ジャクソンひとり

29件の記録
シロップ@sirop2025年10月20日買った読み終わったあっという間に読んでしまったけど、わかったようなわからないような不思議な疾走感が残ってる。たぶん、というかきっとわかってないんだと思う。 ひたひたと迫ってくる生々しい何かがあって、とても知っている気がするのに、それは単なる思い違いに過ぎないと言われてるような感じ。 気分なんて誰にでもあるのに、行使できる側と禁止されている側がある。そこらじゅうにある権力の勾配。 文体がとても変わっていてすきだなと、この作者を読むたびに思う。ぬるっと滑っていくような湿り気があって。
北@kita_92025年7月23日読み終わった強烈。読んでいてむずむずする感覚があり、それはおそらく自分の中にある「ジャクソンら」への無理解、無知、偽善的な部分から生まれている。やはり安堂の作品には我々への怒りが満ちており、それは読んでいる自分に向かって押し寄せて来る。『DTOPIA』でも感じた世界への怒りと絶望がここにもある。最後に社会の悪意みたいなものが殺されるところの疾走感とカタルシスは凄まじいものがあるとともに、筆者の内心におこがましくも思い馳せずにいられない。 しかし当事者性から逃れた文というものは今はあり得ないのかもしれないな。最近の小説はそこからしか出発できないのかもしれない。そして俺もそれ以外の表現をあまり想像できないところが悲しい。
よしい@Yoshe2072025年7月15日読み終わった登場人物たちの会話ややり取りの端々に、普段自分たちが当たり前のものとして見聞きして享受しているあらゆる物事に対するどこにもぶつけようのない怒りと、それでもそれらに救いを求めて事実救われることもあるという皮肉さややるせなさが滲んでいるみたいだった。読み進めていくうちに人間が併せ持つ善と悪の両側面がモンタージュみたいにじわじわ浮かび上がってくるようで、それなのに読み味がめちゃくちゃ軽やかなのでサクッと読めてボディブローみたいに効いてくる。

いあに@IANI832025年5月24日買った読み終わった昨日買って夜眠れなくて読み始めてほぼ一気読みしてしまった。澱みないするする読める文章だから読めるんだけど、悲嘆にくれずに痛みを見るような感覚だった。日本に住むココアのような肌の色の人たちの話であり、それを取り巻く私を含めたマジョリティの話でもある。無自覚であることを突きつけられるようだし、普段無自覚を振るわれる側だからどちらともとして痛かった。 それとは別にキレのいい比喩表現がたびたび出てきて好きだ。


























