ジャクソンひとり

20件の記録
- 北@kita_92025年7月23日読み終わった強烈。読んでいてむずむずする感覚があり、それはおそらく自分の中にある「ジャクソンら」への無理解、無知、偽善的な部分から生まれている。やはり安堂の作品には我々への怒りが満ちており、それは読んでいる自分に向かって押し寄せて来る。『DTOPIA』でも感じた世界への怒りと絶望がここにもある。最後に社会の悪意みたいなものが殺されるところの疾走感とカタルシスは凄まじいものがあるとともに、筆者の内心におこがましくも思い馳せずにいられない。 しかし当事者性から逃れた文というものは今はあり得ないのかもしれないな。最近の小説はそこからしか出発できないのかもしれない。そして俺もそれ以外の表現をあまり想像できないところが悲しい。
- よしい@Yoshe2072025年7月15日読み終わった登場人物たちの会話ややり取りの端々に、普段自分たちが当たり前のものとして見聞きして享受しているあらゆる物事に対するどこにもぶつけようのない怒りと、それでもそれらに救いを求めて事実救われることもあるという皮肉さややるせなさが滲んでいるみたいだった。読み進めていくうちに人間が併せ持つ善と悪の両側面がモンタージュみたいにじわじわ浮かび上がってくるようで、それなのに読み味がめちゃくちゃ軽やかなのでサクッと読めてボディブローみたいに効いてくる。
- いあに@IANI832025年5月24日買った読み終わった昨日買って夜眠れなくて読み始めてほぼ一気読みしてしまった。澱みないするする読める文章だから読めるんだけど、悲嘆にくれずに痛みを見るような感覚だった。日本に住むココアのような肌の色の人たちの話であり、それを取り巻く私を含めたマジョリティの話でもある。無自覚であることを突きつけられるようだし、普段無自覚を振るわれる側だからどちらともとして痛かった。 それとは別にキレのいい比喩表現がたびたび出てきて好きだ。