マッカラーズ短篇集

16件の記録
- ゆらゆら@yuurayurari2025年6月24日読み終わった中編「悲しき酒場の唄」は愛と孤独の話としてぐっときたし、人物や行動がユニークで面白かった。最後はハッピーエンドじゃないのになぜか清々しかった。自分が無価値なのを忘れさせてくれる“酒場”の役割の話わかる…。 収録されてる他7編の短編もどれもよかった。中でも「家庭の事情」が一番好き(苦しさがあるのに…あるからこその…)。あと、「マダム・ジレンスキーとフィンランド国王」(ラストの犬は??)と「渡り者」もよかった。「そういうことなら」は、前に読んだ『結婚式のメンバー』に通じる気がした。 (24.7.4読了)
- ハンク@lardenkaizer2025年6月10日かつて読んだ感想読書日記小説1本目の短編、というか長めの中編はなんというか、かなり独特な読み心地。最後、殴り合いでケリをつけようとした挙句、場外から乱入した従兄弟にもってかれるあたり、もはやヘルタースケルター。これだけページ数を割く話でもない気がした。
- 読み終わったマーヴィン・メイシーを攻撃するためにやろうとしたことが、みんな自分自身にはね返ってきた。自分で仕掛けた罠にひっかかり、なさけない目にあうことがしばしばあった。しかしそれでもマーヴィン・メイシーを家から追い出そうとしなかったのは、ひとりになるのがこわかったからである。一度他人といっしょに住むと、ひとりぼっちになるのが非常な苦痛になる。突然時計の音が止まって、暖炉の火に照らされた部屋がしんと静まり、がらんとうの家のなかで物の影がゆれる──ひとり暮らしの恐ろしさに耐えるくらいなら長年の敵とでも同居するほうがまだましだ。 (「悲しき酒場の唄」, pp.106-107) 「木、岩、雲」, 「家庭の事情」を読んでいるときには、つねにジュンパ・ラヒリの「Interpreter of Maladis」の情景が念頭にあった。それぞれを「Sexy」(「セクシー」), 「A Temporary Matter」(「停電の夜に」)と対応させながら読み進めた。