失われたスクラップブック (ルリユール叢書)

52件の記録
本屋lighthouse@books-lighthouse2026年1月9日読み終わった語り手がひとりではない、という形式がもつ力、あるいは希望、のようなものを感じた。一風変わった形式であることが話題として先行してしまうけども、おそらく私たちの「生」にとってとても大切なことをやろうとしている物語なのではないか。









本屋lighthouse@books-lighthouse2026年1月5日読んでるそれでも何かが意味を持つ可能性が残されているかのようにひたすら仕事を続ける――それを望む者のために大事な思考を生み出し続ける――いつかそれを見つける能力を持った者のために――というのも、チョムスキーはそれが正しいことだ、誰かがしなければならないことだと知っているから――ひたすら辛抱し、続けること――正しいこと、正義がいつかは認められるというかすかな、そして恐ろしく時代遅れの希望にかけて――(p.326)









本屋lighthouse@books-lighthouse2026年1月2日読んでる自分の言葉や感情はすべて他人の借り物だ、という話を語り手はしていて、「私がとりわけ望むのは、自分独自の苦しみ方を見つけること、悲しみの中で自分の表現を見つけること だから私はそれを自分のプロジェクトと定める」(p.214)とするのだけど、しかしこの「私」「私自身」などの言葉こそ断定がすぎるからよろしくない、「彼」を使うほうがいいと言って文章を紡ぎはじめる、すると彼は目を覚ます。そして彼は






カランコエ@forget_me_better2025年12月31日読んでる日常から離れて、どこか遠くへ行きたいという衝動に応えつづけるテクストだと感じている。「私は自分の物語を破壊して、ついに自由になれる」という背表紙のひとことからすでに。 まだはじめの100ページくらいだが、総じて(大きく総じて)、休日の雑踏のなかでときおり感じる「私はいま誰でもない」という安心に似ている。 「空が海を飲み込むこの場所で、私はよろよろと時間の縫い目に向かう そこはたどり着けない場所なのだと分かるところまで、私に近寄らせてほしい」。
本屋lighthouse@books-lighthouse2025年12月30日12月30日といえば東京マラソン旧コースをぜんぶ歩く日で、だから朝6時に家を出て電車に乗って、新宿都庁前を目指している。この都庁前へ行く電車のなかでその年の最後の本を、しかし厚い本を選ぶからそのまま年を越して1冊目の読書となる本になるのだけど、今回はエヴァン・ダーラの『失われたスクラップブック』(木原善彦 訳/幻戯書房)だった。 すでにこの本は丹渡さんによって代わりに読まれているのだけど、だからこそ2025年を象徴する1冊のように思えるし、一昨日の最終営業日にお客さんと別の本の話をしているときに幻戯書房のサイトをひらき、本書の3刷が年初に出来するというバナーを目にして、もうそこからは完全にこの本だった。 電車に乗ると、文庫本片手に奇跡のようなバランスで固まりながら寝ているおじいちゃん、朝帰りですという空気を出し惜しみなく振り撒きながらやはり同様に奇跡のようなバランスで互いに寄りかかりつつ爆睡しているカップルなどがいる。どうも「断片」と「統合」をテーマにしているような気がするエピグラフと冒頭に、ウルフの各作品、『ダロウェイ夫人』であったり『幕間』であったりを想起している。あるいは、「警官に呼び止められたことは一度もない サイレンを鳴らされたり、尋問のために署に連行されたり、身分証をチェックされたり、保安装備を身に着けたいかつい男からさりげなく鋭い目を向けられたりしたことは一度もない 彼らのせいで僕が自らの軌道を変更したこともない」(p.012)と自分の不可視性を語る主人公は、無徴性を付与されたマジョリティとして読むことができるのかもしれない。









