ほんとうの会議 ネガティブ・ケイパビリティ実践法

39件の記録
- torajiro@torajiro2025年7月11日読み終わった@ 自宅日本でネガティブ・ケイパビリティを広めた帚木蓬生さんによる新書。依存症の当事者グループ(ギャンブラーズアノニマス)や、福祉現場におけるオープン・ダイアローグなどのありようにネガティブ・ケイパビリティの実践を読み取る。「答えは質問の不幸である」というネガティブ・ケイパビリティの態度(個人的にはケイパビリティというより視点や態度と認識している)の重要性は強く共感する。そして紹介される現場におけるネガティブ・ケイパビリティ的な対話を「ほんとうの会議」ということも、企業等の多くの組織における会議がそれとは程遠いものであることもまったくその通りであると思う。ただ、(著者がつけたのではないと推測するが)副題に「実践法」と付けてしまうと期待と内容のズレがどうしても出てしまう。実践というからには、不祥事を起こした企業や旧日本軍での会議を推測でダメ出しするだけでなく、多くの読者が現在所属している組織における会議をどうすればいいのか、なにかしらの「ポジティブ」なヒントを得たいという人も多いだろう。この点では枝廣さんの本の方が引き続き良い。また、著者の専門や関心から文学や芸術家たちのことに多くの紙幅が割かれるのも、個人的には関心があるから良いのだが、「実践法」というタイトルとのギャップは感じてしまう。「ほんとうの」「実践法」と総じてタイトルが別のものであった方が素直に楽しめたかな、という印象。
- 鷹緒@takao_tanka2025年5月24日ちょっと開いたネガティブ・ケイパビリティとオープンダイアローグ。 どちらも現代人のメンタルを救いうる概念だとは理解しているけど、会議や仕事のミーティングにそれを取り入れられるのか…? 会議ぞ? 問題や課題を解決するための場ぞ?? 依存症患者の自助グループで行われるミーティングとはかなり様相が異なるのでは…? 「はじめに」だけだとこんな感じの疑問がふつふつ湧いてくる。 本編を読めば理解できるようになるのかな〜 ※Podcast「聴く講談社現代新書」にて冒頭のみ試聴
- サイトウケイ@saitokei_142025年4月26日読み終わった読了後主観的満足感 ★★★☆☆☆ 2.5/5点 ビジネス的な本ではないが…。 ネガティブ・ケイパビリティ大事。これからの人生豊かにする。
- オケタニ@oketani8872025年3月29日読んでる読み終わった・伊藤亜紗氏がちゃぶ台で連載している会議の研究が面白くて、言語化だのハラスメント対策だの流行している言葉の運用に関して論を形成する会議論みたいなものがずっと頭にあった。 ・先に誰かやらないで欲しいと思いつつ、本書を知っておっかなびっくり読み始めたわけだが、 これは労働者の会議というよりは、依存症の人たちのオープンダイアローグが導入にあった。 ・オープンダイアローグはケア的な文脈で近年よく目にするし、文芸誌でアルコール依存症をテーマにした創作もあった。とはいえ本書は会議×ネガティブケイパビリティのよう。 ・3章「悪を生む会議と人を成長させるミーティング」に入り、興味の鮮度が落ちる。 ・腐敗した現代の会議を炙り出す意気込みはあれど、宝塚イジメやビックモーターなど企業不祥事は議事録があるわけではないので、隠蔽体質はしっかりした会議をしていないから、という無理を感じる。 戦時中の作戦会議は資料があるが、これは遡りすぎ。 生成AIは会議の質を変えられるか、という項目もくるが、まずAIが学んでおくべきなのは正義と良心、そして倫理人権でしょう、とざっくりした推測を出ない。 ・ネガティブケイパビリティを経由して、 会議は、論争(ディベート)の側面ばかり注視してはいけない、というまとめ。 言いっぱなし聞きっぱなしのオープンダイアローグ的なものとの対比関係はよくわかるが ・求めていた「労働者の会議」ではなかった。 何かしらの同意形成という目的があり、出席している時点である種の"説得力カード"を配られた人たちが会話するミーティングについて、引き続き考える。