
蒐
@shushu_ka
ミステリ好きの雑食。年50冊以上を目標にゆるゆる読んでます。
- 2026年5月23日
神の光北山猛邦読み終わった館や街など、スケールの大きい消失の謎をテーマにした短編集。 どの話も見間違いや勘違いとかではなく、物理的に解明していくスタイルなのがある意味斬新で面白い。 まぁ、スケールでかすぎて説明されても「え、そんなことある…!?」って思っちゃうのが正直なところだけど。 でも、どの話も消失の謎の背景に歴史やロマンがあって、全体として作品に漂う雰囲気がニヒルでかっこいい感じだった。 お気に入りは「シンクロニシティ・セレナーデ」。 - 2026年5月11日
I道尾秀介読み終わった視点の異なる2章の物語からなる小説で、読む順番によって、多くの人が殺されるか、それとも救われるか、全く異なる結末になることが序盤で明示されている。 自分は幸い、救われるルートで読むことができたが、本当にこの構造はすごいと思う。 というか、構造を分かった上で違う順番で読み返してみても、本当に逆の結末になるのかどうか、分かるようで分からない。 自分の記憶を消して、逆の順番で読めたらなぁ…!(と言いつつも悲しい結末は嫌なんだけど…) 物語自体は、過去に家族を失い、悲しみと抱えながら危ういバランスで生きている登場人物が多く、道尾さんの描く、この仄暗い雰囲気の世界観が好きだなぁと改めて感じた。 - 2026年5月6日
学校の怪談じゃ、ものたりない? 君に綴る5つの恐怖伴名練,内藤了,梨,澤村伊智,藤ダリオ読み終わったヤングアダルト向けのホラーアンソロジー。 目当ては伴名練作品だったけど、収録されている5作品の作風がかなり違うので、このアンソロジーをきっかけにホラーの世界の広さを今の中高生が知ってくれるといいなーと謎の上から目線な思いを抱いてみたり。 宇宙を巡るボーイミーツガールちっくな伴名作品と、学級新聞づくりの班員を襲う悲劇を描いた澤村作品は、闇深い中にも青春っぽさがあって雰囲気が好きだっただけに、もう少し救いがあってほしかったなーと思ってしまった。でも、今の中高生は安易なハッピーエンドは求めてないのかも?とか余計なことを色々考えちゃって、我ながら面倒臭いことこの上ない。 結局のところ、梨作品がシンプルに一番印象深かったかも。 昨今、飽和状態のように感じられる、とあるジャンルを皮肉ったようなオチが痛快だった。 - 2026年4月28日
ハヤディール戀記(下)町田そのこ読み終わった上巻からのスピード感に乗って、あっという間に読了。 張り巡らされた伏線が次々と回収されていくのでミステリーとしてはスッキリする一方、甘々ラブストーリーに期待してた身からすると、レルフもエスタもなんだか色々大人過ぎて、もっと自由に生きろ〜!と叫びたくなる。 黒幕がビックリするほどの小物でちょっと笑えたが、攫われた巫女の謎が、王宮の暗い歴史にまで繋がっていく壮大さは魅力的。 このタイトルなのも納得がいく美しい物語の幕切れだった。 - 2026年4月25日
ハヤディール戀記(上)町田そのこ読み終わった最近あまりファンタジーは読んでないけど、町田さんってこういう作品書くんだ!?という新鮮さから手に取ってみた。 自分が若い頃に読んでた講◯社ホワイトハートとか角◯ビーンズ文庫のような、ライトノベルを彷彿とさせる煌びやかなな読み心地が懐かしい。 なんたってイケメンで剣の腕が立つ騎士団長と、秘めた力を持つ美しい巫女との恋愛が物語の主軸で、出てくる登場人物が基本的にみんなキラキラ美しい(そして有能)。 ただ、序盤で巫女は何者かに攫われてしまい、王宮でも何やら不穏な動きが出てきて、ミステリーの側面もあるので気になって一気読みだった。 そして巫女の行方が全然分からないまま上巻が終わっちゃったけど、大丈夫だろうか…? ご都合主義でもいいから、甘々ラブラブハッピーエンドが見たいんだけど…! - 2026年4月19日
殺し屋の営業術野宮有読み終わった殺し屋業界に引きずり込まれた凄腕営業マンのお話…なんだけど、この主人公のサイコパスっぷりがいい意味で頭イカれてて最高だった。 読む前は、殺し屋に営業って必要なの…?と思ってたけど、殺し屋の世界も一応会社としてやってる以上、優秀な営業がいないと案件を受注できないって発想がシュールだし現代的だなぁ。 元々優秀な営業マンだった主人公がそれなりに痛い目に遭いながらも、理不尽なノルマを達成すべく、裏社会でメキメキ実力をつけていくのが面白くて一気読みだった。 もはや最後のほうは営業関係なくない?って野暮なツッコミをしちゃったけど、今後彼らがどんな感じで仕事していくのか見てみたい。 - 2026年4月11日
