わたくし率 イン 歯ー、または世界
20件の記録
もん@_mom_n2025年11月6日読み終わった心に残る一節@ 図書館まさに純文学。とにかく力が漲っている。奇妙で独特な文体は難しくて体力が要るけれど、なんとか食らいついて理解したいと思わされる。ラストの勢いも凄まじい。 p.23 ところで言葉というのはすごいわね。これはまえにも云ったけど言葉にすれば象もこんなに小さくなるのやよ。 p.33 子供のころも、道で人とすれ違うようなときも、ああ、あの人が見ているものをあの人の視力を使ってお母さんはぜったいに見ることはできないのだなあ、そのようなことをぼーと考えていると、なにかとてつもなく大きな大きな鉄板のようなものが青空に蓋をするようにゆっくり降りてきて、わけがわからなくなって恐ろしくなって、それでそのままぎゅうと押されてぺらぱらになってしまうような、そんな気持ちになったものです。 p.99 そうや、わたしは、いつもこうやってきたんやった、痛かったり悲しかったりどうしようもないもんがわたしに入ってきたときは、誰にも絶対潰されへん、わたしがどんなに傷つけられてもぜったい傷つけられへん私を入れた、勝手に決めた奥歯の中に、痛みの全部を移動させてぜんぶ閉じこめてきたんやった、わたしは歯が痛くなったことがないのやから、そこに痛みを入れてしまえば、わたしはどっこも痛くなくなる
サカキ@sakaki08252025年9月7日読み終わった美容院で読んだ雑誌で河井優実さんが薦めてて、気になったので帰りに購入。 初っ端から関西弁と標準語が混ざった文章と、歯を主体?としたアプローチで、脳がオーバーヒートしそうになりながら、なんとか読了。 脳内の自問なのか、他者との会話なのかわからない場面も多々。終盤に向けて、どんどんこちらに問いかけられているように感じて、小説の形をした哲学書のようだった。 「わたくし率」という言葉が頭から離れなくなる不思議な感覚。


たま子@tama_co_co2025年8月26日読み終わった「わたしはないよ、この文章には、私がないよ、こんな全部でこんなすごくてこんな絶対であるもんが、一瞬消えることがあったんよ、青木がそうやって教えてくれて、雪国の、初めを読んだらわたしも私もほんまに消えた、ほしたら雪国だけやなかったわ、そんな言葉がほかにもようさん図書館にはようさんあったわ、言葉は一瞬ぜんぶそうで、すうってほんまに消えるねん、すごいなって、思ってん、言葉ってすごいなって思ってん、一瞬、消えても、すぐにもどってきたけど、言葉は、言葉は、ありがとう、自分のそとに、ありがとうな、ありがとう、」p106 『わたくし率〜』でちぎれそうな思いがしてたまらなくて、生むってことが有無ってことが、無いとこに有るようにするってことの怖さがまたやってきて、またこの問いがあこがれとの境で意味めいてきて、でも、無いものは無いのやし、有るようにできるとこにしか有るはないのやから、そんな問いさえも無いよという『感じる専門家 採用試験』のなかの言葉にすこし救われ、さいごの締めくくりにもう一歩、救われる。








@nk@nk_250828-2025年6月20日かつて読んだ読了@nk今や世界的作家となりつつある著者のデビュー小説。たぶんその全てをまだ堪能しきれていないと思うのだが、読み始めて気づかされたのは、町田康と池田晶子。 この2人への若かりし著者なりのオマージュなのだろう。 ここ最近で『屈辱ポンチ』と『14歳からの哲学』を読み、そしてたまたまを本書を読んだという偶然にゾワりとしてしまう。 ─ この形而上が私であって形而下がわたしであるのなら、つまりここ!! この形而中であることのこのわたくし!! ─ このp88のクライマックスにしびれた。


oto@sakana__books2025年5月16日読み終わった満を持しての川上さんデビュー作 え、これがデビュー作?!?! この作品が出た時全作家さん震え上がったのでは… 何をどうしたらこんな作品が生まれるのか、こんな文章が書けるのか、川上さんの頭の中のぞいてみたい… どちらの作品もひたすらにしゃべって考えてしゃべって、止まらない まるでダムが決壊したみたいな勢いのある作品だった 短いのに濃度がとんでもなく濃い。 万人ウケはしないかもしれないけど、すごく面白かった… 奥歯に私を入れて守る「わたし」、その奥歯がなくなってしまったら「私」はどこへ行ってしまうのだろう… そもそもなぜ奥歯に入れて守らなきゃいけなかったのかを考えると、心が痛かった かなり哲学的なテーマなのにあまり抵抗なく読み進められるのは、関西弁で語られるコミカルで独特なテンポ感と鋭い言葉選びがあるからかも とはいえ全て理解するのは難しかったので、何度も何度も読み返して咀嚼しようと思う🦷



あいすま@asuma-konchiwa2025年5月11日気になる今日から歯列矯正を始めました~。 まだ動いてはないんだけど、 歯にずっと何か挟まったような違和感が凄いから、 歯に関する本が読みたい~と探しています。 歯列矯正の苦しみアンソロジーとかないかな……ないか……。











