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@shushu_ka
ミステリ好きの雑食。年50冊以上を目標にゆるゆる読んでます。
  • 2026年8月23日
    成瀬は都を駆け抜ける
    大学生になった成瀬を描く、シリーズ3作目。 1作目を読んだ時は、この小説と中高生時代に出会えてたら良かったなぁ〜なんて思ったものだけど、本作を読んだら、成瀬の母親目線の話があることもあって、今この時に読めて良かったなとしみじみと思った。 成瀬あかりは真っすぐに自分の道を貫くがゆえに風変わりなところがあるけれど、彼女の魅力は周りの人を惹きつけるだけでなく、時に人生観を変え、周りの人の出会いを繋いでいく。 これまで登場した人たちやエピソードが、綺麗に繋がっていく展開がお見事だった。 そしてやっぱり最後はみゆきちゃんが締めてくれるのも大満足。 これからもずっと成瀬の活躍を見たかったな。次は何をするんだろう?
  • 2026年8月22日
    さよならジャバウォック
    冒頭、主婦が夫の暴力に抵抗しようとして殺してしまったシーンから始まるので、伊坂さんってサスペンスとかミステリーとか描くんだ!?と新鮮に思ったものの、なんだかんだでやっぱり安定の伊坂ワールドだった。 ジャンルでいうと、SF…になるのかな? 「ジャバウォック」という未知の存在と、それに対処しようとする謎の組織、そして巻き込まれた主婦の量子。 話がどこに行き着くのか?信用できるのは誰なのか?先が読めない展開にハラハラしながら読んだけど、結局、凍朗がやりたかったことがピンとこなくて、ちょっと個人的に消化不良な感じだった。 でも、量子の子どもや母親との揺るがない関係性はなんだかいいなって思う。
  • 2026年8月14日
    きみは赤ちゃん (文春文庫)
    川上さんの妊娠・出産・育児エッセイ。 日頃SNSやブログでも妊娠・子育てにまつわる色んな人の文章を読むことがあるが、川上さんの感性で描かれると、ほんと面白くて尊さに満ちているなーと思う。 私自身も妊娠・出産は少し遠い記憶になってしまって、嬉しかったことも辛かったこともそれなりにいっぱいあったはずなのに、渦中を過ぎると悲しいかな、その頃の感情を忘れてしまったり美化してしまったりしている。だから、改めてその真っ最中にあって真剣にもがいている人の叫びのような文章を読むと、あの頃の自分と重なる部分もたくさんあって、今更だけどなんだかとても救われた気分になった。 しかしまあ、この本ももう10年近く前の出来事が描かれているわけで。 無痛分娩にまつわる事情とかはそれなりにいい意味で変わってきたところはあるけど、男女の意識差とか、母親の役割とか、仕事との両立とか、そのへんの感覚って10年経ってもあまり変わらないものなんだな…と、川上さんの嘆きを見てしみじみと感じた。 これからの若い世代の人たちは、そういう部分で悲しい思いをしてほしくないなぁ。
  • 2026年8月5日
    イン・ザ・メガチャーチ
    「推し活」を巡る闇深い人間ドラマだった。面白い!…んだけど、ワクワクというより始終ハラハラしながら読んだ。 私自身は色んなジャンルにちょこちょこ手を出すオタクではあるものの、のめり込むほどの「推し」に出会ったことはないので、どちらかというと親目線で読んだのだけど、もし自分の子どもが親の金を無断で「推し」に注ぎ込んでいたら…とか考えると、ほんと怖すぎる! 好きなものを誰かと共有するのは楽しいし、人生に必要なことだと思うだけに、一線を越えるかどうかの線引きは難しい。 どの登場人物も純粋な悪人ではないだけに、何が悪かったのか?どこで引き返せたのか?と答えの出ない思考回路にグルグルはまってしまった。
  • 2026年8月3日
    記銘師ディンの事件録 木に殺された男
    記銘師ディンの事件録 木に殺された男
