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@mmccxx
- 2025年10月29日
詩集 美しいとき若松英輔読み終わった・若松英輔の著作はこれまで『魂にふれる』ぐらいしか読めてなくて、詩集に触れるのは今回が初めてだったのだけれどとても良かった。特に離別を主題としたもの/「わたし」と「私」を意図的に使い分けた作品群が印象に残った。ほかの著作も読みたい。 - 2025年10月28日
読み終わったバンブーという架空の種族を題材にした3つの連作短編集。どれも良かったけど一番好きなのは『ちいさな焦げた顔』。 “ねぇ……。ムスタァ。あの場所で。平和の空、で。さきにいってしまったすべての人と、ぼくらはまた会えるんだよね。ムスタァ。洋治。姉さん。ゆう先生、妻、子、初恋の女の子、ニータ。たくさんの愛すべき人たち。そして、ずっと言えなかった言葉も、そのとききっと伝えられる。謝罪も、愛の言葉も、感謝も、もっと一緒にいたかつたという気持ちも。手遅れなことはなにひとつない。償えない罪もない。また会えるから。(…)年を経たいま、ぼくはそう信じたくなっていた。そうでなければ取り返しがつかなすぎるだろう。失ったものが愛しすぎるだろう。かつても、いまこのときも、ぼくはこうやって失い続けてるから。だから。“P.192-P.193『ちいさな焦げた顔』 - 2025年10月27日
- 2025年10月22日
あなたの人生の物語テッド・チャン,浅倉久志読み終わった図書館本 - 2025年10月22日
現代思想入門千葉雅也読み終わった - 2025年9月24日
6梨読み終わった再読“死後の世界があって、それは私たちに救いをもたらしてくれるんだって隠れ蓑も機能しなくなったら、生きていることは愚か死んでることにもメリットを見いだせなくなるってことじゃないですか。そうなったらもはや、自殺することも生きることもできない。昔々にどこかの誰かが苦し紛れにループからの脱出を提案したのは、そういう経緯からだったんですね。いちおうその人の中では理にかなった提案ではあったのか。/ああ、だから彼は幽霊のまま自殺しようとしたんですか?/そう、そうなんですよ。あいつ、莫迦なことしましたよねえ。単に糞餓鬼のままでいてくれればよかったのに、わざわざもっと事態をこじらせるなんて。“P.67『Five by five』 - 2025年9月24日
信仰村田沙耶香読み終わった図書館本・村田沙耶香作品、久々に読むとやっぱりおもしろい。文体がシンプルなのが作風とかっちり噛み合っていて、よりおもしろさが増してる気がする。 ・良かったのは『書かなかった小説』『最後の展覧会』。 - 2025年9月18日
傷の声齋藤塔子読み終わった図書館本 - 2025年9月9日
九月と七月の姉妹デイジー・ジョンソン,市田泉読み終わった図書館本姉妹の話も良かったけど母親の話がすごく良かった。どういう感じで映画化されてるのか気になるので観にいきたい〜 “家とは肉体であり、自分の体は何よりもまず家であると、彼女は最初からわかっていた。彼女はあの美しい娘たちを宿していたではないか。それにいままでずっと、もっと小さく、もっと重い子供のような憂鬱を宿してきた。興奮と愛と絶望を宿していたし、この〈セトルハウス〉では、ふり払うのが難しいとわかった激しい不安を日々の活力を奪う重い疲労を宿している。“P.98 - 2025年8月29日
月魚カウベルデザイン,三浦しをん読み終わった - 2025年8月11日
薬指の標本小川洋子,小川洋子(1962-)読み終わった図書館本 - 2025年8月9日
まとまらない言葉を生きる荒井裕樹読み終わった再読。 ・戦後80年という節目の年かつ終戦の日が近いこともあり、戦時中の障害者の話にものすごく打ちひしがれてしまった。 “戦時中の障害者たちは、「お国の役に立たない」ということで、ものすごく迫害された。「国家の恥」「米食い虫」なんていう言葉で罵られた。そうした迫害に苦しんだ人たちだからこそ、「障害者を苦しめる戦争反対!」とはならない。むしろ、なれないのだ。迫害されている人は、これ以上迫害されないように、世間の空気を必死に感じ取ろうとする。どういった言動をとればいじめられずに済むか、自分をムチ打つ手をゆるめてもらえるかを必死になって考える。“『第七話 「お国の役」に立たなかった人』P104-105 ・本書中で触れられていた新潮社の杉田水脈氏の件から7年もの月日が経っていたのにも関わらず、直近に高山正之氏のコラムの件があり、会社として何も変わっていないことになんだか本当に愕然としてしまった。 ・しかし、そういう最悪とも呼べることがあっても、差別や「言葉の壊れ」に抗い続けたいと思える本なのがこの本の良い所だよな……と思う。 “障害があろうが、病気があろうが、子供だろうが、ルーツが違っていようが、人には絶対に侵害してはならない一線というものがある。でも、ここ最近、この一線を乱暴に踏み越えたり、立場の弱い人たちの一線の幅を勝手に挟めようとする動きがある。しかもお金があったり、権力があったり、影響力を持っている人たちが、この一線を軽んじてきている。特に文学者として悲しいのは、ずっと文学を支えてきた老舗の出版社でさえ、この一線を軽んじる言葉の片棒を担ぐようになってしまったということだ。こうした言葉が降り積った社会を、次の世代(つまり、いまの子どもたち)に引き継げというのか。それは、どうしたって許せない。ぼくらは絶対に侵害してはいけない一線を守る言葉を、急いで積み上げなければならない。誰かの一線を軽んじる社会は、最終的に、誰の一線も守らないのだから。“『第十話 一線を守る言葉』P144-145 - 2025年8月9日
ナイン・ストーリーズJ・D・サリンジャー,柴田元幸読み終わった図書館本・『笑い男』『バナナフィッシュ日和』辺りのアニメや漫画でよく引用されている作品目当てに読んだものの、そこら辺の作品はあんまり合わなかった。 ・逆に目当てじゃない作品の方がとても良かった。好きなのは『ド・ドーミエ=スミスの青の時代』と『テディ』。 “「僕は両親に対してすごく強い親和性を持っているんです。二人とも僕の親なんだし、僕たちはみんなたがいのハーモニーの一部なんだし」とテディは言った。「生きているあいだは二人に楽しい時を過ごして欲しいですね……楽しく過ごすのが好きな人たちですから。でも二人とも、僕とブーパー───って僕の妹ですけど───をそういうふうには愛していません。つまり、僕たちをありのままには愛せないみたいなんです。僕たちを愛するのとほとんど同じくらい、自分たちが僕たちを愛する理由を愛していて、たいていのときはむしろそっちをより愛しているんです。そういう愛し方、あんまりよくないですよね」 “P298『テディ』 - 2025年8月8日
差別はたいてい悪意のない人がするキム・ジヘ,尹怡景読み終わった参議院選のことを思い出しつつ読了。 とても良い本だと思う。何度も読み返して自分の血肉にしていきたい。 “差別をめぐる緊張には、「自分が差別する側でなければいいな」という強い欲望、ないし希望が介在している。ほんとうに決断しなければならないのは、それにもかかわらず、世の中に存在する不平等と平等を直視する勇気を持っているかという問題である。差別に敏感にも鈍感にもなりうる自分の位置を自覚し、慣れ親しんだ発言や行動、制度がときに差別になるかもしれないという認識を持って世の中を眺めることができるだろうか。自分の目には見えなかった差別をだれかに指摘されたとき、防御のために否定するのではなく、謙虚な姿勢で相手の話に耳をかたむけ、自己を省みることができるだろうか。“P201 - 2025年8月8日
- 2025年8月4日
キッチン吉本ばなな読み終わった - 2025年8月4日
夏至南風 (河出文庫)長野まゆみ読み終わった図書館本 - 2025年7月31日
ぼくの死体をよろしくたのむ川上弘美読み終わった図書館本 - 2025年7月30日
桜庭一樹短編集桜庭一樹読み終わった図書館本・他桜庭一樹作品のプロトタイプのように感じる作品が多かった。 ・『モコ&猫』がいちばん好き。 “もう、お別れなのだ。殺すこともなく。愛しあうこともなく。ただ、おだやかな好意だけを空気みたいに残して、別れていくのだ。モコ、ぼくのモコ。ぼくは君と愛しあわなかったから、ぶつかりあわなかったから、だからぼくたちの別れは優しい。おだやかだ。君に憎まれても、軽蔑されてもいない。なんとも思われていない。そう思うと胸がざっくり傷ついた。“P.86 - 2025年7月30日
レモンタルト長野まゆみ読み終わった図書館本・大昔に読んだ記憶があるのに中身を全く思い出せず再読したものの、なんかぜんぜんよくわからないまま読み切ってしまった。 ・しかし、長野まゆみ作品によく出てくる「同性に好かれやすいちょっとセクシーな男性」みたいな表象はいつ読んでも刺さるな……と思った。
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