死んだら永遠に休めます遠坂八重読み終わったパワハラ上司の胸糞悪さの解像度が高すぎる。あー、うちの職場にもいたな、こんな人。 そんなクソ上司が怪文書を残して失踪し、職場が平和になったかと思いきや、ブラックな仕事量は変わらず、殺人の疑いもかけられて疲弊する主人公。 疲れすぎて、だんだん自分の記憶すらもあやふやになっていく様子が怖すぎる。正直、殺人事件よりもそっちのが怖かった。 そして、事件の真相よりも職場の人間関係のほうが恐ろしい。 ページをめくる手が止められず一気に読んじゃったけど、色んな意味で育休復帰直前に読むべき本じゃなかったな…。 働くのが怖くなってきた。 - 2026年3月30日
戦国転生同窓会織守きょうや読み終わった戦国武将の前世の記憶を持つ人たちが同窓会という名目で集められ、誰が誰の生まれ変わりか分からないまま事件が起きる…という実にタイトルどおりで分かりやすいストーリー。 そこまで戦国時代の歴史に詳しくないのだけど、今ちょうど大河ドラマでこのあたりの人間関係が描かれているところなのでいい感じに頭に入る。特に織田信長って、ほんと作品によって描かれ方が違っていて楽しい。 まぁ、良くも悪くもライトな読み心地で、中高生とかにも安心して薦められる青春テイストな読後感だったけど、本音を言えばもう少し血なまぐさい事件や人間模様が見たかった気もする。 - 2026年3月26日
白薔薇殺人事件クリスティン・ペリン,上條ひろみ読み終わった久々に海外ミステリ。 なかなか名前が覚えられなかったり、翻訳や世界観に馴染むのに時間がかかったけど、終盤は怒涛の展開で一気読み。 自分が殺される予言を信じた老女が本当に殺されてしまい、その遺言によって相続争いに巻き込まれた孫娘アニーが謎解きに挑む物語。 閉鎖的な村での人間関係や、祖母の若き頃の恋愛や友情が絡んでドロドロな人間模様だけど読み応えがあった。 村人がみんな怪しく思えて、最後まで犯人が分からない。 パニックやヒステリックを起こしながらも奮闘するアニーのキャラは、なかなか日本のミステリではお目にかからないタイプなので新鮮だった。 - 2026年3月16日
本読むふたり菊池良読み終わったこれ私のこと?と思ってしまうくらいリアルに感じられる部分が多かった。 読書にハマって、SNSで本好きの人と繋がって。神保町の古書店やさぼうるに行ったこともあるし、好きな作家さんの本を発売日に買いに行ったりして、毎日本のことを考えて楽しかったあの日々。 そして、だからこそ、生活リズムが変わると急に本が読めなくなる過程もリアルで心がえぐられた。 あと、恋愛って共通の趣味も大事だけど、それ以上に、長続きするかどうかはちょっとした日常の価値観が合うかどうかなんだよね。 果たしてこの小説のふたりは今後どうなるんだろう? - 2026年3月11日
電報予告殺人事件岡本好貴読み終わったかつて電報がいち早く情報を伝える手段として主流だったヴィクトリア朝のイギリスが舞台のミステリ。 電信士のローラを主人公に語られる電信技術に関わるお仕事は興味深いし、殺人事件の予告やトリックなどにも電信がうまく絡められていて、最初から最後まで知的好奇心がワクワクする読書になった。 ミステリとして面白かったのに、この人犯人っぽいなーと直感で思ってた人が犯人だったので、まともに推理せずに物語の展開だけで犯人を予想しちゃう自分のクセが嫌になる。 結婚後に働く女性が少ない時代でもあり、仕事で認められたい、でも結婚もしたい(まだ相手はいないのに…)とぐるぐる悩む上に変に惚れっぽいローラの直情さにはちょっと辟易したけど、ある意味現代に通じるリアルさがあるな、と思ったり。 - 2026年2月24日
午前零時の評議室衣刀信吾読み終わった裁判員に選ばれた人たちが実際の審理の前に集められ監禁され、有罪無罪の評議を迫られるという、裁判がテーマの小説にしては異色の設定が目を引く。 もっと分かりやすく決定的な証拠がズバッと出てきたらいいのにな、と思うものの、著者の経歴がガチの法律家なので、きっとリアルな裁判も証人の証言や細かい状況証拠の積み重ねで判断するしかなくて大変そう…。 最後まで議論することから逃げずに真実を追い求めた主人公の真っ直ぐさが眩しすぎて、私もすっかり心の汚れた大人になってしまったなと感じる。 - 2026年2月22日
本読むふたり菊池良読み始めた読書に目覚めた大学生が、小説の面白さにハマり、ツイッターで本の感想を人と共有していく過程が、かつての自分を見ているようでなんだかニマニマしてしまう。 2016年頃が舞台で、私もその頃が人生で一番本を読んでた時期なので、知っている本のタイトルがたくさん出てきて懐かしい。 ここからどう恋愛に発展するのか楽しみ。 - 2026年2月21日
