ほんよみたい
@honyomitai
- 2026年4月4日
ノーメイク鑑定士石田夏穂読み終わった世の中の狂いに対して、至って真面目な狂いで返すことで、世の中の狂いの滑稽さ、無意味さが際立つ。これが石田作品における抵抗なのだなといつも感じる。 表題作「ノーメイク鑑定士」と、「我らがDNA」が特に好き。 - 2026年3月31日
反メリトクラシージョー・リトラー,河野真太郎読み終わった「実力(メリット)」の重要性を全否定するものではなく、「いかなるかたちの実力がどのような目的にとって有益であるかについて論じ、それをその多様性のままに育てることが重要である。」(P313) 仕事をフルタイムでしていても家事育児の負担割合は未だ女性に偏る家庭が多く、それをやりくりしながら昇進しても「実力がないのに女性活躍推進の一環で下駄を履かせてもらって昇進している」と言われ、昇進しなかったらしなかったで「女性活躍が進まないのは女性の意欲不足である」と言われ、何の社会構造も変わることのないまま全てが本人の実力・体力・気力に収斂していく新自由主義のもとで働くことの限界を感じるこの頃。 - 2026年3月30日
プロジェクト・ヘイル・メアリー 下アンディ・ウィアー,小野田和子,鷲尾直広読み終わったシンプルにたっっっっっっっのしい読書だった。読み終わるのが寂しかった。 ネタバレ厳禁と聞いているので上手く言えないけど彼はあくまで宇宙飛行士ではないんだな。ひどい巻き込まれ方をしていて私なら完全にグレているが主人公は信念の人だった。 - 2026年3月28日
プロジェクト・ヘイル・メアリー 上アンディ・ウィアー,小野田和子,鷲尾直広読み終わった - 2026年3月21日
転落男性論西井開読み終わったホモソサエティからの転落を恐れ男性優位社会を維持しようとすることについて。貧困、非モテ等ホモソサエティの中で劣位に置かれている人が女性に敵意を向けやすいだけでなく、上位にいる人は自分のアイデンティティを男性から他の何かに自由自在に移動させたりジェンダーに理解あるふりをしたりして問題のもとになっている社会構造の欠陥は不問にしたままその特権を維持しようとする話はよく腑に落ちた。 男性にも生きづらさはあると思うけど(という前置きをしなければ女性が女性の権利ばかり主張していると非難されその後の主張にまともに取り合ってもらえないことを意識している女性がいることにも触れられていて良かった)、マイノリティが生きやすい社会ではマジョリティも生きやすくなることがどうすれば伝わるだろうか。 - 2026年3月15日
産む気もないのに生理かよ!月岡ツキ読み終わった子どもがいた方が良いかも?と思う理由がエゴイスティックすぎるのと自分が子の立場で苦しんだ親子関係を再生産しそうで怖いので子を産むことは全く考えていないのだけど、子どもは希望だと思っているしその子どもが大人になった時に今よりマシな社会にしておきたいとは本当に思っている。子どもへのそうした関わり方も認められたいものだけど、そうはなっていない現状へのモヤモヤはかなり共感できた。 - 2026年3月14日
入門 資本主義松井暁読み終わった資本主義の基礎について。主張としては資本主義から社会主義へシフトした方が良いという内容。 資本主義には大きい弊害があることも分かるし無産者である労働者として年収は上がろうともそれを得るためにかけている時間や労力のことを思うと一生富む気がしないのもそうなのだけど、自分が知らないだけかもしれないけど社会主義で上手く行った例もない気がしており、格差固定化が叫ばれる資本主義よりもむしろ腐敗して縁故主義になるイメージもある。なので、著者が主張する社会主義をどうすれば上手く運用できるか、あるいは資本主義を立て直すことは可能なのかが関心領域だなと思いつつ、その入口としては読んで良かった。 - 2026年3月8日
