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ほんのうに
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@bk_urchin
  • 2026年8月23日
    ガラスの街
    ガラスの街
    ミッドナイトジュンクラブの「深夜の秘密の読書会」で購入。オースターは名前は聞いたことあるけど、、というくらいで何の予備知識もなかった。久々に文学を読んだ!という感じ。深夜の眠気の中で読むのは難儀だったw 主人公は作家。深夜の間違い電話をきっかけに、自身が小説内で描き続けてきた探偵業に取り組むことになる。 後半、ピーター・スティルマンを尾行するあたりから"探偵小説み"が増してきて物語がどう転がるのかと思ったら、最後は解脱した禅修行者のようになり現実と精神世界の境目が曖昧になっていく。探偵小説のセオリー通りに謎が解かれないモヤモヤも感じたが、この物語がクインが残した赤いノートを書き起こしている(から、クインが見た現実以上のものは、この物語では書くことができない)という設定によって、そのモヤモヤも不思議な後味として変換されるという初めての読後感だった。
  • 2026年8月21日
    モモ
    モモ
    初めて読んだ。子どものときに手に取った記憶はあるが、劇中劇のような空想世界についていけなくて脱落した覚えがある。今回はAudibleで視聴。前半はなんでもない話が続くな、本筋まだかな⋯思ってたが、灰色の男が出てきて、そう思ってしまう私こそが効率志向に陥っていることに気がついてゾッとした。 ・1973年出版とは思えない。まるで2026年に起きていることを言い当てているように感じられたが、その時代時代で同じように思われてきたのだろう。今から思えば1973年なんてネットもないし相当のんびりしていたのではと思うが、高度経済成長期ゆえの切迫感から生まれているのだろうか。そう考えると、当時と今で共感ポイントは違うのかもしれない。 ・時間的余裕を作るためにAIで効率化しているのに、あれもこれもしなくていけない気になって忙しない感覚があるのは、時間を貯蓄しようとしてかえって奪われている都会の住人たちの姿に重なる。自分はその果てに何を目指しているのか。 ・モモやベッポの生き方を羨ましく思う一方で、灰色の男たちの発言にも共感できてしまう。灰色の男たちは裁判で、弁明する仲間に対して「お前の気持ちは関係なく、結果が全てである」と宣告する。成果主義であり、実際仕事における査定ってそうやって決まるし、自分もそう判断せざるを得ないときはある。その判断は正しくないとは言えないよな⋯と苦しくなった。 ・最後、売れっ子物語作家ジロラモから観光ガイドに戻ったジジは幸せになったのだろうか。なっていてほしい。 ・Audible版は挿絵がないのが寂しかったけど、高山みなみの演じ分けでものすごい臨場感があり没入できるのでオススメです!
  • 2026年8月17日
    白光
    白光
    ごく普通の家庭で、留守番していた4歳の女の子が殺されて庭に埋められる、という殺人事件から家族の闇が暴かれていく。 一人称の告白形式の章が多く、特に終盤は語り手が変わるたびに真実が覆り、何が本当のことなのか分からなくなる。本人が自覚的に嘘をついているのか、それとも、本人にとっては真実でも他者から見たら真実ではないのか。いずれにせよ他人の気持ちは分からない、人それぞれで見えているものが異なるのは現実でも同じだよな、と感じた。 女たちがおしなべてある人の死を願う様子は、藤子F不二雄の短編「コロリ転げた木の根っこ」を思い出す。後味の悪い話だった。
  • 2026年8月11日
    世界は解釈でできている
    YouTube現実チャンネルの天竜川ナコンさんのエッセイ。 タイトルにある「解釈」とは、世界の中で自分が生きることを肯定する解釈が今の時代に必要ではないか、という意味。そしてその解釈は誰かに教えてもらうものではなく、自分のために自分が考える、と。 どんなにAIが進歩して対話が可能になって、導いてくれるようになっても、ちゃんと自分を肯定できる解釈ができるだけの事実を作って生きていくことは自分にしかできないんだよな、と感じられた。 以下、分かる⋯と思った p196 恐らくかつての私は、正解の奴隷だったのだと思います。そもそも私の言っている「普通じゃない」だったり「前を向けない」みたいな感覚も、何か「正解」みたいなものがこの世に存在することが前提で、自分がそれに沿っていないみたいな虚無感です。
