炒飯狙撃手

30件の記録
- roiban@roiban2025年5月4日読み終わった読んだ。イタリアに潜伏して炒飯店を営む台湾のスナイパー小艾と、反黒科(組織犯罪課)所属の引退間近の刑事老伍の2人の人物の視点から、ある陰謀に迫っていく物語。小艾が上からの指示でトレヴィの泉を訪れていた台湾の高官を暗殺したところ、何故か同業の殺し屋に追われることになり…。/ヨーロッパ各地を点々とする小艾の逃亡劇と、台湾各所に散らばる関係者への老伍による聞き込み捜査が並行して進み、章毎に地図まで載せてくれる。タイトルにもある小艾の得意料理の炒飯や台湾菜の数々も登場し、スリルの合間の異国情緒が効いている。やや偏見だが度々故事の引用があったりユーモアの感覚に華文だな〜という感じの癖はある。真相に向かって直線的に情報を小出しにする構成で、ミステリーとしての仕掛けはやや弱めか。
- ユメ@yumeticmode2025年4月19日読み終わった感想『おすすめ文庫王国2025』に取り上げられていたり、ノンフィクション作家の高野秀行さんが紹介されていたりして気になっていた本。何より、タイトルがいい。実際に本を買ってから、原題は『THE SNIPER』なのだと知って驚く。翻訳の妙だ。主人公のひとりである凄腕スナイパー小艾の特技は炒飯を作ること。物語の合間で彼が腕を振るう炒飯がとても美味しそうで、食欲をそそられる。他にも台湾のローカルグルメが次々と登場するのが嬉しい。 組織の命令を受けて標的を射殺した小艾は、一転して何者かに命を狙われる身となる。一方、定年退職を間近に控えた刑事の老伍は、自分の追っていた連続不審死が小艾と繋がっていることに気付く。二人の人生が交錯するにつれ、背景にある陰謀が見えてきて——という台湾の謀略スリラー。読み慣れないジャンルだったので、初めは苦戦したのだが、小艾と老伍がそれぞれ事件の黒幕に迫っていく辺りからページを捲る手が止まらなくなった。「家」に囚われた者たちの悲哀が強く胸に迫り、本を閉じたあとも余韻がなかなか抜けない。「家」とは何だろうと考えさせられる。やや冷えこんでいた老伍と息子の関係が改善され、小艾と老伍の心がわずかに交わった象徴として炒飯が描かれるラストシーンがよかった。
- コタ@hts2025年3月29日気になる買った読み始めた読み終わったいい感じで始まりました。これは期待できそう! そして読了。面白かった。ある意味王道のサスペンスだけど台湾風味と炒飯風味が加わって、良い感じ。続編も読みます。