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@mmccxx
- 2025年8月11日薬指の標本小川洋子,小川洋子(1962-)読み終わった図書館本
- 2025年8月9日まとまらない言葉を生きる荒井裕樹読み終わった再読。 ・戦後80年という節目の年かつ終戦の日が近いこともあり、戦時中の障害者の話にものすごく打ちひしがれてしまった。 “戦時中の障害者たちは、「お国の役に立たない」ということで、ものすごく迫害された。「国家の恥」「米食い虫」なんていう言葉で罵られた。そうした迫害に苦しんだ人たちだからこそ、「障害者を苦しめる戦争反対!」とはならない。むしろ、なれないのだ。迫害されている人は、これ以上迫害されないように、世間の空気を必死に感じ取ろうとする。どういった言動をとればいじめられずに済むか、自分をムチ打つ手をゆるめてもらえるかを必死になって考える。“『第七話 「お国の役」に立たなかった人』P104-105 ・本書中で触れられていた新潮社の杉田水脈氏の件から7年もの月日が経っていたのにも関わらず、直近に高山正之氏のコラムの件があり、会社として何も変わっていないことになんだか本当に愕然としてしまった。 ・しかし、そういう最悪とも呼べることがあっても、差別や「言葉の壊れ」に抗い続けたいと思える本なのがこの本の良い所だよな……と思う。 “障害があろうが、病気があろうが、子供だろうが、ルーツが違っていようが、人には絶対に侵害してはならない一線というものがある。でも、ここ最近、この一線を乱暴に踏み越えたり、立場の弱い人たちの一線の幅を勝手に挟めようとする動きがある。しかもお金があったり、権力があったり、影響力を持っている人たちが、この一線を軽んじてきている。特に文学者として悲しいのは、ずっと文学を支えてきた老舗の出版社でさえ、この一線を軽んじる言葉の片棒を担ぐようになってしまったということだ。こうした言葉が降り積った社会を、次の世代(つまり、いまの子どもたち)に引き継げというのか。それは、どうしたって許せない。ぼくらは絶対に侵害してはいけない一線を守る言葉を、急いで積み上げなければならない。誰かの一線を軽んじる社会は、最終的に、誰の一線も守らないのだから。“『第十話 一線を守る言葉』P144-145
- 2025年8月9日ナイン・ストーリーズJ・D・サリンジャー,柴田元幸読み終わった図書館本・『笑い男』『バナナフィッシュ日和』辺りのアニメや漫画でよく引用されている作品目当てに読んだものの、そこら辺の作品はあんまり合わなかった。 ・逆に目当てじゃない作品の方がとても良かった。好きなのは『ド・ドーミエ=スミスの青の時代』と『テディ』。 “「僕は両親に対してすごく強い親和性を持っているんです。二人とも僕の親なんだし、僕たちはみんなたがいのハーモニーの一部なんだし」とテディは言った。「生きているあいだは二人に楽しい時を過ごして欲しいですね……楽しく過ごすのが好きな人たちですから。でも二人とも、僕とブーパー───って僕の妹ですけど───をそういうふうには愛していません。つまり、僕たちをありのままには愛せないみたいなんです。僕たちを愛するのとほとんど同じくらい、自分たちが僕たちを愛する理由を愛していて、たいていのときはむしろそっちをより愛しているんです。そういう愛し方、あんまりよくないですよね」 “P298『テディ』
- 2025年8月8日差別はたいてい悪意のない人がするキム・ジヘ,尹怡景読み終わった参議院選のことを思い出しつつ読了。 とても良い本だと思う。何度も読み返して自分の血肉にしていきたい。 “差別をめぐる緊張には、「自分が差別する側でなければいいな」という強い欲望、ないし希望が介在している。ほんとうに決断しなければならないのは、それにもかかわらず、世の中に存在する不平等と平等を直視する勇気を持っているかという問題である。差別に敏感にも鈍感にもなりうる自分の位置を自覚し、慣れ親しんだ発言や行動、制度がときに差別になるかもしれないという認識を持って世の中を眺めることができるだろうか。自分の目には見えなかった差別をだれかに指摘されたとき、防御のために否定するのではなく、謙虚な姿勢で相手の話に耳をかたむけ、自己を省みることができるだろうか。“P201
- 2025年8月8日
- 2025年8月4日キッチン吉本ばなな読み終わった
- 2025年8月4日夏至南風 (河出文庫)長野まゆみ読み終わった図書館本
- 2025年7月31日ぼくの死体をよろしくたのむ川上弘美読み終わった図書館本
- 2025年7月30日桜庭一樹短編集桜庭一樹読み終わった図書館本・他桜庭一樹作品のプロトタイプのように感じる作品が多かった。 ・『モコ&猫』がいちばん好き。 “もう、お別れなのだ。殺すこともなく。愛しあうこともなく。ただ、おだやかな好意だけを空気みたいに残して、別れていくのだ。モコ、ぼくのモコ。ぼくは君と愛しあわなかったから、ぶつかりあわなかったから、だからぼくたちの別れは優しい。おだやかだ。君に憎まれても、軽蔑されてもいない。なんとも思われていない。そう思うと胸がざっくり傷ついた。“P.86
- 2025年7月30日レモンタルト長野まゆみ読み終わった図書館本・大昔に読んだ記憶があるのに中身を全く思い出せず再読したものの、なんかぜんぜんよくわからないまま読み切ってしまった。 ・しかし、長野まゆみ作品によく出てくる「同性に好かれやすいちょっとセクシーな男性」みたいな表象はいつ読んでも刺さるな……と思った。
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