ハムネット
17件の記録
かおり@6kaorin52025年10月27日読み終わった借りてきた息子、弟、彼女の夫、彼らの父。 場面場面で呼称は違うが、それら言わずと知れた高名な劇作家 シェイクスピアのことだ。 だが、この作品にその名前は一切出て来ない。 息子、弟、彼女の夫、彼らの父、でしかない。 なぜなら、これは彼ではなく 彼の妻である アグネスの物語だからだ。 史実を大胆に再解釈し、悪妻のイメージ強いアグネスの視点で描かれる家族の愛と絆、息子を失った悲しみ。 ひとつの家族の 壮大なるフィクションだ。 スナップショットというか、スケッチというか。カシャッカシャッと場面が目の前にテンポよく映し出されるような無駄のない、読みやすい筆致で、どんどん読めた。読んだ。 ハムネットの死は辛くかなしいことではあるけれど、私はいつも一家の物語の影で弟の死や 父の不在、母の存在自体に翻弄されつつも耐え、優しく強く生きるスザンナに惹かれた。 ・ 「おれは死ぬ、おまえは生きろ。…つらいこの世を生きて、俺の話を語り伝えてくれ。 『ハムレット』第五幕第二場」 どんな解釈にせよ『ハムレット』が後世に遺ったということだけは紛れもない事実だ。 ハムネットの魂は父 シェイクスピアと母アグネスの喪失と悲しみの葛藤によって 語り継がれているのだと思う。 『ハムレット』を読まなくては。 イギリスで女性小説賞受賞作。





群青@mikanyama2025年8月12日気になる年末に米国で映画が公開されるそうな。その原作。ハムネットはウィリアム・シェイクスピアの息子(11歳で夭折)の名前。悪名高きアン・ハサウェイ(シェイクスピアの奥さん)は、本当にそんな悪女だったの?という疑問から着想を得た話らしい。
kasa@tool2025年3月8日かつて読んだシェイクスピアと妻の生い立ちの過去と、子供の病気になった現在とで交互に物語はすすむ。 家族の愛、怒りや悲しみ、人間関係と共にイギリスの郊外の暮らしとか、動植物の繊細な表現が差し込まれていて、終盤のロンドンの描写はまさしく臭いや雑踏の雰囲気が目に浮かんだ 好きなシーン↓ 「朝食の食卓で、一家が丸パンを手に取ると、いつもより柔らかくて平たくて艶がある。バターは渦巻きのような形になっている。パンを割ると、タイムの、マージョラムの香りがぷんとたちのぼる。」


