    中世ヨーロッパ的な世界観で、独自の改変技術で巨獣の襲撃の脅威に抗う人類が生きる世界を描くSF風ファンタジー。 巨獣の脅威が迫る中で起きた殺人事件の謎を追うミステリでもあり、とても読み応えがあった。 やっぱりバディもののミステリは面白い!クセの強い女性上司が安楽椅子探偵で、真面目な部下の青年ディンが助手というコンビの相性が素敵。 ディンは全ての物事を記憶する改変を受けているという設定なのだけど、この能力は読者視点の探偵助手役としては最強だなと思ったり。 巨獣の襲撃でいつ滅んでもおかしくない世界の中でも、自暴自棄にならず自らの正義感をもって真相を解明しようとする登場人物たちがかっこよかった。
  • 2026年7月15日
    探偵小石は恋しない
    不本意ながら不倫調査が得意な探偵の小石さんと同僚の蓮杖君がちょっと変わった色恋絡みの謎に挑む連作短編集。 …かと思いきや、最大の謎は思わぬところにあり、最後まで話の行き着く先が読めなくて面白かった。 ものすごいトリックが出てくるとか、そういう類いのミステリではない。だけど、読者の思い込みというか、無意識の偏見の隙を突いてくる感じが、騙されたのに爽快感があって良かった。 個人的には最後までタイトルの方向性を貫いてほしかった気もするけど、大衆的にはやっぱラブたけのこが求められてるんだろうなぁ。 続編はどういう趣向になるのか楽しみ。
  • 2026年6月27日
    スコッパーの女
    「小説家」にまつわる短編奇譚集。 どことなくモキュメンタリーホラーっぽいというか、実際に著者が見聞きした実話っぽい淡々とした語り口なので、リアルに感じられて惹き込まれた。 だけど、改めて振り返ると、人の死期を読み取る能力を持つ人とか、文章から人の本質を見抜く人とか、キーボードの打鍵音で周囲の生態系に影響を及ぼす作家とか、すごい設定盛りだくさんで、よくこれだけの要素を上質な雰囲気の幻想譚にまとめられるなぁと脱帽する。 色々とヤバい人たちが登場する中で、実は一番ヤバいのは語り部の「私」なんじゃ…?と匂わせてるところが好みなんだけど、一つ残念なのは「私」がうだつの上がらない感じの中年男性だということ。 だって、山白朝子さんって、ミステリアスで妙齢な女性作家さんでしょ?(すっとぼけ)
  • 2026年6月24日
    オウマガの蠱惑
    最近、カクヨム出身の作家さんのホラーが面白いので、こちらも読んでみた。 過疎化の進んだ村を舞台にした、よくある因習村系ホラーではあるものの、村に住む少女の視点で前半はノスタルジーに溢れた田舎の伝統行事が不穏な感じで描かれ、後半になると少女の成長とともに田舎の嫌な部分がどんどん見えてくるのが、なんともリアル。 伝統の裏に隠された内情は、吐き気がするほどひどいものだったが、いかにも因習村らしくて、ある意味期待どおりで良かった。 ただ、怪異的な怖さは正直あんまりなくて、タイトルもピンとこないのが少々残念ではある。
  • 2026年6月7日
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
    久しぶりに海外のSFを読んだ。 科学にも宇宙にも疎くて、前半はかなり読み飛ばしてしまったが、ロッキーと出会ってからはとにかく面白い! 目覚めると一人で宇宙船の中にいて、記憶は失われているし、なんか地球の危機を背負っているっぽいし…からの、未知との遭遇!という流れはめちゃくちゃ王道でワクワクした。 特に、生きる環境も言語も異なる相手とコミュニケーションを積み上げていく様子が面白く、いつのまにかロッキーがかわいくてしょつがない。イマイチ彼の外観のイメージが湧かないので、映画の画像をチェックしてみようかな。(かわいくなかったらどうしよう…) 早く下巻読みたい。
  • 2026年6月6日
    グレタ・ニンプ
    妊娠が判明した途端に謎のヤンキー(?)キャラへと激変した妻に戸惑う夫の悲喜こもごもを描いたコメディ。 自分もそれなりに妊娠出産では色々あったので、豹変した妻の気持ちもわかるなぁ………って、いや、ぜんぜんわからんわ!むしろオロオロする夫の気持ちに全力で共感するわ! ってくらい、変貌ぶりがヤバくて笑える。(あと、ところどころページをぶち破りそうなフォントが登場するのも笑える。) 基本的には妻も夫も性格はいい人だし、悩みも闇が深くないから安心して読めるけど、妊娠出産育児を巡って世間から感じるモヤモヤっぷりはよく描かれているなあと思う。 この夫婦にはそんな空気感に負けないで自分たちらしく育児をエンジョイしてほしいな。