性的であるとはどのようなことか難波優輝読み終わった性的であるか否かは非美的判断だがえっちであるか否かは美的判断であり、己の美的判断であるからこそ何をえっちだと思うかを不意に露呈させられる場面は不快である。他方でなぜそれを不快に思うのか、またはこれをえっちだと思う人はなぜそう感じているのか、立ち止まって考えられる状態にある人は考えてみても良い、ということに共感した。「それは連帯ではなく停滞である」というこの「停滞」というワードは「連帯」にいまいちはまりきれなかった自分の今後のキーになりそう。 - 2026年3月8日
イラン現代史黒田賢治読み終わった難しい!一冊読んだだけでは腹落ちしきれないほど複雑だけどタイトル通り現代史(革命前から2025年まで)が上手くまとまっている。 権威主義的体制、宗教国家といっても当然に一枚岩ではない。今のイラン体制が良いとは思えないもののアメリカは何回同じ轍を踏むんだろう?とも思う。 - 2026年2月28日
ルワンダの今片山夏紀読み終わったずっと興味があったのでまずはブックレットから。 やっぱり植民地主義は遺恨しか残さんな…。元々その土地にあった民族の分け方を途中でやってきた宗主国が身体的特徴で分類するよう改めるって、グロテスクすぎる。そうして新たに分類された民族同士が敵対関係に陥りジェノサイドが起こるわけだけど元宗主国を筆頭に世界は何をしていたのか?は「なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか」を読みたい。 「カンボジア 共生の空間」でもそうだし、映画「ルック・オブ・サイレンス」でもそうだけど、加害者と被害者が同じコミュニティで生きていくにあたって、目の前の生活に精一杯でとにかく回していくしかないから赦すというかいったん赦したことにしておくしかないという現実がある。また本当に赦せたとしても忘れることは絶対にないわけで、一度生まれた暴力がその後連鎖しないというのは奇跡に等しいのだろうと思った。 - 2026年2月28日
日本型排外主義樋口直人読み終わった日本において排外主義に走らせるのは経済的、あるいは文化的な不安が根本的な理由ではない。自分にとって都合の悪い歴史認識を喚起する存在である外国人を排除することでそこから目を逸らしたい欲求が、安全保障の文脈でまるで尤もらしさを持っているかのように(直接的でないにしても)後押しされるのが特徴。という本。 本書を読んで改めてこの国は戦後の反省と学習をしそびれてしまったのだなと思う。にも関わらずこれまではアジア一の経済大国で冷戦下だったからどうにかなってきてしまったものが90年代くらいから状況は変わってそうはいかなくなってきて、このままでは今後はさらに厳しくなるのでは?と思っており、暗澹たる気持ちに。 - 2026年2月23日
増補版 自衛隊と憲法木村草太読み終わった長らく積んでいたのだけど今後改憲国民投票の機会がやってくる可能性の高まりを感じ引っ張り出してきた。 初学者向けの良書。今の憲法で何ができて何はできないのか、自民党草案についてどこが問題なのか、今後改憲案が出てきた時何を注意して見れば良いのかが国際法の考え方から順に解説されていて丁寧な作り。 - 2026年2月22日
本を読めなくなった人たち稲田豊史読み終わった学術的にどうかという点はともかく、実感に即した本。 個人的には人々は「本を読めなくなった」というより「本を読みたいとも思っていない」という実感がある。本が持つ権威だけは残っているから「本当は本を読みたいんだけどね…」とは言うのだけどどれだけ休みがあっても本が無料であってもたいして読まれない気がしている。読む/読まない問題というよりは、答えが一つではない、あるいは正解のない漠とした問いを持つ、それに対する答えのなさに耐えるといったネガティブ・ケイパビリティの問題が大きそうだと思った。 読まないでいるとそのうち本当に読めなくなるのか?読めなくなると社会はどうなるのか?は今後答え合わせがされてくるだろうと思う。 あと、自分は読んでいるものの本当に読めているのか?というとそうでもないとも思っていて、「読めない」社会については全く他人事ではないだろうとも。 - 2026年2月17日
