あなたのことが知りたくて

50件の記録
- こつ子@kotsuko122025年6月23日読み始めた帰省先に本をもってきていなかったので購入。母の蔵書の村上春樹と河合隼雄の対談集で、結婚とは井戸掘りだと書かれていた。わかりたい、その気持ちは深層の人間性を暴く、ではなくて掘り起こした土が湿っているとか思ったよりも温かく、あなたを作り上げた思い出に興味をもつ、とかだといいなと思った。
- うえの@uen02025年5月10日読み終わった知ろうとすることを諦めずにいたい。と同時に、緩慢な加害者になりうる可能性を忘れずにいたい。 印象に残った言葉---------- 《韓国人の女の子》 いつからか、誰かの「正しさ」のために戦おうと思う時、「正しいこと」をなぞろうとする時、「正しいこと」を話している時、体のどこかが軋むようになった。簡単な場所ではなかった。私も触ったことがない、どこか分からない場所だった。自分自身でも気づかないほどの、疼きと言っていいほどの動きだった。いっそ、強い痛みを伴ってくれたらいいのに、それにはわずかな痛みすらなかったから、私はそれを無視した。 __________ 《ゲンちゃんのこと》 黙ってたら私じゃなくなるっしょ 私は膨らみ続ける胸を小さく見せようと、背中を丸め、猫背になることにした。 小学生の時、すね毛が濃く生えてきた男子をからかう声を何度も聞いたけど、今は逆で、すね毛が生えていない男子の方が目立ってしまう。私は胸が膨らんできて触られ、前は力で勝っていた相手に勝てなくなり、かつて友達だった子は、遺書も書かずに飛び降りてしまった。これが大人になるということなら、私は大人になりたくないと思った。 「結構知られた噂だったけど、ま、人それぞれに知るタイミングも認知の方向も速度も違うからね。ゲンのお母さんがあの日、僕らにわざわざキムチと冷麺を食わせた理由がわかる?はじめて家に来た、つまりゲンのバックボーンに踏み入ったホリカワさんや俺がどんな反応をするか、ちゃんと見たかったんだ、たぶんね」 「お母さんは息子を守りたかったんだと思う。俺やホリカワさんが変な顔したり、嫌がったりしたら、家から追い出そうとしただろうしな」 ぼーちゃんに言われても、まだわからない。ただひとつわかるのは、この違いを嫌悪して振るわれる暴力が、学校にも、私の家族の中にさえあり、ゲンちゃんと家族はそれと闘っているのだ。ずっと。それなのに私は無邪気すぎて、こうやって教えてもらうまで気づくことさえできなかった。 _________ 《名前を忘れた人のこと》 日本だとか韓国に限らず、世界中のそれぞれの国に、同じような痛々しい罵倒の言葉があるのだろう。詳しくわからないからこそ、不用意に口にしてはいけないという予感だけまとう表現は、あらゆる文化の中にひっそりうずくまっている。ひとつの旅ごと、映画ごと、本を読むごとに、私たちはそれらについて自然に、注意深くなっていくのかもしれなかった。それぞれの言葉には、痛みの伴う悲しい文化があるのだろうと思え、悲しみごとすべて引き受けてその痛々しい言葉を口にすることが、よそから来た人間にはどう考えてもできそうになかったし、とはいえその言葉を、文化のなかでないものとして扱ってはいけないようにも思えた。 知らないでいようとすることが、表面上は無実に思える弱さと無知と、わずかのやさしさで成り立っていたとしても、この先そんな気持ちを抱えたままであれば、私はいったいどうなってしまうのか。今はもちろん、この先もずっと恐ろしいままだ。 ________ 《解説》 「わかる」という言葉について考えてみる。 例えば相手の話のなかに自分と似たものを見出したとき。あるいは単に共感を示したいとき。そうやって「私たち」の連帯を強調したいとき。すくなくとも私自身は頻繁に——多分に鈍感に、無知ゆえの無神経から、その言葉を口にしてきたように思う。 けれど「私たち」とは本来、ひとりひとりが個別に存在する無数の「私」たちのことだ。 「あなた」と「私」。それぞれの輪郭をまず確かめてみせなければ、両者が同じ場所に在ることぱできない。 82年生まれ、キム・ジヨン 映画版韓国のキャッチコピー「誰もが知っているが、誰も知らなかった あなたと私の話」 「私たち」という枠に収まりきらないもの。「あなた」と「私」を分つことではじめて見えてくるもの。 互いの言葉がもたらす隔たりを確かめあうことで、「あなた」と「私」は何度でも出会い直すことができる。その営みの繰り返しの果てに、「連帯」という言葉ははじめて力を持つのだ。
- 北村有(きたむらゆう)@yuu_uu_2025年3月18日読んでる「デウス・エクス・マキナ」っていう短編がすごすぎる、クレイジーすぎる……小学生のときとかに読んでたらトラウマでしばらく引きずるレベルだ
- いぬ@inu_02272025年3月16日読み終わった無知が故の優しさもあるけど、知ろうとするそのことが連帯だなと思ったし、そういう自分で居たいと思った。シスターフッドからジェンダー論的な作品、別れや出会い、国籍やルーツに関する話などいろんな視点での短編で好きでした。
- 北村有(きたむらゆう)@yuu_uu_2025年3月13日読んでる@ ライトアップコーヒー 吉祥寺店海外文学の翻訳文に慣れたい〜〜読めるようになりたい〜〜といつも思ってるんだけど、どうしても肌に合わない!どうしたらいいんだ! 村上春樹の翻訳文がいちばん肌に合う。村上春樹の作品は肌に合わないのに。
- momoka oba@momoka2025年3月6日かつて読んだフェミニズムがテーマの短篇集。最初のチョ・ナムジュ『離婚の妖精』がかなり印象に残ってる。結婚の予定もないけれど、シングルマザー同士の同居って謎に憧れてしまう。