中原メロス@56565656t2025年10月5日読み終わった語り手が次々と切り替わり、それぞれの会話と内的独白が繰り広げられる。何の繋がりもないような内容バラバラの小話がいくつも続くが、最後にはとあるテーマに行き着き、多数の声がひとつにまとまってゆく。その瞬間はまるでラヴェルのボレロを聴いているよう。 最初は読み切れるか不安だったけど、語り手の切り替わりや文章がものすごく滑らかで、全体的に流れるように読めた。なんなら最後の200ページは一気読みするほど目が(?)止まらなかった。 訳文だと一人称が「僕」「俺」「私」といった形で分けて表現されているけど、原文だと全部「I(アイ)」なのだろうか…。この一人称の使い分けのおかげで語り手の切り替わりに気付けた部分が私は多かったので、1つに統一されていたと思うとぞっとする。翻訳大賞を受賞されたのも、ここのポイントが考慮されてたりするのかな。 それと自分は意外と、環境問題を扱った小説が好きかもしれないという気付きがありました。 この本は、オールタイムベストに入るかもしれないです。



読谷 文@fumi_yomitani2025年5月24日読み終わった第11回日本翻訳大賞 受賞作。 読了した方々の感想の熱量がとにかくすごくて、いわく、400ページ位まで頑張って読めば、仕掛けが明らかになりめくるめく読書体験が待っていると。 そんな読書体験を私もしてみたい!と読み始め、途中でその仕掛けのネタバレをうっかり見てしまい地団駄を踏むが、気を取り直して読み続けると、果たして…… とりとめのない話が延々続く。この「とりとめのなさ」を抱えながら読み続けられるかどうかが肝だと思う。電波の受信がどうとか、特殊相対性理論がどうだとか、よくわからない所はバンバン読み飛ばす、でないと先に進めないから。決して一言一句理解しようとしてはいけない。(著者/訳者には申し訳ないけれど) これらの話たちを短編集みたいで好きだと言う人もいれば、興が乗ってきたところでサッと違う話になって不完全燃焼を感じる、と言う人もおり、自分は後者だった。いやこの量でこの内容で、絶対みんな読むのに苦労してるよねと思う。 そしてついに核心のラスト150ページからの畳み掛けてくる展開もすごいが、実質最後の7ページを書きたい(読ませたい)がために、あんなに長大な前半を著者は書いてきたのかと思うと、気が遠くなった。「めくるめく読書体験」確かに看板に偽りなしだった。






阿久津隆@akttkc2025年5月20日気になる@ 東京堂書店 神田神保町店少し時間を潰すために入って新刊の島のところを見ていたら幻戯書房のこのシリーズが3つ並んでいて、訳者の名前に「木原善彦」とあったので手が伸びた。正体はリチャード・パワーズなのではと噂された謎の作家とのこと。 帯に引かれた「空が海を飲み込むこの場所で、私はよろよろと時間の縫い目に向かう そこはたどり着けない場所なのだと分かるところまで、私に近寄らせてほしい このゆっくりとした落下、私の進歩は、消失と透明性 ―不透過性の透明性― に到達するための運動なのだと言ってほしい」という文章にもぐっとくる。とっても気になる。と思いつつまだ買わなかったが次見たら買っちゃいそう。








読谷 文@fumi_yomitani2025年4月28日読み始めた第11回日本翻訳大賞受賞おめでとうございます!拍手〜〜 (*´∀`ノノ"☆パチパチ☆゚・:*。+.♪ ということで、まとまった時間の取れる時に……と楽しみに積んでいたこちらを、勢いに乗って読み始めることにしました。 2段組本文約550ページの鈍器、どれだけ手強いのか……?とおののきつつも、今のところ、ふむふむという感じで、いい感じに読めております。
yuna-yuna@yunaminxxxtvxq2025年4月22日気になるアトロクで柴田元幸さんが紹介しているのを聞いて気になって。けどAmazonで値段見てビックリ。思わず二度見しちゃったし、本当に定価なのか出版社のサイトに確認しに行っちゃった。










