  • 2026年5月23日
    神の光
    神の光
    館や街など、スケールの大きい消失の謎をテーマにした短編集。 どの話も見間違いや勘違いとかではなく、物理的に解明していくスタイルなのがある意味斬新で面白い。 まぁ、スケールでかすぎて説明されても「え、そんなことある…!?」って思っちゃうのが正直なところだけど。 でも、どの話も消失の謎の背景に歴史やロマンがあって、全体として作品に漂う雰囲気がニヒルでかっこいい感じだった。 お気に入りは「シンクロニシティ・セレナーデ」。
  • 2026年5月11日
    I
    I
    視点の異なる2章の物語からなる小説で、読む順番によって、多くの人が殺されるか、それとも救われるか、全く異なる結末になることが序盤で明示されている。 自分は幸い、救われるルートで読むことができたが、本当にこの構造はすごいと思う。 というか、構造を分かった上で違う順番で読み返してみても、本当に逆の結末になるのかどうか、分かるようで分からない。 自分の記憶を消して、逆の順番で読めたらなぁ…!(と言いつつも悲しい結末は嫌なんだけど…) 物語自体は、過去に家族を失い、悲しみと抱えながら危ういバランスで生きている登場人物が多く、道尾さんの描く、この仄暗い雰囲気の世界観が好きだなぁと改めて感じた。
  • 2026年5月6日
    学校の怪談じゃ、ものたりない? 君に綴る5つの恐怖
    学校の怪談じゃ、ものたりない? 君に綴る5つの恐怖
    ヤングアダルト向けのホラーアンソロジー。 目当ては伴名練作品だったけど、収録されている5作品の作風がかなり違うので、このアンソロジーをきっかけにホラーの世界の広さを今の中高生が知ってくれるといいなーと謎の上から目線な思いを抱いてみたり。 宇宙を巡るボーイミーツガールちっくな伴名作品と、学級新聞づくりの班員を襲う悲劇を描いた澤村作品は、闇深い中にも青春っぽさがあって雰囲気が好きだっただけに、もう少し救いがあってほしかったなーと思ってしまった。でも、今の中高生は安易なハッピーエンドは求めてないのかも?とか余計なことを色々考えちゃって、我ながら面倒臭いことこの上ない。 結局のところ、梨作品がシンプルに一番印象深かったかも。 昨今、飽和状態のように感じられる、とあるジャンルを皮肉ったようなオチが痛快だった。
  • 2026年4月28日
    ハヤディール戀記(下)
    上巻からのスピード感に乗って、あっという間に読了。 張り巡らされた伏線が次々と回収されていくのでミステリーとしてはスッキリする一方、甘々ラブストーリーに期待してた身からすると、レルフもエスタもなんだか色々大人過ぎて、もっと自由に生きろ〜!と叫びたくなる。 黒幕がビックリするほどの小物でちょっと笑えたが、攫われた巫女の謎が、王宮の暗い歴史にまで繋がっていく壮大さは魅力的。 このタイトルなのも納得がいく美しい物語の幕切れだった。
  • 2026年4月25日
    ハヤディール戀記(上)
    最近あまりファンタジーは読んでないけど、町田さんってこういう作品書くんだ!?という新鮮さから手に取ってみた。 自分が若い頃に読んでた講◯社ホワイトハートとか角◯ビーンズ文庫のような、ライトノベルを彷彿とさせる煌びやかなな読み心地が懐かしい。 なんたってイケメンで剣の腕が立つ騎士団長と、秘めた力を持つ美しい巫女との恋愛が物語の主軸で、出てくる登場人物が基本的にみんなキラキラ美しい(そして有能)。 ただ、序盤で巫女は何者かに攫われてしまい、王宮でも何やら不穏な動きが出てきて、ミステリーの側面もあるので気になって一気読みだった。 そして巫女の行方が全然分からないまま上巻が終わっちゃったけど、大丈夫だろうか…? ご都合主義でもいいから、甘々ラブラブハッピーエンドが見たいんだけど…!