そいつはほんとに敵なのか碇雪恵読み終わった「「右派市民」と日本政治」からの流れで読了。「そいつはほんとに敵なのか」というと、敵ではない。容易に敵性認定すると相手を非人間化してしまうがゆえに自分も非人間化していくという不幸な連鎖しか生まないのだけど、敵性認定しないことには強い理性とそれなりの時間が求められる。その余裕を失い済の時、どうすれば良いのかが今もまだ分かっていない。 - 2026年2月15日
「右派市民」と日本政治松谷満読み終わった右派市民をイメージではなくできる限り実像で捉えようという本。「欧州の排外主義とナショナリズム」でもあったように思うけど、よく想像される経済格差拡大によって没落した中間層が右派に流れるというのはもちろん該当する人もいるけどマクロで見るとそうとも言えない。 私がこれが真では?と思ったのは「なぜ伝統的な規範を重視する人が少数派になっているのに、それを根拠とする制度や慣習が変わらないのか、という話でした。それは、右派が多いからではなくて、保守派、つまり、わざわざ変えるのは面倒なので、現状のまま維持したほうが無難だと考えて行動する人が多いことを意味しているのではないでしょうか。」(P44)の部分で、思想としての「保守主義」ではない「保守派」の存在が肝だと思った。そしてあまりの「思想のなさ」は時として「非常に強い思想」の持ち主よりも危険だとも思っている。 - 2026年2月15日
香港危機の700日 全記録益満雄一郎読み終わった当たり前といえばそうなのだけど、香港歴史博物館でやっていた香港国家安全維持法5周年企画展での2014年から2019年にかけたデモやデモ参加者の描かれ方(企画展ではデモというか暴徒による暴動)とのギャップに驚く。 デモ隊といっても色んな流派の人がいるし相違点もあるけど分裂している場合ではないから時に程よく距離を保ちながら各々の信じるところに沿って主張していく姿がとても勉強になる。 香港に国家安全維持法が制定されるまでの流れ、制定しようとしてどんな大義名分を用意するかなど、日本が今後なぞるかもしれない話が出てくるので今読んでおくと良いと思う。 - 2026年2月9日
教養主義の没落竹内洋読み終わった都会的ブルジョア的エリートへの反骨精神の表れでもあった教養主義が、オルテガ「大衆の反逆」でいうところの「凡俗な人間が、自分が凡俗であるのを知りながら、敢然と凡俗であることの権利を主張し、それをあらゆる所で押し通そうとする」ようなサラリーマン文化が覇権を握り没落に至るまで。 「エリートはまわりからちやほやされる。驕慢というエリート病に罹患しやすい。だからエリートになによりも必要なものは現実を超える超越の精神や畏怖する感性である。前尾にとって、現実の政治や官吏としての仕事を相対化し、反省するまなざしが教養だったのである。」(P244)という記述があったけど、現実の政治家がこのまなざしを放棄していたら、権力を監視する市民にそうまなざせるだけの教養が必要になるだろうと思う。 「大衆の反逆」を再読したくなった。 - 2026年2月8日
なぜ日本は没落するか森嶋通夫読み終わったたまたま選挙開票日に読み終わった。 この本で繰り返し出てくるのは、日本の政治家の政治力のなさと、それに対する国民の無関心さ、鈍感さである。この本は2050年を予測するという建付けだが、残念ながら約四半世紀時間をまいてしまったか?と思わせられる。今後、著者が構想する東北アジア共同体案や、それでなくともアジア諸国で何らかパートナーシップを結ぶことになったとしても、その時日本が相手にされなくなっている可能性はないだろうか。 - 2026年2月3日
SF作家の地球旅行記柞刈湯葉読み終わった特に劇的な何かが起こるわけではないけど何かを見て面白がることに長けていると旅行はどこに行っても行った意味はある。程よく不謹慎な文章が挿し込まれていてくすっと笑いながら一気に読了。 - 2026年2月2日
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