  • 2026年8月5日
    イン・ザ・メガチャーチ
    推し活、貧困、冷笑、フレネミー、ミドルエイジクライシス、男性のケア⋯と令和全部盛りのような小説。分厚いのに物語が強いのでスラスラ入ってきた。 久保田の人間関係の断絶と、澄香が感じるINFPの生きづらさに圧倒的共感。めちゃくちゃ食らった。INFPのおじさん(私)って二重苦で、ほんと雑談できないんですよね⋯ 久保田は道哉との距離感を見誤って突撃し、澄香もこれで潮時と思いながら髪の毛まで全身紫で渋谷に赴く。自ら望んで視野を狭めて行動した2人は、人間に対して俯瞰的であろうとする国見よりもよほど清々しい。作中で主観としての幸せは語られていたが、客観的にも幸せに見えた。動画の中のちゃみするが振り返る瞬間に物語が終わるので、久保田にはもう一段階衝撃が訪れるわけだけど、自分を使い切った今の久保田ならそれも受け止めて、関係構築しなおせるのではないか、という小さな希望を感じた。
  • 2026年7月29日
    楽園
    楽園
    老女に貸していた山奥の物件に向かったら、住人に監禁されて「人を一人殺さないと出られない」という事態に陥った主人公カップルの話。 「十戒」を読んだときは驚きとともに、もうこれ以上の彼女の物語は読めない、だってこれ以上読者を驚かせることは無理だし、と思っていたので、まず続きが読めたことがうれしい。今作では最初から正体がわかりやすく示されておりどうするのかと思ったら、今作でもしっかり構造が逆転し、しっかり驚かされた。 共同体とは複数の人間の集まりである以上、誰にとっても「楽園」になることはありえない。なのでみんな少しづつ我慢して生活を維持していく。そこに自分の目指す楽園像を忠実に追い求める人間が入ったらどうなるのか。ささいなことに失望を感じる彼女なので、今後平和に暮らしが営まれるとは思えない⋯ 何かが起きて、今作の続きが読めることを祈ってしまう。
  • 2026年7月20日
    嘘と正典
    嘘と正典
    ・魔術師 ・ひとすじの光 まで読んだ
  • 2026年7月20日
    あなたが言わなかったこと
    友人の誕生日にプレゼントした本を貸してもらった。 文章は平易だけど理解ができたとは言えない哲学的な内容。それでも、自分の中に物事を考えるための新しい欠片を得たように感じられる。 今後、人生を生きて何らかの経験を重ねることで、感じることが変わってくる気がする。今回読んだときには以下が印象に残った。 p53 幸福が切なさと同義だとしたら、「切なる」ものの本質を見極めようとするところからしか、幸福の探究は始まらないような気さえしてくる。 p62 私たちはいつの間にか、自らの生きる意味や喜びさえも、他者に表現できるようにと身構えている。生きる意味も喜びも、容易に語り得ないものであってよい。 p102 自信とは、誰かと自分を比べて優位であることを確認するところに生まれるものではなく、文字通り「自分を信頼する」ことにほかならない。
  • 2026年7月20日
    君のクイズ
    クイズ番組の優勝を決める最後の1問。問題文が一文字も読まれないまま、対戦相手が正答できたのはなぜか?という謎に主人公のクイズプレーヤーが挑む。 主人公は、クイズ番組の録画映像と自身の人生を振り返りながら謎を解いていく。早押しの答えを導き出すまでの論理の冷静さとヒリヒリする焦り、クイズの答えに絡み合った人生の甘苦い記憶、そしてクイズへの熱い哲学がない混ぜになって、夢中で読んでしまった。 謎はスッキリと解明されるのに、対戦相手である本庄絆の得体の知れなさが読後も妙に印象に残る。「君のクイズ」というタイトルがとてもよいな⋯
  • 2026年7月19日
    一次元の挿し木
    一次元の挿し木
