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村雨菊
村雨菊
@carameltomato
哲学科出身。子供への読み聞かせをきっかけに児童文学にはまっています。源実朝が好きなので、和歌や詩にも挑戦中。歴史小説も読みます。お勧めされたものは、とりあえず読む!
  • 2026年5月27日
    夢のつづき
    夢のつづき
    美容室の本好きなお姉さんのお勧めで読んだ。 詩人と聞いてイメージしていたより業界人の香りが強かったけど、 スペイン、カタルーニャにある小さな美しい村や、イビザ島に心を飛ばして、かつてその地に暮らしていた人々の気配や、作者の思い出に触れる時間は癒しだった。 円覚寺の境内で読んで、スペインとは全然違うけど、歴史や文化のあるこの地での生活を大切にしたいなと思えた。
    夢のつづき
  • 2026年5月25日
    オリエント急行殺人事件
    オリエント急行殺人事件
    第二部の証言までは、堅牢な建築の中で迷い込んでいるような、スッキリしない、堅苦しい気持ちだったのだけど、第三部でポアロの推理が始まると、あっという間に引き込まれてしまう。謎が解けて、物語が見えてくる爽快感、盛り上がりがすごい。 映画を観たことがあったのだけど、小説の方が、ポアロと共に、一つの劇を観覧していたんだなという印象が強いのが面白い。
  • 2026年5月20日
    春になったら莓を摘みに
    異国の地で異邦人として、ルーツや信仰が違う人たちと、静かに、誠実に向き合っていくことで、この世界で他者と共に生きるということを真剣に問い続ける著者の姿が胸を打つ。 大好きな須賀敦子さんを思い出して、梨木香歩さんに強く惹かれる自分に納得が言った。
  • 2026年5月18日
    キッチン常夜灯(1)
    登場人物たちの設定、台詞やストーリーの展開がやや都合良すぎるように感じてしまい、苦手なタイプの小説だったのだけど、読んでいてめちゃくちゃお腹がグーグーなったこと、ビストロに行きたくなったことは白状したい。
  • 2026年5月16日
    BUTTER
    BUTTER
    犯罪や女性の生きづらさがテーマかと思っていたけど、「自分も大切にしながら、いかに他者と共に生きていくか」という普遍的な問いが本質であるように感じた。 それを「自分に何を食べさせるのか、他者に食事を作ることとは」といった食に絡めて展開しているのが面白い。
  • 2026年5月13日
    村田エフェンディ滞土録
    分からない何かを分からないままに受け入れる綿貫と、どこか似たところのある村田は、『家守奇譚』姉妹編の主人公にピッタリ。核となる部分は同じでも、舞台を移すことで、こんなにも眩しい青春文学になるのかと感動した。とはいえ『家守奇譚』と重なる部分はやはり興奮する。 明晰な論理性だけで成り立つ世界を見て、あとの膨大な闇をなかったことにしてしまうスタンスを「あまりにも幼稚」だと言ってのける女性がかっこ良かった。 歴史を、物に籠る気配や思いの集積とする考え、素敵だな。
  • 2026年5月10日
    たのしいムーミン一家 [新版]
    たのしいムーミン一家 [新版]
    淡々とした語り口で、ゆったりした空気がずっと流れているので、読むのにも時間がかかる。けど心が震えるように美しい瞬間とか、登場人物たちにとっては真剣な喜怒哀楽が静かに語られていて、そうしたものにそっと心を寄せていくことで、段々と癒されていく。
  • 2026年5月3日
    僕には鳥の言葉がわかる
    話題の本が家にあったので読んでみた。関心のあるものにとことん向き合い、探求し、新しい発見を適切なかたちで伝え、伝わった人たちの世界を変えるという、優れた研究の雛型を見せられているようだった。
  • 2026年5月2日
    宗教としてのショーペンハウアー哲学―無神論の中のキリスト教―
    無神論的、仏教的といった従来のショーペンハウアー像を克服するために、最新の資料から古い文献までとにかく膨大な参考文献に当たっていて、圧巻。 所与の経験(自己意識)から、あくまでも分析的に「意志それ自体」へと上昇していくといった最近の学術的ショーペンハウアー解釈を維持しつつも、多くの読者に分かりやすく伝えるための比喩的表現として、「根源的なものから派生的なものへ」といった下降的な世界の描出法が採用されていることにも光を当てていく。 そうすることで、本来の彩り豊かなショーペンハウアー像が復活して、研究者と一般の読者との橋渡しにもなるといった著者の目論みが胸熱でした。
  • 2026年5月1日
    西の魔女が死んだ
    梨木さんの作品は、『家守奇譚』シリーズしか読んだことがなかったので、中学生女子の瑞々しい感性を通して描かれる物語もあるんだと驚いた。 それでも、自然や植物、自分を取り巻く世界から、目には見えない大切なものを受け取るというテーマには共通するところがあるかも。そういったことが、「魔女になるためのレッスン」という仕方で、祖母から孫に伝えられるという物語の枠組みがとっても素敵。
  • 2026年4月24日
    冬虫夏草 (新潮文庫)
    続編も良すぎて、噛み締めるように読んだ。 一章読むごとに、美しい詩を読んだような静かな喜びが広がる。 出会ったものをそのまま受け入れる綿貫の優しさが、もはや癒し。住んでいる世界にあわせて自分を変容させながら、自分の生を実現していく。所詮、世界も自分も一つなのだというテーマが面白い。
  • 2026年4月20日
    楽園のカンヴァス
    実際に存在した画家や作品を元に、かなり大胆な物語(フィクション)を創作するんだなと驚いた。作者は、登場人物たちと同じように、絵画を通して画家たちと友人になってしまうような想像力の持ち主なのだろうな。 巧みなストーリー構成に乗せられて夢中で読んでしまって、ちょっとダン・ブラウンを思い出す。 爽やかな夏のバーゼルで、ライン川を眺めながら、リースリングワインを飲む気持ちが味わえただけで幸せな読書だった。
  • 2026年4月18日
    ダンシング玉入れ
    夫のアツい勧めで読んだ。お約束すぎるギャグ展開に、ニヤニヤが止まらない。なんだけどエリザベートがでてくるように、愛と死というテーマが程よく作品全体の雰囲気を引き締めてくれているように感じた。面白い!
