ソーンダーズ先生の小説教室 ロシア文学に学ぶ書くこと、読むこと、生きること

70件の記録
- yo_yohei@yo_yohei2025年10月9日読み始めた@ シンガポール読みかけの本がいっぱいあるのに、この著者の『ラブレター』がとても面白かったので、積読してあったこの本を読み始めた。 まだ3%しか読んでいないけど、とても面白い。短編小説を1ページずつ読み進めて、そこに何が書いてあるか、読者はそのページを読むことでどのように変化するかを詳細に分析している。物語を深く読んでるって感じがする。
- いっちー@icchii3172025年9月11日「自分が夢みた作家像とはほど遠い作家になるかもしれない。けっきょくのところ、書き手はよくも悪くも、本当の自分に書けるものしか書けない。幾年も努力してきたことー文章だけでなく、もしかしたら人生そのものにおいても、抑制したり否定したり修正を試みてきたかもしれない少し恥ずかしいような自分自身の性ーからしか生み出せない。」p148-149 「ヘミングウェイ山を登れる高さまで登ってみて、その山では私はどれだけ頑張っても手習いレベルまでしかたどり着けないと気づき、猿真似は二度としないと反省しながら谷を降りていったら、「ソーンダーズ山」と銘打たれたクズ山にいきあたった。「うーん……すごく小さい。しかもクズ山だし」と私は考える。でも、私の名前がついている。」p152 この瞬間のことを「勝利と落胆の入りまじった瞬間」と表現している。自己受容であり、諦めであり、でも同時に清々しいような。自分は自分にしかなれないんだ、という感覚。この事実に辿り着くのは、頭では簡単に思えるけど、実際はその壁にぶち当たらないと気づかないままのことも多い。 鶏口牛後、という言葉も実はこういう意味なのかもしれない。 ああ、だから表現への憧れはやめられない。自分として生きていきたい。 ただしそこへの向き合い方は私にはまだ足りない。すぐに見つけてもらおうとしている自分に最近気づいた。“自分の執筆モードで書きつづければ”いいのだ。
- いっちー@icchii3172025年9月11日また読みたい返す前にようやく読み始めるまた借りてきた「のど自慢」が長くて、飛ばし読みしたら解説のところでまさに「最初の十六頁を飛ばしたらどうなるか」という話があった。 自分の最近の読書スタイルは飛ばし読みが多いし、そもそも小説を読まない。 でもこの部分を読んでると、全体を通して楽しむのが小説で、そのために必要な部分なのだということが書かれている。そもそも読書に対する意味づけも異なると思った。私は表面上の意味、自分の中にある価値基準だけで読もうとしている。その結果、ヤシューカが勝ったことの意味はよく分からなかった。逆に、全て読んだ上だと深い感動や、何重にも託された意味が理解できる。 それに人類学的だとも感じた。一人一人を詳細に説明することで、出来事の意味が変わる。人類学好きだと言いながら、自分は十六頁を飛ばしてしまっていた…。 やっぱだから、速読は部分の意味を求めるときには適しているけど、小説には全く向いてないよね。
- oheso@oheso2025年9月5日読み終わった@ カフェぼくにとってソーンダーズの『短くて恐ろしいフィルの時代』は印象深い作品で、その作者の技術論が知りたくて手に取った。 本書ではチェーホフ、ルツゲーネフ、トルストイ、ゴーゴリの小説を題材に、「よい小説とはなにか」「それを書くにはどうしたらいいのか」についてソーンダーズが「授業」する構成。7つの短編小説は創作の技術を得るための検体(そう、それは技術のために完成された表現を検分していく少しのグロテスクさも含んで!)として解体されていく。どれも巨匠たちが19世紀ロシアの検閲をくぐり抜け書いたものであり、そもそも作品自体がおもしろい。 ところがソーンダーズの語りを聞いたのちに読み返すと、3D化されたように表現が立ち上がってくる。たとえば、緩慢で鼻持ちならなかった人間がどうして魅力的に映るのか。村の居酒屋の冗長な描写に作者があえて立ち止まった意図は何か。気は良いが抵抗せずに人生を終えていく凡人になぜ我々は心動かされるのか。短編を読み終えた後に続くソーンダーズの授業は、ひとつの解釈を示していく。そのアウトラインを持って作品を見直すと、おもしろさがより迫ってくるのだった。 題材とされている短編は以下のとおり。すべて本書のための新約。 ・アントン・チェーホフ『荷馬車で』 ・イヴァン・ツルゲーネフ『のど自慢』 ・アントン・チェーホフ『かわいいひと』 ・レフ・トルストイ『主人と下男』 ・ニコライ・ゴーゴリ『鼻』 ・アントン・チェーホフ『すぐり』 ・レフ・トルストイ『壺のアリョーシャ』
- さおり@prn9909082025年8月17日読み終わった読んだ〜‼️とりあえず読み切ったことへの達成感が凄い.中がくり抜いて秘密の鍵が埋めてあるとかじゃなくて全部が紛うことなき文章、文章で埋まっています.短編がまるごと7篇引用されているというのもあるがそれより何より読み解きがとても濃く読み応えがある. 最後に収められている「壺のアリョーシャ」10ページしかないのに叩きのめされた(虐待に次ぐ虐待で本当に短い話なのに「ヤメロ‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️😭😭😭😭😭」と何回も思った…)のと最後の段落の解釈がわたしが受けとったものとは全く違っておりやはりひとの解釈(それもプロのもの)を読めるのはありがたい…となった.「おわりに」に書いてあることは希望であり祈りであると思う、読書を純粋に楽しめる自分でいたいと思った.