    数百年前の人骨と失踪した妹の DNA が同じ、という魅力的な謎を軸に、ぐいぐい読ませる引力があった。結末はあまり予想できなかったけど、そう来たかーという感じ。 人物・情景描写が印象的。紫陽の利発でどこか陰りのある少女感の描写は、彼女に傾倒する主人公の行動の原動力と、入れ込んでしまう不安定さの説得力になりながら、謎が解かれたときの衝撃を際立たせるためにも機能していた。 「ちゃぽん」という音を死の象徴としてリフレインさせたり、今は使われていない古びた研究所のジメッとした感じの描写も上手く、ホラー的な要素も楽しめた。
  • 2026年7月5日
    死ぬまで生きる日記
    一気に読んでしまった。 自分のために書かれたと思うくらい著者の考えにものすごく共感する部分がある一方で、著者の悩んでいることが自分にはまったくわからない部分もあり、似たように見えても人それぞれ違う世界を生きているのだと(当たり前のことながら)感じられた。 それでも、自分の思考をありのまま受け止めて客観視できる形に変換することはどんな人にとっても有用なのだろうと思う。 カウンセリングというものを一度受けてみたいな。
  • 2026年6月13日
    ドーパミン復活 スマホ脳リセット法: 脳疲労が消え活力が戻ってくる!最短最善のスマホ脳改善プログラム
    資格試験の勉強にあたりスマホを見る時間を減らしたくて読んだ。対話形式のライトな読み口ながら、スマホ依存の弊害、そうなってしまう理由、対策がまとめられていて思っていたより分かり易くためになる。 ・スワイプするたびに脳内の会議部(前頭前野)が疲弊しパンクするイメージを持つ ・ドーパミン総量は決まっており、スマホに使うと他の行動に回らなくなる あたりは初めて知って印象に残った。 スマホの壁紙に「それは本当に必要か?」と書かれた画像を表示することで、無意識にスマホを触ることを回避するのは効果がありそうだったのでさっそくやってみた。書籍内にあったものは万一人に見られたら恥ずかしいのでw、AIでもう少し目立たないものを作成。頭で記憶して意識し続けることには限界があるため、これで行動変容に繋げたい。
  • 2026年6月6日
    「おいしい」のマーケティングリサーチ
    ハウス食品でマーケティングリサーチに従事されて来た著者による、食とおいしさを理解するために生活者をリサーチして、表面的でなく適切に解釈し、その結果から意思決定をすることが大事だよね、という本。 誰でも簡易的にリサーチができるようになり、さらにはAIが登場して仮想顧客に聞けばいいよね?となってきている中で、まだまだちゃんと人に聞くことの意義はあるよな、と感じられた。(適切な学習データが無い限りは、AI仮想顧客への調査精度はまだ怪しいんじゃないかと思っている派)
  • 2026年5月28日
  • 2026年5月23日
    仕事がデキる人のたたき台のキホン
    自部署内の他チームと協働し目的設定からゼロベースで考えるプロジェクトをやっている。初動の意思統一のためにたたき台を作ったもののいまいち擦り合わない。 この本で述べられているたたき台の必要要件と照らしてみると、自分のたたき台に足りないのは問いとスタンスだと思った。何を決めるべきか、何を議論するか⋯問い力が足りないたたき台は刺激が少なく関心が生まれない。そしてスタンスを取らない無味なたたき台からは問いも生まれない。これからはこの2つを意識的に際立たせてみよう。 あとは、たたかれている、ではなく、たたかせている、というマインドも持って臨む。
  • 2026年5月19日
    木挽町のあだ討ち
    芝居町という"悪所"に集う町人たちが語る仇討ちの様子と各々の来し方。 大河ドラマ「べらぼう」を観ていたので、花街・芝居町の様子を頭の中で想像しながら読むことができて楽しかった。老中 松平定信の話が出てくるからたぶん同じくらいの時代だよね。 人には人の地獄があった上で、それでも支え合って生きていくことができればそれが幸せだ、というのはどんな時代も変わらないよなあ。
  • 2026年5月15日
    友達じゃないかもしれない
    友達じゃないかもしれない
