働くということ 「能力主義」を超えて

109件の記録
- r@teihakutou2025年9月6日読み終わった主張がはっきりしていて、でも問いが開かれて終わっていて、ラフな語り口も読みやすかった。磯野真穂さんの名前が出てきて、わたしがこの人のこと気になるのも納得だった。 p.103 いずれにせよ、万物は流転する中で、職場でいきいきといられるならば、それは誠に幸運なこと。無味乾燥に聞こえるかもしれませんが、それ以上でも以下でもありません。なぜなら、私たちのパフォーマンスを左右しているのは自分の能力だけによらないからです。言動の「癖」や「傾向」は個人個人で違いがあります。その「持ち味」同士が周りの人の味わいや、要求されている仕事内容とうまく噛み合ったときが「活躍」であり、「優秀」と称される状態なのではないでしょうか。 p.183 「優秀」な人を「選ぶ」のでも、「優秀」な営業に「育てる」のでもない。一元的な「正攻法を捨て、どんな人材にも拙速に良し悪しをつけることなく、他者と組み合わせながら適切な職務に相対させる。「選ぶ」のは他人のことではなく、自分自身の気持ちを俯瞰しながら、落ち着いて自己のモードこそを「選ぶ」のだ。それは、仕事がうまくいっていないとされる側にとっても同じことだ。「自分なんか営業に向かないな。もうやだな」と思うは易し、「ここまでならやれそうだ、これだけは本当にしんどい」など、今一度言話化して自己のモードを捉え、選択の余地を探ることに努めたい。無論、管理職側がそれに耳を傾けてあげることが大大大前提だが。 p.214 相手の口を塞がないこと──これが、意外に思う方もいるでしょうが、社会構成員を養成すると謳う者(=教育)が担うべき基本所作であると思うのです。企業で言えば、「心理的安全性」と呼ばれるものでしょうし、学校教育では昨今「安全基地」ということばで表現されていることに近いと思います。まずここにいていいんだな、と思わないで、何を学べましょうか。挑戦できましょうか。
- amy@note_15812025年8月31日読み終わった感想私は労働というものが死ぬほど嫌いだ。できることなら本を読み、映画を観て、Podcastを聴き、散歩をして、おいしいものを食べて暮らしていたい。読みたい本、観たい映画、聴きたい番組、歩きたい道、食べたいものが多すぎて、労働なんてしている暇はない。労働をしている理由はただ一つ、自分の尊厳を削られない範囲で金を得るため。それだけである。 それなのに最近「リスキリング」なんて気持ち悪い言葉をよく耳にする。自己研鑽をして市場価値の高い人間になれ、という話らしいが冗談じゃない。私は労働に自己実現を求めていないし、人生を労働に捧げるなんてまっぴらごめんだ。リスキリングなんてクソくらえ、と思っている。 そもそも、なぜ能力を磨かなければならないのか。なぜ社会にとって有用であることを証明し続けなければならないのか。そしてその「有用さ」が、自分にとってはまったく価値を感じられないのはなぜなのか――ずっと疑問に思っていた。そんな折に出会ったのがこの本だった。タイトルにある「能力主義」という言葉も、この本で初めて知った。 本書は、能力主義がいかに一面的な尺度であり、多くを見落としているかを示している。そもそも「優秀な人」とは何をもって優秀とされるのか。組織づくりの実践や能力主義からの解放の試み、さらには「働くとは何か」まで、丁寧に解きほぐし説明してくれる。また、「能力主義を批判するなら医師や弁護士はどうなのか」といった疑問にも応えている。 人は複雑で多様だ。一元的な視点で評価するのではなく、それぞれの持つ特徴を持ち寄り、組み合わせていく方向に向かえばいい。そうなれば「自分の能力を発揮したいのに機会に恵まれない」とか「もっと気持ちよく働きたい」と思っている人の気が、ずっと楽になるのではないか。私はそちらのほうが断然いい。
- 毎分毎秒@maimmais2025年7月5日努力能力主義キャリアp.21 娘 生きるために生まれてきたのに、こんなに生きづらいのが当たり前って、何か変。 息子 まあでもさ、生きづらくないように努力すればいい。それしかないよ。 娘 努力すれば生きやすくなるの?生きづらいのは私の努力が足りないからなの?
