愛の夢とか

38件の記録
- oto@sakana__books2025年9月29日読み終わった7つの作品が収められた短編集。 どの作品も主人公の思考や感情の機微が丁寧に繊細に描かれていて、川上さんの作品はいつも息をするのを忘れるぐらい没入してしまう。 タイトルから夜が似合う作品なのかな…と思い読み始めたけれど、どちらかというと白昼夢とかぼんやりと夢想してるような、そんな感じの作品たちでした。 表題作の「愛の夢とか」と最後の「十三月怪談」が特にお気に入りでした。 何度も読み返したい、すごくお気に入りの一冊になりました。
- riho@skirh6232025年9月28日読み終わった合う合わないで言えば、私には合わない文章で、読み進めるのにとても苦労したし時間もかかった。なんとか読み終えた後も感想が出てくることもなく、読み解ききれないもどかしさのようなものが自分の中で残っていた。 けれど、数日経った今も、ふとした時にこの短篇集に描かれていた風景を思い出す。京都の夕闇に包まれていくホテルの一室、ピアノの音色、土の香りを胸いっぱいに吸い込む感覚、幽霊として伴侶のその後を眺めているマンションの隅っこ。 朝靄の中を歩くような、すりガラス越しに揺れる影を見るような、見えそうで見えない、分かりそうで分からない、そんな曖昧な読後感がじんわりと日常に溶け込んでいく。そして見せてくれる、「どこか知らない景色」をたまらなく美しく感じる。 こんな風な本との繋がり方もある。最後まで読み切ってよかったと心から思います。
- 権子@m_gonko2025年9月7日読み終わった2025/9/7 読了 数年前に上映してた『アイスクリームフィーバー』を鑑賞して、原案となった本作が気になり購入。 表題作や映画原案作含めた7つある短編集。 川上未映子作品を読むのは今作で2作品目になるが、独特の世界観や文体で不思議な世界に浸れました。
- たま子@tama_co_co2025年8月16日読み終わったうおお、よかった……めっちゃよかった……なぜ今まで読まなかったのだというくらいよい短編だらけで、『いちご畑が永遠につづいてゆくのだから』はリズムがこれぞ川上未映子節で大すきだったし、『日曜日はどこへ』もすきだったし、『お花畑自信』はアリ・スミスの『五月』を読んだ時のような奇妙で美しい衝撃を受け、『十三月怪談』ははじめシンプルな悲しみでおろおろ泣いていたら読むうちにだんだん違和感に気づきはじめて妙な気分になって後半に息する間もない長い長い一文があってわたしはそういうのにたまらなく弱いわけでして……総じてよかったです。いやはや。改めて読書日記を書こう。
- たま子@tama_co_co2025年8月8日読んでる寝て起きてを繰り返してろくに眠れず、観念して暗闇でぼけえとしていたら、突然ビリヤニが食べたくなり、そうだわたしは今ビリヤニなんだとなり、夜な夜なタイ米を浸水させるなどして、窓の外が白々してきた頃にキッチンから香ばしい香りがして嬉しくなって、ああ今日もうまく自分の機嫌がとれたと安堵する。久しぶりの川上未映子がとてもよくて、やっぱり文章のリズムがすきだなあとおもう。ビリヤニは美味しいのか美味しくないのかよくわからない味になった。
- 葉っぱ@unafoglia2025年3月8日読み終わった好きな人と2人だけで、何も気にせず外界と無関係で、永遠にいられたらいいのにと思います。 理想を永遠に実現するのは難しい、夢みたいな幻みたいな不確かな一瞬を抱きしめて生きていく。