カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」

37件の記録
- つばめ@swallow32025年7月5日読み終わったインドカレーにハマった時近くにあるお店全部制覇するぞー!って思って探したら、自分が気づいていなかったお店がたくさんあってびっくりした記憶がある。 韓国や中国のように日本から近い国でもないのに、なぜ全国どこでもインドカレーのお店はあるのかすごく謎だった。 この本はインドカレーが日本に進出し始めた頃から、現在のネパール人中心になっていった流れを教えてくれるだけでなく、働いているネパール人とその家族、故郷についても書いてありかなり深く知ることができ、謎に思っていたことの疑問に答えてくれる内容だった。 両親が忙しいため、子供を呼び寄せても面倒を見ることができず、学校でも言葉の壁で馴染めないという状態や故郷の家族を豊かにするために出稼ぎに日本に来た結果、送金したお金で便利な都市部へ引っ越し、故郷はどんどん過疎化しているという現状がせつなかった。 「便利になること=いいこと」のように思うけど、便利になるためには今まで以上にお金を稼がなければいけなくなる。ささやかながら自給自足で生活していたところから、異国に出稼ぎに行く苦労をしてまでお金を得ることが本当に幸せなのか…とつい考えてしまう。 自分は日本に生まれて物心ついた時から何かが不足していると感じることはほとんどない生活だから、きれいごとにしかならないけど、豊かさを追い求めていっても次から次にキリがないし、それが本当に幸せかどこかで立ち止まる必要はあると思う。 この感覚はインドに行った時に感じたことと似ている。インドの地方で街の人が伝統的な服を着て、道路沿いで楽しそうに踊っているのを見かけて、幸せって西洋化したり、便利なものを手に入れるだけじゃないんだなと思ったことを思い出した。
- 塔海@__colza2025年6月4日読み終わったおもろかった!! インネパカレーのコピペのように全国津々浦々共通の営業体系に迫って、果てはネパールのカレー屋を多く輩出している村まで辿るインネパカレー史。インドではチャパティメインでナンがあまり出てこないのを不思議に思っていたけど、なるほどあれはムガル宮廷料理のコンテクストだったのか……! 面白いルポでした
- まつげ@matsuge_t2025年5月12日読んでる図書館で予約してすごい待ったけど、いつの間にか順が来ていたので借りた。6章あたりを今読んでいて、利用している近所のインドネパールカレー屋さんが本業ブローカーじゃないと良いな…となった。というのもかなり自己中心的で傲慢な感想で、本業レストランの純然たるインドネパールカレー屋さんのお客になれていたとしても、やはり日本で一旗あげたい・働きたいとそれこそブローカーを頼って来るネパールの人のモチベーションにはなってしまうわけで、難しいな。
- 無限の上機嫌!@joukigen2025年4月3日読み終わったいつのまにか日本中にあふれかえっていたネパール人経営のインド料理レストランとはいったい何なのか? という、カレー移民の謎にせまる面白さは当然として、日本におけるインド料理レストランの歴史、ネパール人の参入、本国をはなれて日本で暮らす移民たちの生活、そもそもの出稼ぎをつくりだす本国ネパールの社会構造など、詳細に調査しており、著者本人が取材先のレストランで預かったビデオレターを持参して、孫を日本に送り出した老夫婦が住むネパールの山奥の村をたずねるエピソードには、おもわず感動した。
- roiban@roiban2025年3月23日読み終わったおもしろかった!国外への出稼ぎ労働に依存するネパール経済の構造が日本の「インネパ」系カレー屋の拡大に繋がっている。異国の食として接している「あのメニュー」(甘いナンにカレーはバターチキン、マトン、サグ…)は日本人向けに調整されたもので、ネパール人経営者の安定志向故に模倣が重ねられた。日本への出稼ぎ労働者を多く送り出しているネパール中部バグルンへの取材では、暮らしも産業も空洞化している当地の様子が綴られる。日本の一風景と化したインネパ系カレーからこんな風に移民のリアルが照らし出されるとは。