- ちょこれーと*@5_ogd2025年6月7日気になる昨日友だちからとんでもパワハラ上司の話を聞いて、そもそも苦しい思いしてまで何のために働くんだ…?とかいう話になったからすごく気になる。こちらの本の主旨とはちょっとずれているのかもしれないけど。 最近勅使川原真衣さんの御本がよく目に入るので、いい加減どれかしら手をつけたい。
- あんこちゃん@anko2025年6月7日読み終わった借りてきた全てに納得・理解できたわけではないけれど、勅使川原さんの著書は気づきが相当に多い。 こういった問答を本当は周囲の人たちとしたいけれど、立場が違うし…と思って悶々としていたものがだいぶ軽くなった。
- はやしえりか@uma_no_332025年6月7日読み終わったひとりでは仕事はできない。よく考えるとそう。 だけど、働くに付随する問題を、個人の問題にしていることが多くないか? そんな個人の「できる・できない」という能力主義を超えた働き方を提案する本著。 働くって何だろうとか、自分の能力が低いことに悩んだり、はたまたチームで働くことの難しさにぶつかってる人には刺さるものがあると思う。
- にわか読書家@niwakadokushoka2025年6月4日読み終わった@ 自宅社会福祉学の本からメリトクラシーという言葉を知り、こちらも積読から。 働くことについて語る時に固定視点になっていることに気付き、いったん距離を置いていたのだが、世代も仕事も違うカテゴリーの人から薦められ買っていたもの。 最近のトレンドとは違う角度なのが良かった。
- kbuto@kbuto_mu2025年5月12日読み終わった>間違っても、「あれが足りない」「まだまだ」だなんて、たとえ自分に対してでも言わないでほしいのです。「謙虚」とはそういうものではありません。自分の未熟さを知った上で、凹凸した者同士が互いに、それなりに、「いい味出してるよな!」とハイタッチするような姿が、自己の能力なんかを過信しない「謙虚」さなのだと私は考えます。
- つばめ@swallow32025年4月22日読み終わった仕事で、"面接の中でいかに適性を見極めるか"、"戦力になってもらうためにどう教育していくか"を求められてやらないといけないことだとは思いながらも、モヤモヤしてたことがこの本で分かったような気がする。 なるほどなあとは思いつつ日々の仕事で何ができるか考えると中々能力主義的な考え方から抜け出せず…
- スズキ(ホホホ座西田辺)@hohohoza_nt2025年4月8日読み終わった・怒っている人は困っている人 ・人と人が組み合わさって、助け合うことが生きること ・「選ぶ」ということばは、他者に対してではなく、自分に使ってこそ、「働くということ」を豊かにする ・他者に受け入れてもらった人にしか、他者を受け入れ、新たな視座に立つことなんて、できません ・見たことのない景色を皆で見るために、ただ存在を紡ぎ合う ・他者と「ともに在る」こと。これこそが労働であり、教育であり、社会で生きることだ。
- r@teihakutou2025年3月23日気になる職場での今の立ち位置についてからまだ1年経っておらず、いまだに自分がパワーを持っていることにハッとさせられる。今日もそれで、ああ一体なぜこんなことに……と思う。
- 萌生@moet-17152025年3月16日読みたい「能力主義」という言葉から想像する薄っぺらなことではなく、とても奥深い本なのが、はれのそらしさんの感想で分かった。選ばれることが働くことの第一歩になっていることは、本来的な労働の意味からしてみると確かにおかしな訳で。読んで私もガンガンと衝撃を受けてみたい。
- はれのそらし@murasaki_no_sky2025年3月16日読み終わった@ 自宅理系の学問がこの世の物事を式に表していくことで世の中を便利にしていくことなら、文系の学問は何をしてくれるのか。よく疑問になりますが、文系の学問の多くは「この世に1人ではないこと」を教えてくれる学問だと思います。 個人が抱えている生きづらさ、悩み、それらを考え抜いてきた先人がいたり、今同じ時代に考えて研究している人がいることが、孤独を埋める安心感をくれるのです。 今回、社会教育学というものをこの本から学びました。まさしく私が抱いてきた社会の仕組みそのものを疑う本で、最初に一章を読んだ時、頭をガンガンと叩きつけられるような衝撃でした。 この本は、人を「選ぶ」「選ばれる」という関係に置くことに疑問を提唱するものでした。 大学時代、私は就活をする人を見ていると本当に頭がおかしくなりました。私の友達は選ばれるために産まれてきたのではない。私の友達の良さを何も知らないくせに面接をして「選んでやる」という企業の姿勢に気持ち悪さと吐き気を覚え、この世の理不尽さに鬱々としていました。 あなたがここにいることが何よりも大事だと私に言ってくれた人達が、選び選ばれる立場にいることにどうしようもない違和感と気持ち悪さを感じて、私は就活というものが怖くて仕方なかった。友達ひとりひとりを大切にしてくれる彼女達に選ばれないなんて選択肢があることが怖かった。気味が悪かった。 今もリクルートスーツの集団を見ると怖さを感じます。選ばれた人達も選ばれなかった人達もこの中にはたくさんいて、大企業であればあるほど自分を選ばなかった会社の商品が身近にあることはすごく気持ちが悪いのでは?と想像すると…とてもではありませんが耐えられません。 ですが、今回本を読んで、私だけじゃない、この社会にはびこる、人を「選んでやる」という姿勢に疑問を抱いてきたのは私だけではない。それを知ることができた。本当に出会えてよかった。私は孤独ではなかった。私の抱いた気持ち悪さを生きづらさを疑問に思っている人はいたんだと、安心した。
- はれのそらし@murasaki_no_sky2025年3月5日読んでる@ 自宅少しずつ少しずつ、おもしろくてもったいなくて少しずつ読んでいる 能力という数値化もできないもので人をはかった気になっている社会への疑問はわたしも長年感じてきたのでおもしろい