国の研究者の方が著者なのですね。小山内さんが書いたのだと勘違いしておりました……。すみません。 エッセイのような感じかと思っていたのですが、どちらかというと論文で、専門用語豊富です。 ページ数が少ないので、高学歴女性の困難について知りたい人にはピッタリの本かもしれない。時々、著者本人が体験した高学歴女性の困難も交えて語られます。 日本に住む人間のひとりとしては、聞き覚えしかない体験が多く、頷きが止まらない。 体調が悪いときに読んでしまったので、読み進めながら目が何回も滑ってしまった。ざっくりと読んでいた中でも、かなりいい本だという感覚を持ったので、元気があるときに、もう一度読み直したいところ。 個人的には、韓国との比較に、高学歴女性が働きやすいアメリカと、国が育児を大切にしているスウェーデンが挙げられていたのが、良いな~と思った。 アメリカは高学歴女性が評価されやすい分、相対的にパート女性の質が悪くなる。 スウェーデンで時短労働をする正規雇用者=パートと、「パート」という言葉の意味合いが日本と違うことに驚いた。スウェーデンのパートはフルタイムの正規雇用者と同じく、正規雇用者としての賃金が支払われるそう。でもスウェーデンは、この仕事は男性、この仕事は女性の仕事と男女別に仕分けられてしまうのだそう。 そうした意味では、能力差で仕事の選択肢が広がるアメリカの方が、仕事に男女差が少なく、女の人も管理職等に就きやすいとか。 どちらも悩みどころ。当たり前ですが、どの国が優れているとか無いわけで、それくらい共通の悩みである訳ですね。 日本と韓国、どっちがマシかで最底辺の戦いをするのではなく、お互いに学び合ってお互いに国を改善していけばいい、と訳者の小山内さんが言ってました。 本当に、その通りだと思います。
- きなこ@kinako20252025年9月18日読み終わった考えさせられる先に読んだ『私たちに名刺が〜』と対になるような内容の本。 前者は企業等に勤めていないので名刺がないが、アンペイドワーキングや工場、食堂などで働いてきた中高年女性たちのインタビューを通して、女性の労働(女性に課せられた労働)をクローズアップしたものだったが、今回の『働きたいのに働けない私たち』は高学歴女性たちにも地獄があるというおはなし。 著者はもちろん高学歴女性(博士号取得)だが、結婚し子育てをする中で、いくたび困難な状況にさらされてきたか。 男性研究員と比較し競争をさせ、多くの業務を女性である著者に担当させ、昼夜を問わず働いた著者は体を壊し退職。比較対象だった男性研究員は正規職採用となった。日本でもよくある事例ではないだろうか。 女性がガムシャラに働いて要職に就くと、「図太い」と言われる。男性にも同様のことを言うだろうか? 韓国女性の働きづらさ、生きづらさが余すとことなく書かれているが、まるで日本のことかと思うのは、日本の女性たちも同じような境遇に置かれているということだろう。(補論にあるようにコロナ禍で既婚女性の失業率は増加している等) 韓国と比較すべくアメリカとスウェーデンの女性の労働環境も述べられている。 日本と韓国、両国の女性が置かれた劣悪な環境から脱するべく、シスターフッドで助け合っていきたいと願う。
- 修二@shu_22025年8月7日読み終わった韓国での女性の雇用や就業について見ると、前々から思ってたけど日本と状況がほとんど同じだった(むしろフェミニズムについての議論や創作物の多さという点では、日本より先を行ってる)。 本書は本編ももちろんだけど、最後に付いている補論と解説がすごくいい。 更にブックガイドも付いており、本書を起点として関連書籍を探せる親切設計。 本自体の厚みもなく読みやすいので、とっかかりの入門書として読むのにぴったり。
- nekomurice@nekomurice1232025年7月11日読み終わったお給料がほぼ保育料に消えたこと、小学1年生問題、低学年の夏休みやら、大変だったことを思い出して苦しくなった。著者のように高学歴な女性ならなおさら仕事と子育ての狭間で苦しいと思う。*女性の雇用問題が解決されていないのに、出生率が高くなるはずがない。
- はな@hana-hitsuji052025年6月28日読み終わった図書館で借りたここぞという時の仕事を前夜に控えて、夫や子供を起こさないためにホテルのトイレで発表の練習をする著者。 トイレのドアを半分開けて、の意味合いがわからないひとはいるのかな。 p142 大袈裟ではなく生存のために「自己都合退職」という形で職場を離れた。 それは、果たして選択だったのだろうか。 この部分を何度も反芻してしまった。 ともすれば『自己責任』『自分で決めてしたことなんだから人のせいにするな』と言われて自分を責めることも多かったし今も脊髄反射でそう思いがち。 仕事では個人にフォーカスして問題を指摘する場面で、まずはシステムを疑うべきでは?と感じてきたけど、それを自分たち女性性に向けて考えてこなかったのは男女平等だと刷り込まれてきたのもある。 平等なはずなのに上手くやれないのは自分のせいだと。 でもだいぶだいぶ、スタートから違うのでは。 女性のしてきた選択は、元々少ない選択肢の中から選ばされてきたものも多かった。
- はな@hana-hitsuji052025年6月26日まだ読んでる図書館で借りたアメリカは戦争で労働市場から男性がいなくなった時に女性たちが働いた。 その後、既婚女性の就職の壁が崩れていたというならば、戦後の日本はどうなんだろう。 女性の歴史が知りたい。
- はな@hana-hitsuji052025年6月17日読み始めた図書館で借りた以前職場の上司が『女の人って職歴多い人いるよね』と言った時のモヤモヤと憤りを思い出した。 嫌になった数だけ転職したのは事実の1つかもしれんけど、その理由は知るわけないもんね。 本当に平等な機会と権利があると思ってたからこそのギャップに対する衝撃はあると思う。 社会についてほんとに考え込んでしまう。
- あつこ@atsuko_books2025年5月30日買った本チャンネルで、がっつり後押しされて購入。 訳者である小山内園子さんのお話だけでもグッときた。穏やかで、芯のある語りがとてもよかった。 日本の読者向けに加筆されているらしく、そこも楽しみ。