ザリガニの鳴くところ

27件の記録
- 蓮@yulan2025年3月19日読み終わったカイア。彼女という人間は自然そのもので──というより、見事なまでに完全に、湿地の生態系のなかに生きる人間であった、と表現してみる方が腑に落ちる。訳者あとがきのまとめが良くて助かっている。彼女は”ただ拍動する命“として生きていたのだと。 詩人が一番思いもよらなかった、これは私たち読者へ向けての、カイア(の生き様)とは別の……上手く言えない……誰かという生の証だとかシグナルでさえあるように思う。いやそうか私たち読者は、カイアという人間と、カイアの創作物を知ったんだ。それは人生や物語や時間の枠を超えて心を揺さぶり、心に傷を残すもの。まるでこの小説のように。 中盤は彼女の生き様や感情を追うことが辛くもなったが、見事にひっくり返された。最後の二文の余韻が好き。
- 蓮@yulan2025年3月17日読んでる半分を過ぎた。瑞々しい自然描写はまるで意思あるような表現で印象的。湿地の彼女にとって自然はただあるのではなく、生きているのだろうと感じ取って読んでる。 彼女の生き様を観察し続けるのは時々苦しい。しかし献辞のある章を、ここまでを読んで、胸がいっぱいだ。
- 猫@mao10122025年3月8日かつて読んだ湿地の少女の、愛と喪失。読めば読むほど、どんどん物語の中にのめり込んでいった。自然を愛し、愛されていたカイア。だが、人々との関わりにより生まれた喪失、孤独感の大きさに胸を締め付けられて泣きそうになった。 人生における感情のすべてが詰まっているかのような作品で、なんだかずっと心の臓の奥に杭を打たれたような気分。