社会を結びなおす

29件の記録
zelkova@zelkova2026年6月14日読み終わった5/29の国会前でのスピーチでも感じたことだけれど、本田先生にはすべての人が等しく生命、生活、尊厳が守られなければならないという考えが根っこにあるのだと思う。そして、社会は一部の人たちに都合のいいように作らせてはならず、みんなでより良いものを作り上げていくものだから、スピーチでもこの本でも多くの人に参加してほしいと呼びかけているのだろう。そのためにはまずこの社会の成り立ちや問題点を知らなくてはならないから、この本ではわかりやすく説明されている。2014年に書かれたこの本に古さを感じないことに愕然とするけれど、諦めずに、社会をより良くしていく取り組みに私も参加したい。 書かれていることほとんどすべてが興味深かったのだけれど、特に印象に残ったのが教育機関の担うべきこととして「産業界からの要請にうまく〈適応〉できるだけでなく、違法な働き方や不合理で非効率的な仕事の進め方に対してきちんと〈抵抗〉し、是正できるための知識やスキルを身につけさせる責任」をあげていること。教育機関に属している人がこのように考えていることは心強いことだと思った。





はな@hana-hitsuji052026年6月7日読み終わった図書館本図書館で借りたとにかくすぐ読みたかった。 岩波ブックレットシリーズ、本当に興味深いのが多すぎるけど、デモのスピーチがなかったらこのタイトル見ただけでは、自分が読む本の優先順位としては高くなかったと思う。 「社会」という言葉は、私にとってまだモンゴル高原くらいの広大さを感じていたから、この本を読んでまるで上空から大陸を見下ろす鳥の気分になった。 植物の葉っぱをちぎってきて顕微鏡でのぞいたら肉眼では無理な気孔が見えた、とも似てる。 色んな距離感で自分の周辺に起きていることを観察、考察すると、見えてくるものがどんどん変化していく。 戦後の日本でみんなが目指した「当たり前の形、幸せ」は、色んなタイミングがものすごい確率で一致した時期に起きた稀なこと。 稀なので綻びが生じて、これから先の継続はこの本が出版されたおよそ10年前すでに難しいこと。 自分の心血や時間を注ぐ分野を性別と年齢に応じて役割分業したこと。 ①人口要因(子どもが沢山生まれて高齢者は少なかった) ②国際関係要因(アメリカの思惑もあって、核の傘に守られることで軍事負担を肩代わりしてもらい経済成長に集中した。他国は日本の経済発展を脅かすほどの存在にはなっていなかった) ③エネルギー要因(石炭から石油へ。エネルギー革命によって産業化の速度が加速) ④自然要因(阪神・淡路大震災が起きるまで、広域に甚大な被害を及ぼす巨大地震がなかった) こういう視点で自国や戦後の歩みを学んだことがない。目から鱗。 全然「当たり前」じゃなくてビギナーズラックくらいの運の重なりの中に自分の人生が含まれている。 誰かが「これでいこうぜ!」と言ったわけじゃないのにこの流れが生まれていることを考えると、どうやって変わっていけるのか考えてしまう。 そして、繰り返して固定化された価値観や慣習を、自分の意思ではなく外部圧力によってやっと止めたり、進路変更している事柄(事件?)のことを思い出す。 変わろうと思う時に、変われるものだろうか。 私たちは、どのタイミングで薄々とハッキリと気づいてしまったことを修正していけるんだろうか。 また取り返しのつかない道を選んで変だな、嫌だなと思っているのに、それに従うのか。 この本、高校の社会とか大学くらいの10代から、割と若いうちに触れておいた方が良い気がする。









紺@kon_2026年6月4日読み終わった単純に諸外国(欧米モデル)と比較できない、日本特有の社会モデルの成り立ちと環境要因について理解しやすかった。 経済成長と人口増に強く依存していた社会モデルは、前提要素の崩壊とともに自壊すべくして自壊した後も、〝高水準の教育を受け、大手企業に正社員として雇用され、豊かな家庭を築く〟ことを理想とするゆがんだ社会規範だけを根深く残してしまっている。 4章で提示される新しい社会モデルから現状があまりに遠く離れていて、むしろさらに〝後退〟しているとしか思えない昨今の状況に、暗澹とした気持ち。 でも、読んで良かった。


紺@kon_2026年6月3日読んでる敗戦からアメリカの安全保障(核の傘)に守られることで、軍事負担の大部分をアメリカに委託し、経済成長に集中することを選択した日本。その日本において、「近代産業従事者の急増」「〝サラリーマンの奥さん〟として女性が家族の専従者と位置付けられる家族体制の急速な浸透」「ホワイトカラー的な仕事を遂行する上で有利と見做される高等教育への進学率急増」がほぼ同時に急速に進んだ結果、仕事・家族・教育の三つの社会領域が強固に噛み合った独特な関係を作り出した。 歴史的背景をはじめさまざまな環境要因が、諸外国に類を見ない日本の特異な社会モデルを作り上げたという読み解きを興味深く読んだ。諸外国の社会モデルとの比較も興味深い。




紺@kon_2026年6月2日読み始めた仕事→家族→教育→仕事…と円環になった「戦後日本型循環モデル」図、一見合理的に見えてひとたび内情を知るととてもグロテスクに見えてくる。 「長期安定雇用の正社員」「新規学卒一括採用」を前提とし、「家庭を母親が担う」ことを前提とし、家庭が子の教育費を担うことを前提とするこのモデル。 政府は『仕事』の部分のみを支援する産業政策にのみ力を入れれば、父親は家庭に金を入れ、母親は子供に熱心な教育機会を与え(いわゆる〝教育ママ〟)、子は「企業でのトレイナビリティと忠誠能力を養成する性格の強い学校教育」に吸収されていく。 公的な教育支出の少なさを、家庭がまかなっている。 「できるだけ高い教育を受け→できるだけ有名企業に就職し→できるだけ豊かな家庭をつくる」という欲望が、このモデルを駆動させるエンジンだった。 強い同調圧力を伴うこのモデルが、個人の言動の自由度や多様性を低下させる作用を持っていた。 ここまで認識してもなお、自分はまだ〝レールを外れたくない〟という固定観念に囚われたまま自由になれない。その呪いめいた強さに、ぞっとしている。








