  • 2026年4月19日
    殺し屋の営業術
    殺し屋業界に引きずり込まれた凄腕営業マンのお話…なんだけど、この主人公のサイコパスっぷりがいい意味で頭イカれてて最高だった。 読む前は、殺し屋に営業って必要なの…?と思ってたけど、殺し屋の世界も一応会社としてやってる以上、優秀な営業がいないと案件を受注できないって発想がシュールだし現代的だなぁ。 元々優秀な営業マンだった主人公がそれなりに痛い目に遭いながらも、理不尽なノルマを達成すべく、裏社会でメキメキ実力をつけていくのが面白くて一気読みだった。 もはや最後のほうは営業関係なくない?って野暮なツッコミをしちゃったけど、今後彼らがどんな感じで仕事していくのか見てみたい。
  • 2026年4月11日
    死んだら永遠に休めます
    パワハラ上司の胸糞悪さの解像度が高すぎる。あー、うちの職場にもいたな、こんな人。 そんなクソ上司が怪文書を残して失踪し、職場が平和になったかと思いきや、ブラックな仕事量は変わらず、殺人の疑いもかけられて疲弊する主人公。 疲れすぎて、だんだん自分の記憶すらもあやふやになっていく様子が怖すぎる。正直、殺人事件よりもそっちのが怖かった。 そして、事件の真相よりも職場の人間関係のほうが恐ろしい。 ページをめくる手が止められず一気に読んじゃったけど、色んな意味で育休復帰直前に読むべき本じゃなかったな…。 働くのが怖くなってきた。
  • 2026年3月30日
    戦国転生同窓会
    戦国転生同窓会
    戦国武将の前世の記憶を持つ人たちが同窓会という名目で集められ、誰が誰の生まれ変わりか分からないまま事件が起きる…という実にタイトルどおりで分かりやすいストーリー。 そこまで戦国時代の歴史に詳しくないのだけど、今ちょうど大河ドラマでこのあたりの人間関係が描かれているところなのでいい感じに頭に入る。特に織田信長って、ほんと作品によって描かれ方が違っていて楽しい。 まぁ、良くも悪くもライトな読み心地で、中高生とかにも安心して薦められる青春テイストな読後感だったけど、本音を言えばもう少し血なまぐさい事件や人間模様が見たかった気もする。
  • 2026年3月26日
    白薔薇殺人事件
    白薔薇殺人事件
    久々に海外ミステリ。 なかなか名前が覚えられなかったり、翻訳や世界観に馴染むのに時間がかかったけど、終盤は怒涛の展開で一気読み。 自分が殺される予言を信じた老女が本当に殺されてしまい、その遺言によって相続争いに巻き込まれた孫娘アニーが謎解きに挑む物語。 閉鎖的な村での人間関係や、祖母の若き頃の恋愛や友情が絡んでドロドロな人間模様だけど読み応えがあった。 村人がみんな怪しく思えて、最後まで犯人が分からない。 パニックやヒステリックを起こしながらも奮闘するアニーのキャラは、なかなか日本のミステリではお目にかからないタイプなので新鮮だった。
  • 2026年3月16日
    本読むふたり
    これ私のこと?と思ってしまうくらいリアルに感じられる部分が多かった。 読書にハマって、SNSで本好きの人と繋がって。神保町の古書店やさぼうるに行ったこともあるし、好きな作家さんの本を発売日に買いに行ったりして、毎日本のことを考えて楽しかったあの日々。 そして、だからこそ、生活リズムが変わると急に本が読めなくなる過程もリアルで心がえぐられた。 あと、恋愛って共通の趣味も大事だけど、それ以上に、長続きするかどうかはちょっとした日常の価値観が合うかどうかなんだよね。 果たしてこの小説のふたりは今後どうなるんだろう?
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