- いっちー@icchii3172025年7月27日読んでる借りてきた一章一章を読み進める。ものすごく丁寧に、チェーホフの短編小説「荷馬車で」を読んでいく。なるほど、短編小説は無駄なことが書かれていないから、このくらい詳細に読んでいっても丁寧すぎることはないということがわかる。 p65「小説は現実世界とはちがう。」という主張も、ここまでひとつひとつ見ていくと、納得する。小説は何を登場させるかを選ぶことができ、そのものの「意味」は、選んだものと、もの同士の関係性によって決まるということ。小説はその間を描くものなんだな。まさに“もの派”のアーティストとして知られる、李禹煥の作品を思い出した。限られた要素の組み合わせを通して、物語を生み出していく。 でも、私の読解力がないということがよく分かる(国語の点数はいつも冴えなかった)。小説のページを読んで思ったことと、次のページに書いてある描写の解説が全然違うことが多々ある…。こんなんでこのまま読み進めちゃって大丈夫だろうか。というか、いかに「読めて」いないかが分かる。
- いっちー@icchii3172025年7月19日読み始めた借りてきた図書館の予約がようやく届いた。 これ、この本に載ってる小説(ロシアの短編小説)を先に読んでおかないといけないやつだったー。図書館で借りれるやつだけとりあえず借りよう。→この本の中に載っていた。新しく借りる必要はなかった。 それにしても、3ページ目で早速痺れる。 「若手作業がとの時期のロシアの短編小説を読むのは、若手作曲家がバッハを学ぶようなものだ。短編小職という形式の根本原理がみな揃っている。物部はシンプルだが琴線に触れてくる。そこで起こっていることから目が離せない。それらは異議を申し立て、敵意を煽り、憤慨させるために書かれた。そし遠回しにはー慰みを与えるために書かれてもいる。 ひとたび小説を読みはじめればー作品のほとんどの部分は静かで、内向きで、非政治的なのでーこうした意見は香めに映るかもしれない。しかし、これは抵抗の文学なのだー抑圧の強い文化において進歩的な改革派が書いたのだ。政治色を出せば追放、投獄、処刑につながりかねない時代に、絶え間ない後間の恐のもとで書かれたのだ。小説における抵抗は静かで、迂遠なもので、おそらくは史上もっとも過激な理念に由来するものだ。つまりは、あらゆる人間は注目に値し、宇宙のあらゆる善悪の起源は、たったひとりの、ごくごくつまらない人間とその心の動きを観察することでわかるかもしれないという。」(p10) その時代の小説家は、命懸けで書いていた。ロシア短編小説はおろかロシア人作家の誰も読んだことがないけど、俄然興味が出てきた。図書館にないやつも、買ってもいいかもしれない、
- ねり@dnim2492025年5月26日読み終わった短編小説のテクニカルな部分をバシバシ解説してくれてすごい これまで小説を読んでいて、ぼんやり受け止めていたところをちゃんと腹落ちまで持っていってくれてありがたいな〜という本 かわいいひと が好きな話でした
- ( ˘ω˘ )@nnn2025年5月10日読み終わったいわゆる名作・傑作といわれるような作品は、作者の天賦の才能とかセンスによってスポーンと生み出されるんだと思ってたけど、この文章が書かれた(あるいは書かれなかった)理由は?「小説」になるために次に何が起きるべきか?等々テクニカルな教えだらけで目から鱗だった。ありがとうソーンダーズ先生…短編小説の読み方が少し分かった気がします…なお「鼻」が一番好き
- 拓洋舎@hallelujah10252025年5月2日読んでる@ 自宅今度の課題短編は「かわいいひと」(アントン・チェーホフ) ソーンダーズ先生の解説末尾にある文に目が留まる。 『神が私たちをこれほどまでに愛せる、と言われているのは、無限の情報があるからかもしれない。』
- 拓洋舎@hallelujah10252025年4月11日読み始めた借りてきた@ 湘南大庭市民図書館2024/12/2にTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』で上田航平さんが紹介されていて、気になっていた一冊。 ようやく、そしてとりあえず図書館で借りてみた。 冒頭『はじめに』だけでワクワクしてきた。 これは、手元に置いておきたいかも。
- なみんご@namingo2025年1月28日買った読んでるこれを一章だけ読んでから、感想・批評の技術が激上がりした。映画も小説もドラマも、一緒に鑑賞した人から「なんでそんな急に面白い着眼点と語りができるようになったん?」ってびっくりされたほど。それぐらい作品を見る眼差しが変わる。ロシア文学も全く今まで読んでなかったのに、短編がおもしろくてたまらなくなった。うまい小説とはなんなのかを説明できるようになったを 短編を書く上で編集者さんに勧められた本だけど、出会ってよかったですわん。でもこれを読んだからと言って書けるかっつーとまた全然別の話で、むしろ目だけが良くなってしまい喉から汚い声を絞り出して膝をつく回数が増えたよね。