  • 2026年4月17日
    帰ってきたメアリー・ポピンズ
    帰ってきたメアリー・ポピンズ
    メアリー・ポピンズは子どもにちっとも媚びないし、それどころか威圧的でさえあるけど、子どもが本当に心から必要としているものを与えてくれる。ただの続きというより、一巻と対になっているような構成も面白い。
  • 2026年4月15日
    エチカ(倫理学)下(スピノザ)
    エチカ(倫理学)下(スピノザ)
    やはり上巻を乗り越えると下巻は読みやすい。 けど、人が彼岸に到達し得るんだという下巻での主張を、幾何学的証明によって基礎付けようとしている厄介な上巻こそが『エチカ』の魅力なのかも。 こんだけ必死に証明してきて、最後は「たしかに、すべて高貴なものは稀であるとともに困難である」で終わるのに笑ってしまった。
  • 2026年4月13日
    エチカ(倫理学)上(スピノザ)
    エチカ(倫理学)上(スピノザ)
    前提部分にあたる上巻を、何とか通読した。 定義、公理、定理、証明といった幾何学的な叙述に段々と慣れてきて、「つまりはこれが言いたかったのか」と分かる瞬間もあった。 途中で心を折らずに頑張ったので、本論になる下巻が少しでも楽しめると良いな。
  • 2026年4月6日
    虚空の旅人
    虚空の旅人
    人間の欲望や陰謀が張り巡らされた現実世界が徹底的に描かれているからこそ、チャグムたちと共に垣間見る恐ろしくも美しい精霊の世界に引き込まれる。それでもまた現実世界に戻っていく人間のあり方を物語と共に読者も体験している。 バルサに代わって少年チャグムが主人公になっているから、未来志向で爽やかなところがあって、子どもたちには親しみやすいのかもしれない。
  • 2026年3月30日
    魔女の宅急便 その6
    魔女の宅急便 その6
    ついに読み終わってしまった。 色々ふっとばして、子どもたちが既に思春期のところから始まって驚いた。けど、モヤモヤを抱えながらも自分探しを始める子どもたちを通して、キキのこれまでを振り返り、まとめるという綺麗な最終巻だった。ジジがかっこよすぎる。 誰にでも魔法はあるんだよというメッセージを伝えてくれるトト君の存在が、すごく愛しく感じた。
  • 2026年3月28日
    歩くという哲学
    歩くという哲学
    歩くということについて、多角的に語られているエッセイなのだけど、「遅さを愉しむ」「自分を空いた状態にして、世界に対して開かれる」といった大切なテーマが、根底に流れているように感じた。 「いかにして充足した時間を過ごすか」という観点から見ると、『モモ』にも通じるものがあって好きだった。けど「時間が(…)ゆるやかに引き伸ばされる時には、空間にも深さが宿る」とあるように、時間だけにはおさまらないところが、この作品の面白さだと思う。
  • 2026年3月23日
    海底二万里 上 改版
    海底二万里 上 改版
    『遠い水平線』を翻訳した須賀敦子さんが、後書きでこの作品を引き合いに出していたので読んだ。 一体何を読まされているんだ?と戸惑いつつも、何だかんだで海底冒険に魅せられてしまうのは、まさに主人公と同じ心境。何とも不思議な読書体験だった。 海底の世界は、陸の世界からは隔たれた別世界のように思われる時もある。けど全く逆に、海底の世界を通して、生物、地理、世界史、文化というように、この世界をよく知ることができるようにも感じた。 ネモ船長は「もうふつうの人間ではなく、水の人、海の精」とも言われていたけど、彼の心が「地上とのつながりを断ち切ろうとする魂のすすりなき」をともなっている限り、やはり彼岸と此岸の中間にいる存在なのだろう。 読むのに時間かかるし、分からない用語も多くて、苦痛な部分も少なからずあったのに、別の翻訳でも読んでみたくなっている不思議。
    海底二万里 上 改版
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