    ひらりささんと上坂あゆ美さんの往復書簡。 (p177)人と会話してその魂に触れたとき、そして相対的に自分の魂の形より理解できたとき、代えがたい喜びを感じる すごいものを読んだ!!という気持ち。ここまで心の中を詳らかにして「友達」に伝えられることはそうそうない。お二人はカイリキーとメタモンのように全然違うパーソナリティだけど、思考力・言語化力・心の露出力(欲?)が双方高いから成り立つのだろうか。なによりもお互いに対する信頼があるのかな。 これを読むと、友達に対しての自分の普段の接し方が不誠実なようにも感じられる。言葉を交わして、相手を知りたいし自分も知ってほしい。でも、素人が手を出してはダメなようにも思う⋯。 この往復書簡をやっている間もお二人はプライベートで会っていたようだけど、そのときこの内容に関する話はしていたのだろうか。ひらりささんが上坂さんを女性だから許していることや、上坂さんがひらりささんを怒らせたい嗜虐性についてのやり取りをしているとき、どのように会っていたのかが気になった。
  • 2026年5月6日
    早稲女、女、男
    解説を読むと、柚木麻子さんは早稲女が好きとのこと。早稲女という概念を丸ごと抱きしめて、頭をワシャワシャして可愛がるような愛にあふれている小説だと感じた。 「早稲女」とは、大体においては100%の褒め言葉ではない意味を込めて使われる言葉だと思うが、この小説の主人公である早乙女香夏子はその早稲女らしさをもって周りの女子たちを(無自覚に)エンパワメントしていく。イタさもカッコ悪さも引き受けて、自分に正直であろう、怖いけど一歩踏み出そう、という女子学生たちのエネルギーがとても眩しい。 街自体が大学の空気をまとっているのは他大学にはない特徴だ、というような描写があった。早稲田生がそこかしこにいるから高田馬場が好きではない、という人の声をよく聞くが、自分にとっては、それこそが高田馬場という街が好きな理由だと気がついた。街にいるだけで、社会の構成要素に組み込まれる前の、何者でもない大学生のときの気持ちが蘇る気がする。大学卒業してずいぶん経つのにそんなことを考えているのがイタいなと思うけど、でもそんな自分を引き受けていくのもいいじゃん、と思う。
  • 2026年5月4日
    BUTTER
    BUTTER
    前半、カジマナに魅入られて変化していく里佳から目が離せなかった。新しい価値観に出会うと、これまで当たり前だった自分の考えや尺度が、周囲の誰かや社会からの期待によって作られた紛いものの様に感じることがある。急にこれまでの価値観が退屈に思えて、反抗心が湧いてくる。そんなときに新しい価値観が自分を侵食して塗り替わっていく感覚は、えも言われぬ気持ちよさがある。 それ自体が全く悪いものだとは思わず、どんな人もその繰り返しの中で形作られていくはずだ。ただ、新しい価値観を盲信して全塗替えするわけではなく、多面的に捉え、抽出したエッセンスと自分の考えを混ぜ合わせて自分なりのオリジナルレシピに反映させていくことが必要、という話だったのかなと思った。 太った里佳が自分の腹肉を見て、エシレバターのようだと惚れ惚れするシーンが印象に残った。最近自分も体型が気になってきたが、そう思えるくらい健やかな自信を持っていたい。自分が食べたい、美味しい、と思うものを自分の意思で選んで食べてきた結果だもんね!
  • 2026年5月3日
    まだまだ大人になれません
    劇団雌猫メンバーである文筆家ひらりささんのエッセイ。 自分と暮らしを取り巻くものについて、今のままでいいのかと迷いながらも決断して少しずつ変化を起こしている様子が描かれている。大人とは、自分の意志で決めた日々を積み重ねていくこと。L映画「ファースト・キス1st KISS」を観て、黄ばんだシャツを自力で洗濯できる人間になろうと決意するところ、自分も観た時にまったく同じ想いになったので共感できた。(黄ばんだYシャツを着ているおじさんは職場で結構見かける。でも、黄ばみを落とす作業ってめんどくさいからちょっと油断するとそうなるのも非常にわかる) 生活を今よりも良くしようとして試行錯誤する人と、その様子を描いた本が好きだ。 これまでに好きだった 「クソッタレな俺をマシにするための生活革命」済東鉄腸さん 「私の生活改善運動」安達茉莉子さん と揃って、お気に入り3部作になった。 ※これを読んでくれた方で、もし他にも生活に向き合っている(きれいに整った話やレクチャーよりも、試行錯誤している過程を読みたい)エッセイがあれば教えてほしいです!
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