デモクラシーのいろは森絵都読み終わった戦後日本の民主化政策の一環として、日系二世の青年が個性豊かな若い女性たちを前に「民主主義のレッスン」に奮闘するお話。 …というあらすじを知った時は、なんだか真面目で重そうな話っぽいけど楽しめるのかな?と思ったし、実際、登場人物どうしに距離感があるうちは、主人公のリュウとともに先の見えない不安を感じたけれど、読み進めるとどんどんキャラクターたちの魅力が深まる素敵な作品だった。 有能で堅物だけどお人好しなリュウの尽力で、最初は覇気がなかったのに次第に自らの足で力強く人生を歩もうとする女性陣。 彼らのようにこの時代にそれぞれの「民主主義」を模索した人たちの心が今の日本につながっているのだなと感じる。 ささやかな恋愛模様も微笑ましくて、ハッピーな気持ちで読了。 - 2026年2月20日
魔女裁判の弁護人君野新汰読み終わった魔女の存在が信じられていた中世ヨーロッパ社会を舞台にしたミステリ。 いったん魔女として告発されてしまうと、「魔術」の存在が前提になり、どんな犯罪でもこじつけが可能なので覆すことは難しい。閉鎖的な村で誰もが「魔女」の有罪を信じる中、普通に弁護したところで誰も納得するはずもなく、主人公がどういう手段を取るのかワクワクしながら読んだ。圧倒的不利な魔女裁判に純粋に論理で挑むというのが斬新で面白いな、と思ってただけに、最後の展開はちょっともやもや…。犠牲が多すぎる…。 - 2026年2月15日
飼い犬に腹を噛まれるほしよりこ,彬子女王読み終わった恥ずかしながら、皇族には詳しくなくて、三笠宮と聞いてもピンとこない私ですが、このエッセイはとても面白かった! とにかく彬子様の人柄が魅力的。物事の捉え方のポジティブさが素敵だし、根っからの学者肌なのかささいな日常を文化的な視点で考察される様子もふむふむと興味深い。皇族ならではの儀礼や、常にお側にいる「側衛さん」の存在など、雲の上の知らない世界が垣間見えるのも楽しい。 巻末のほしよりこさんとの対談での「自分の「好き」を追求する時間は、たとえその夢が叶わなかったとしても、とても大切な時間だ」という言葉がしみじみと胸にしみた。 - 2026年1月28日
飼い犬に腹を噛まれるほしよりこ,彬子女王読んでるユーモアたっぷりなのに、品のある文章に惹き込まれる。 両親や親戚に対して自然に敬語だったり、宮中の儀式がさらっと出てきたりして、親しみやすくても違う世界のお人なのだなぁと感じ入る。 恥ずかしながら皇族に無知なもので、彬子女王がどういう系譜の方なのか、経歴や今のお仕事が何なのか全く分からない状態で読み始めた。 でも、あえてそのあたりは読み終えてから調べようと思う。 今は先入観なく、この文章を最後まで楽しみたい。 - 2026年1月28日
狼少年ABC梓崎優読み終わったずっと待ち望んでいた短編集。 ぜんぶ、ぜんぶ、よかった。 ひとつひとつの情景が目に浮かぶ。 ハワイに咲いた美しい雪の花。 雪の中で傘とともに消える足跡。 巨人と狼が見せる夢のような空間。 在りし日の卒業式の喧騒と飛立つ鳩。 どの景色も美しくも哀しく胸に刺さる。 過去の謎が解けても現実は変わらないし、悲しみが消えるわけでもない。 だけど、誰かを想う気持ちは色あせない。 謎が解けることで見えたその優しさは、未来へと歩む彼らの背中をそっと押してくれるだろう。 そのつながりに私も救われた気がした。 - 2026年1月21日
でも、ほしい山下紘加読み終わった子どもがほしい、結婚相手がほしい、夫の愛がほしい、推しの笑顔がほしい… 「ほしい」の感情にとらわれた4人の女性の群像劇。 不穏な空気感が漂い続けるのに、一気に読んでしまった。 「ほしい」という欲求は厄介だ。なぜほしいのか、自分でもうまく言語化できないけれど、衝動に駆られて、合理的ではない行動や心理状態に陥る経験は私にもあるので、登場人物たちに完全には共感できなくても、部分的に深く刺さるシーンが幾度もあった。 彼女たちの「ほしい」の行く末には幸せな未来が見えなくてモヤモヤするし、実際何も解決しない。 でも、人生ってきっとそういうもの。みんな「ほしい」の気持ちにどうにか折り合いをつけて生きているのだから。 - 2026年1月11日
狼少年ABC梓崎優読み始めたこの作者さんの描く世界が好きで好きで、新作が読めることが心から嬉しい!(正直もう小説書くのやめちゃったのかな、と思ってたので…) まだ短編の最初の1話目を読み終えたところだけど、優しさあふれるミステリで最高! 1話ずつじっくり堪能したい。
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